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親と対面の記憶ですか!?

「ほ、ほんとにこんな人数で行って大丈夫なのか?」

「大丈夫だって。すでに許可はとってあるから」


 みんなを連れて自宅のマンションに向かっているところだ。

 金澤の嫌がらせでテストのヒントをもらえなかった。

 まあ1教科だけなので問題なかったんだけど、金澤が僕を目の敵にしてるせいでみんなを巻き込んじゃったお詫びに一緒にテスト勉強しようってことになったのだ。


「喜路来くんのおうちかぁ」

「しずくちゃんにとっては聖域だもんね大好きな人の」

「そうそう、授業中もずっと上の空だったしね」

「は、恥ずかしいから言わないでよもう」


 3人組はキャピキャピといつも通りだ。


「わたしまで行ってもいいのかな?」


 不安そうに尋ねてきたのは元バスケ部マネージャーの蛯原さんだ。


「もちろんだよ。蛯原さんも一緒にエロレポートを運んだ仲なんだしね」

「そうだよあれ!キロ坊はなんであんなレポート持ってたんだ?」

「ああ、あれは授業中にコソコソ書いてるのを1度だけ見たんだよ」


 もちろん完全記憶能力でね。

 あんなニヤけた気持ち悪い顔は嫌でも忘れられないってのに悪夢だよ。


「それをウチが大量にコピーしてレポートの最後にくっつけたってわけだ。ウチらを陥れたアイツがわりーんだよ」

「自業自得ではあるけどね。それより瑠奈のその格好は……」

「ご両親にご挨拶するんだから当然だろ」

「わざわざ家に帰って着替えてこなくても」


 父さんに会えるならファンとして制服じゃ失礼とか言ってきかなかったのだ。


 しかしこれは……


「大原さんてすっごい美人でビックリしました」

「わたしも驚きです。強力なライバ……」


 小声すぎて最後まで聞こえなかったけど、瑠奈の美人ぶりにみんな驚いている。


「真っ白なワンピースがすごく似合ってる」

「ば!?馬鹿言ってんじゃねー!!キロ坊死にたいのか?」

「どこにこれから行く家の息子を殺す来客がいるのさ?」

「はっ!?」


 真っ赤な顔して本当に気づいてなかったらしい……

 

 * * *



「わたしはいま神を目撃した」

「もう瑠奈は黙ってて」


 父さんを見るなり瑠奈はおかしくなった。

 正確にはずっと変なんだけど。


「みんなよくきてくれたね。喜路来と仲良くしてくれてありがとう」

「そそそそそそそそんな、めめめめめめめめっそうもございません」


 蛯原さんは高速で頭を上げたり下げたりを繰り返す始末。

 どこの言葉それ?


「はっはっは。喜路来の友達は面白い子が多いな」

「……はい」


 高校生にもなって友達紹介でこんな恥ずかしい目にあうとは。


「それで?喜路来はもう全員手篭めにかけたの?」

「ぶっふぉ!母さんいきなり出てきてなに言ってるの!」

「作家メモリーの息子ならハーレム野郎は既定路線なの。わたしもどれだけ先輩にヤキモキさせられたか」


「「え?」」


 父さんと見事にハモった。ハモってしまった。

 母さんの言葉にビックリしたけど想定内。想定外なのは---


「なんで母さんセーラー服着てるの?」

「お父さんと喜路来の趣味」

「ぶっふぉ!」


 今度は父さんが吹き出している。

 わざとだ……絶対に母さんはわざとセーラー服を着ている。

 たぶん父さんの視線を若い子に向けないため。それと僕と父さんが記憶喪失のフリをしてるのを内緒にしてたから。


「鬼畜親子……」


 だ、誰いま小声で言ったの!?


 なんで瑠奈はすごく悔しそうなのかも不明だし……


 母さんが出てくるといつもカオスだ。


 まったくこの小悪魔は……


うおお!ランキング外になりそうです。

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