暗殺者VSストーンゴーレム
拷問シーンがあります。苦手な方はお気を付けください。
僕は朝起きて寝落ちするまで一日18時間くらい仕事し続ける仕事人間なんですけど、昨日は詰め込みすぎたのか嘔吐と頭痛が止まらず執筆が出来ませんでした。申し訳ありません
先月末にコロナから復帰したんですけど、その時に落ちてしまった体力が戻っていないのに無茶しすぎたみたいです
でも今朝なろうを開いたらブックマーク者が15名ほど増えてるし、高評価してくださった方も増えてるし、いいねも増えてるし、総合評価100Pt突破してるしで、めちゃくちゃうれしかったです
本当にありがとうございます。
新しくブックマークしてくれた、評価してくれたそこのあなたのおかげです
そして前から見てくださってる皆さんのおかげです
元気出ました。ありがとうございます。
ってなわけでヴァイオレットちゃんの冒険ですっ。どうぞ
ヴァイオレットの視界の先で、倉庫かと思われていた建造物が動き出した。
四角い建物だったそれは、突然大きな亀裂が入ったかと思うと、その部分が稼働し、瞬く間に凸の字型のボディに細長い4本の脚がついていた形のゴーレムになった
ゴーレムの頭部に搭載された目がヴァイオレットをとらえる
(まずい)
ヴァイオレットは焦っていた
主から任された初任務
何より大事な任務が初手から躓きそうになっている現状にだ
(素早く、解決、でもどうやって?)
目の前のアウトローの男の勝ち誇った顔
そしてそのアウトローを守るかのように立ち上がったゴーレム
これがアウトローの組織のガーディアンであるならばただ打ち破るだけである
しかし、男の賭けに勝ったという言葉、そして何より、自分が男を蹴り飛ばした瞬間に動き出したゴーレムこの事実がヴァイオレットに一つの疑念を抱かせる
(まさか、都市、警備ガーディアン)
ヴァイオレットの世界にも、都市そのものを守るように配置される警備用ガーディアンが多々あった
それらは市民の安全を守る存在で、常に同じ範囲を見守り、そこで規定外行為が行われた瞬間にその対象者を制圧するのだ。
その記憶にあるガーディアンの起動条件と、目の前のゴーレムの起動のタイミングがヴァイオレットにはダブって見えた
もしも目の前にいるガーディアンが公の存在であるならば、敵対すれば最後、自分はこの都市の中で永遠のお尋ね者になってしまうだろう
迅速に処理するか、逃走したとしても、この手のタイプは複数で記憶を連動しているケースが多い。間違いなく記録に残る
しかしそれらを警戒し、降参の姿勢をとったとしても、万が一にこれがタダのアウトローの組織の物であった場合、致命的な隙をさらすことになる
戦いか降伏か
限られた情報の中でどの選択を取るのが最善か、ヴァイオレットは瞬時に思案し、そして選択する
(破壊する)
自分が犯罪者指定されたところで、まだヴァイオレットとその他のメンバーは関連性が一切知られていない。
最悪自分が距離を置けば、己の主の行動に支障が出ることは無い。しかし自分が倒れれば確実に支障が出る。
そう判断したヴァイオレットは腰に手をまわし、そこにある刃物の感触を確かめ、足に力を籠め、駆け出そうとした
(主……)
しかし、その時に一人の男の顔が脳裏をよぎる
初めての異世界に戸惑いながらも、少年のようにワクワクしながら自分に武の教えを請いに来た主人の顔を
ヴァイオレットは、自分の行為は主の希望に陰を挿してしまうのでは無いかと不安になる
先ほど裏路地で複数の男たちを始末したときには、主が楽しみにする世界に必要のない奴らを、その目に触れる前に始末できたと、罪悪感どころかむしろ誇らしい達成感に包まれていた。
それに引き換え今の行動はどうか
己の仲間たちをお尋ね者の仲間にしてしまう行為をしてしまった時、それでも主は希望に満ちた顔をしているのか
そして、自分は仲間の傍に戻れるのか
武器を振り汗を流し、楽しそうに笑う主人を、もう二度と見ることはできないのではないか
そう考え、足に込めた力が霧散しかける。しかし
(それでも)
ヴァイオレットは一度緩んだ足の筋肉を責めるかのようにより一層腰を落とし、負荷をかけ力を溜めていく
(それでも)
そして力を一気に解放し、地面を這うような姿勢で飛び出した
(仮に、そばに居られなくても)
こちらに向けるゴーレムのロックを少しでもずらすために、小刻みに左右に体を揺らしながらその足元まで迫る
ゴーレムはその速度を己がとらえられない危機的速度と判断し、4つ足によって浮かび上がらせていたボディを地面にたたき下ろした。
するとゴーレムを中心した衝撃波が全方位に放出された
「うあああああ」
アウトローの男が軽く吹き飛ばされる中、ヴァイオレットの姿はどこにもなかった
ヴァイオレットが居た位置には黒い水たまりのようなものが出来ており、小さな波紋が広がっている
ヴァイオレットが影魔法により自分の影にダイブし、緊急回避を行った証だった
そして衝撃波が収まったタイミングでそこから勢いよく飛び出したヴァイオレットは、敵の姿を見失い、くるくるとその頭部を回していたゴーレムに向かって飛び出した
(そばに居られなくても、主を、支える!)
ゴーレムがヴァイオレットを認識した瞬間には、すでにヴァイオレットは4つ足の一つに飛びついており、胴体と足をつなぐ関節部に思いっきり両手のダガーを振り下ろしていた
ギリリリリリリリリッッ
と、まるで研磨機で石を削っているかのような音が周囲に鳴り響き、それと同時にゴーレムが片足のコトントロールを失い重心が傾く
すかさずゴーレムのバランサーが機能し、傾いた重心を元に戻そうと動き、ヴァイオレットはその反動を使って宙に飛び上がる。
空中で宙返りをしながら天地逆の姿勢をとったヴァイオレットは、己のマントを宙に放り出す
マントは風を受け空高く舞い上がり、その下に隠されていた紫のボンテージと髪の毛を世にさらした。
二の腕と太ももに括り付けられたベルトにはナイフが仕込んであり、マリエルほどではないにしても十分質量のある胸の下半分から、ハイレグ気味に下腹部まで覆うボディスーツ
そして腰のガーターベルトにつながるように太ももをおおい隠す格子状のタイツ
最後にその上に履いたロングブーツ
魔道ゴーレムは己の記憶装置にその顔を、その肢体を、その姿を余すことなく記憶する
(そばで、見られないのは残念、でも)
そしてヴァイオレットは、宙に浮かび上がったマントが、太陽を隠し、天地がひっくり返る自分の足裏に陰を落としたことを感じると、その影を蹴り、空中から地面に向かって飛び上がった
(私は、私のやり方で、主を、支える!!)
ヴァイオレットのダガーからは黒く鈍い光が発っせられ、さながら一筋のように落下した
そしてその着地点にあったゴーレムの頭を削り取りながら胴体を貫通する
地面にぶつかるかと思われたヴァイオレットはそのまま自身の陰に潜り込む
次の瞬間影の中から勢いよく出てきながら、その影を巻き上げるように、水平にダガーを振りながら回転する
影がまるで高速回転する刃のようにゴーレムの足を粉々に粉砕し、ゴーレムはその役目を果たすことなく石屑と化した
しばらくあたりに粉塵が舞い散る音がしていたが、しばらくするとそれも止んだ
静寂
辺り一面にいる生きとし生けるものすべてが生命活動を止めてしまったかのような不気味な静寂
そしてその中心で寂しそうに空を見上げる女
その顔に光が当たることは無く、空から落ちてくるマントによって深い影が落ちていた
その姿は今にも崩れ落ちてしまいそうな程もろく、はかなく見えた
しかしその暗い影の中にあって、ヴァイオレットの目に一粒の光が見えかけた時
マントがその身をおおい隠し、次の瞬間には漆黒に身を包む冷たい目の暗殺者がそこには居た
そしてその暗殺者が視線を動かしたとき
「ひぃぃぃぃぃぃ」
その視線の先にいたアウトローの男が、これ以上汚れようのないほど汚れていた服に新たなシミを作りながら悲鳴を上げた
ヴァイオレットは男のそばに歩み寄ると、影から極細の針を出し躊躇なく男の眼球に刺した
「ぎゃああああああああああああああああああああああああ」
静寂を打ち消す汚い悲鳴があたりに響く
ヴァイオレットは針を指で何度かはじく
「グギィィ、ウガアアアアアア、ギィェェェェ」
そのたびに響き渡る悲鳴
「お、お許しをっ!許して!ゆるしてくだざびぃ!」
嗚咽まみれながら、手を組みヴァイオレットに懇願する男
しかしヴァイオレットはそこの言葉が聞こえていないかのように、再び出した複数の針によって、男の手を両側から刺し、無言で手を縫い合わせる
「あがががががががが」
見えている方の目で、自分の手を貫通する複数の針を、信じられないものでも見るかのように見るアウトローの男
だらしなくよだれを垂らしながら開かれた口に、握りこぶし程の大きな石が放りこまれる
「あがっ」
そしてヴァイオレットは男の髪の毛を掴み、勢いよく地面にたたきつけた
男の歯は、口内の石によってすべて粉々に砕け散り、顔面の神経を無茶苦茶にかき乱す
「~~~~~~~~~~~~~っっ!」
男は声なき悲鳴をあげ、全身を痙攣させるように苦しみだす
そしてヴァイオレットはとどめとばかりに、手に持つダガーで男の耳をサクッと削ぎ落し、口の中に放り込む
混乱が加速する男の顎を、アッパー気味に何度もたたくことによって己の耳を咀嚼させる
男が吐く仕草をしようとすると鼻と口をふさぎ、呼吸の行き場がなくなる苦しさを与える
「!!!!!!!」
男はものの1分ほどで、この世にあるすべての苦しみを味わったかのような地獄を体験した
そしてヴァイオレットは、腰から取り出した液体を塗りこんだ針を、いくつもいくつも男に刺していく
すでに男は針に反応するほどの繊細さを持ち合わせておらず、何の反応もなく針を受け入れる
そして針を打ち込まれてからしばらくすると、男の呼吸が嘘のように落ち着いた
針に塗られた液体は神経麻酔で男の痛覚を消し去ったのだ
男は体の感覚がほとんどないのに、意識だけははっきりしているという状況と、先ほどまで感じていた言葉にできないほどの苦しみが嘘のように消え去ったことで今自分は夢を見ているのではないかという気持ちになった
ヴァイオレットは、そんな男の削ぎ落していない耳の方に口を近づける
「次は、もっと、感じさせてあげる、ね?」
痛みがマヒしてるはずの身体に、一瞬激しい痛みが甦ったかのように体をビクつかせた男は、地面を見ながら何度も何度も何度も何度も頷いた
「さぁ、散歩、続けよ?」
ヴァイオレットは男を立たせ、ゆっくりとその歩みを進めた
男は魔道ゴーレムの監視網に入らない道筋を必死に思いうかべながらヴァイオレットを頭の元へと案内するのだった
舞台やヤクザ映画とかでアクション監督を務めた経験が何度かあるんですけど、ヴァイオレットの拷問シーンに近いアクションも何度か付けました。
世界にある拷問も色々調べたんですけど、やっぱりTHE拷問と、ストリートファイトの拷問は全然違うなぁという印象です。
ストリートファイトはいかに環境を利用するかに尽きるので、今回はストーンゴーレムの石を使った口腔砕きを選んでみました
武術の師の言葉や技術もすごいですけど、喧嘩塾開いている方の思考も果てしないですね
居酒屋で対面の席の人と今殺し合いになったらどうするか、とかそんな思考しながら一日1回以上喧嘩することが義務みたいになってます。
共感得られるかわからないですけど、全身入れ墨の男と喧嘩するより、喧嘩屋さんとの喧嘩は静かなんですけど、怖いんですよ
墨アピールしてくる人は勢いだけであんまり強くないことも多いので、静かな何でもなさそうな人で、喧嘩を冷静に見てる人が一番ヤベェなっていう体験談です(笑)
もうお察しの方沢山いると思いますが、配下の10匹は全員思考が乱世かつ、主中心なので現代的にはぶっ飛びすぎてる思考が乱発します。
今回のヴァイオレットも、神に選ばれるほどの暗殺者が生ぬるいわけないよなぁという感覚です
その辺も一風変わった作品として今後も楽しんで頂けたら幸いです
よろしくお願いいたします。