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アウトローの賭け

22時に仕事が終わり、数日まともに寝てないので今日は寝ちゃおうかと思ったんですが、pcを見るとブックマークが数件増え、そしてさらに高評価までいただいていたので、あまりに嬉しく脳がもうろうとする中書きました。


これをかけたのはあなたのおかげです

少しでも楽しんで頂けたら幸いです


またいつものごとくアップ後すぐにチェックして修正入れます


誤字あったら申し訳ありません

よろしくお願いいたします。

「ほっほっほ、まさかそのような防衛が可能とは、さすが石の都ですのぅ」


冒険者ギルドの奥の部屋には、絶えずマーリンの驚きの声や笑い声が響き、にこやかなムードに包まれていた


それもそのはずで、すでにメインの交渉は終わってしまったのだ。


それも交渉と言う交渉は一切行われずに


職員がまず最初に提示した販売手法は、この街で地位が一番上の者からこの販売の話を持っていき、徐々に下におろすという者だった


はく製にしても素材にしてもすさまじい価値を持つフォレストヒュドラの死体

それは権力者であれば、誰もが欲しがるものであることは確実で、あとはその売り先という話になる。

しかし、これほどの逸品を街の外、ましてや国外などに持っていかれるのは惜しい。


となれば外の街の者が来れない程の速度でオークションを開けばいいという話になるが、そうした場合は、この街で一番のお金持ちが購入する事になる。

往々にして、一番偉い人=一番お金を持っている人という図式は成り立たないのである


最初からオークション方式を選んでしまうと、後々に欲しかったのに手に入れられなかった厄介な権力者に、付け入る口実を与えてしまう恐れがあった。


だからこそギルドとしては、権力高い者順におろしていく方針を提示したというポーズが必要だったのだ


この手法は、立場の者たちがそのプライドを守るように高い額を提示してくれるはずだとしても、オークションよりは安く売れてしまう


当然それは断られ、あとはオークションを国内限定にするのかしないのか、そしてさらには仲介手数料をどの割合にするか等の交渉が行われるはずだった


しかし、ふたを開ければ、最初の提案は二つ返事で了解され、仲介手数料も半分持って行っていいという太っ腹な提案


ギルド職員も最初は裏があるのではと疑っていたが、ただ単に本当に老人にとっては大したことないモンスターであったから、自分が苦戦するようなモンスターを持ってこれたときに本腰の交渉をするという事でどうかと言われ、英雄の持つ余裕の貫禄に圧倒されながらも、喜んでその話に乗ったのだった


緊張がゆるみ、時間が余ったとなれば、人は無駄話に花を咲かせるのが世の常だ


ギルド職員はマーリンの魔法について聞きたがった。


マーリンは手品のように見栄えのする魔法をいくつか見せ、職員のテンションを上げた後、ギルド員それぞれに質問をしだした


職員はその質問に快く答えていく。

そしてその質問の受け答えのリアクションにひどく驚いた。


職員が自分の職務内容を軽く説明すれば、誰もやりたがらない仕事をして本当に立派だとか


自分が普段食べてるものを話せば、自分も食べてみたい、もっと話を聞かせてほしいとか


まるで自分たちをヒーローのように扱ってくるのだ


森の悪魔をたやすく倒したと推察される偉人であるから、マーリンもマリエルのように一癖も二癖もある人物かと思いきや、ふたを開ければ、世間に疎いが、情に厚く、それでいて、どんな話にでも驚く少年のような老人だったのだ


自分のような魔法を使わずどうやってスタンピートと長年戦ってきたのかと、まるで世界最大の謎のようにマーリンが悩むので、職員たちは自分たちの都市が誇る防衛設備の存在を匂わせた


すると、まるで若き日に読んだ冒険小説にあったものが実際にあるとは!?後生じゃからもっと聞かせてくれと懇願され


ギルド職員は、どこの所属の人間なのかもわからぬ人に対していうべきではないことまで話してしまっていたが、誰もそのことに気が付けなかった


職員は皆、目の前の老人の事が好きになり、身内のように感じていたのだ


圧倒的な力を持つ英雄でありながら、自分たちのような組織の歯車に敬意を表し尊敬の念を抱いてもらえる

話せば話すほど、自分が特別な人間に慣れた気がして嬉しかったのだ。


マーリンはギルド職員の話に対し、大げさなリアクションを意識し、良く驚き、よく笑った。


実は、その気になれば心を誘導する魔法や洗脳の魔法も使えるのだが、マーリン過去の人生において、その魔法に頼ることは、殆どなかった。


何故なら人の心を動かすのは魔法ではなく人の言葉だと知っているからだ


寧ろ魔法に頼るようになると、心に疎くなり、大事なことを見落とし、後の死を招く原因になるとまで思っている


支配の魔法に頼り続ける人間は本当の支配者にはなれない

何でも魔法に任せればいいというわけではないのだ


全ての魔法が使えれば最強というわけでも幸せというわけでもない。大事なのは適切を見極める人としての心

マーリンはそう思っていた。


マーリンは次々に仕入れる新しい情報を瞬時に整理し、脳内で情報のフォルダを作っていた

優先度の高い物低いもの、調査や検証が必要なもの。早急に仲間に伝えなければならないもの等、その優先順位によって、自分の今後の予定を組み立てていく。


(それにしても、下町にある建物の2割がフェイクで魔道ゴーレムになっているとは驚きじゃ)


仕入れた情報の中でも取り分けその価値が高かったのが、都市の防衛力に直結した魔道ゴーレムの話だった

魔道ゴーレムには様々な種類があるらしいが、石の都ヴェーナスではストーンゴーレムが採用されており、石の家屋に擬態しているそうだ。そして非常時には動き出し、街に侵入してきた敵に反応し、敵を押しつぶしたり、道の構造を変化させて、敵を死地に送りこむ役目を果たすらしい


ゴーレムの付近では犯罪行為や危険行為も監視されているらしく、街に害をなす存在がゴーレムに検知されれば、その人物は即座に制圧されるらしい


住民はもちろんそういった事情を知っているので、実際の犯罪は魔道ゴーレムの監視外で行われるらしい

必然的に魔道ゴーレム周辺の土地は安全であり、下町の中でもそれなりに土地代が上がるらしい


マーリンはマリエルがゴーレムの前でトラブルを起こすと大変なことになると焦ったような反応をみせ、ギルド員からその場所を聞き出した


(この情報は早急に伝える必要があるが……まぁあ奴らにちょっかいを出してくるものが居るとして、そ奴らが仕掛ける場所は安全じゃろうが、問題はその先じゃな……情報収集の為に生かすであろう存在に、ゴーレムを知らぬことを悟られなければ良いのじゃが)


マーリンは今訪れている情報収集のゴールデンタイムを活かし切るのか、万が一のために情報を諦め仲間に危険要素を伝えるべきか一瞬迷い


(まぁ、ここで仲間たちの能力を冷静に見極めることも、今後の王を補佐するうえでは必要かのぅ)


今は仲間を信じることに、あるいは試すことにしたのだった。





ところ変わって裏路地


ヴァイオレットと一人の男が歩いていた

裏路地の住人は2人の纏う異様さに一様に姿を消していく


黒マントに身を包んだヴァイオレットは、常にあたりを鋭く睨んでいるし、男の衣服は様々な汚れが付着し何かトラブルがあったことが察せられる


そして何より2人の関係性が捕食者と被捕食者の関係にしか見えなかったからだ


裏路地でマリエルに絡み、見事に返り討ちにあった怪しい男は、ヴァイオレットを先導するように歩いていた


しばらく歩き、ヴァイオレットは男の歩みに迷いがないことに疑問を抱く

普通は歩きに迷いが出るはずなのだ


何故なら男は、ヴァイオレットを裏世界のボスの元に案内してるのだから

たとえヴァイオレットに逆らわず生き長らえられたとしても、今度はボスに殺されるのは明白


つまり、今歩いてる男は死を回避するために死に向かって歩いているのだ

普通は、万が一に賭けて逃げ出すか、本当にボスの元に連れて行ってしまうのか、沢山の迷いが脳裏によぎり、その都度足運びに乱れが出るはずなのである


何かがおかしい

そう確信したヴァイオレットは男に声をかける


「お前、何企む」

「あはは、たくらむなんてひどいですねぇ。私はただ賭けに勝ったのです!」


そういいながら男は走り出した

ヴァイオレットは手間が増えたことに対するため息を一つつき、男にもう一度現実をわからせるために男に迫り、その背中に蹴りを入れた


「無駄なあがき」


ヴァイオレットがけ飛ばしたことで地面に倒れ込んでしまった男は



笑った



「あはははははははは、俺の勝ちだっ!!」

「は?いったい――」


ゴゴゴゴゴゴゴ



そして、疑問を口にしかけたヴァイオレットの目に、建物が動き出す光景が飛び込んできた


ヴァイオレットVSストーンゴーレム

さてどうなるか!?


明日早朝から深夜まで仕事なのでアップできないかもしれません

本当にすみません。

3時間睡眠で起きられればかけるかも……

それでは皆様良い夢を

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