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石の都ヴェーナス

ちょっと説明的で短いです

昼頃もう一話上げられるように頑張ります


そしてまた今朝1人ブックマーク者が増えており感動しました

名も知らぬそこのあなた。ありがとうございますっ

「よし、入っていいぞ」


石の都と言われるヴェーナス

7大列強と言われる国の一つであるアースに属し、その国の玄関口であるヴェーナスには争いが絶えなかった


理由は外敵。

都の北側は自然の要塞となっているが、東と南にすすめば湾曲した巨大な運河をはさんで、それぞれ別の列強国があり、西に進めば魔物が多く住まう未開拓の森がある。


南はまだ距離があるが、比較的距離が近く小競り合いの絶えない東。常に魔物を間引かなければスタンピートが起きる西

そのどちらにも備えなければならないヴェーナスでは、都市の機能は利便性よりも機能性が重視された。

臨時の防壁として機能し、また再建が魔術によってすぐできる石以外の建物の建設が禁止されていたのだ。


それゆえの石の都



魔物の森にはダンジョンが存在し、そこからあふれ出す魔物が定期的なスタンピートの原因だ

ダンジョンを制覇してしまえば、都市の負担は大きく減るのだが、そうするとそうするで、別の問題が浮上する

森を超えた先には、また別の列強国の領土があるのだ


どうあがいてもヴェーナスは戦いとは無縁になれない立地なのである


そんな都市の事情からか、東西南にある城門の内、商人が利用する東門と南門とはちがい、魔物退治を生業とする、冒険者と言われる荒くれ者が多く利用する西門では、比較的人流が少なく穏やかな時間が流れていた


時間にうるさい東門と南門とは違い、西門を使う者たちは時間にルーズな者たちが多い

その分、一度トラブルが起きると大変な苦労が門番たちに襲い掛かるのだが、この日は日暮れ前の今まで何も起きていない。


門番の男が、今日はどこで飯を食おうかと脳内で思案していると、列の後ろの方が急に騒がしくなった


どうせまた閉門前のこの時間。東や南から長蛇の列を諦め、西まで迂回してきた商人が横入りするなどして揉めているのだろう


ため息を一つついた門番は、疲れた声で審査していた男に通過の許可を出し、仕事終わりにひと働きをしようと、覚悟を決めて騒ぎの方に目を向けた


「なぁっ!?」


門番の男は驚愕に叫んだ


そこには森の奥地に生息する悪魔、フォレストヒュドラが居たのだ

双頭の頭を持ち、いくら殺しても瞬く間によみがえるそのしぶとさゆえに悪魔と言われおり、1匹現れたら3日3晩戦い続けなければならないと言われている。


そんな存在が今の今まで物見にも発見されず、この門の前に現れるなど初めての事である

物見は寝てるのか、何かトラブルがあったのか。様々な疑問が脳内を駆け巡る。


しかしひとまずは目の前に起きている現実に対処せねばと、門番はあわてて槍を構え、敵の襲撃を知らせる笛を吹こうとし、そこで止まった


(なぜ、列にいる男たちは武器を抜かずにただ唖然としているだけなのだろう……?)


真っ先に逃げるか、それとも報酬や武勇伝目当てに飛び掛かりそうな荒くれ者たちが、その手を動かさずに、ただ見ているだけなのだ

おかしい、そう思い門番はもう一度その対象をよく見る


(死んでる?)


なるほど荒くれ者たちが動かないわけだ

落ち着けば一目で死体とわかるほど、フォレストヒュドラの状態はひどかった


頭は砕け、体はその双頭が混乱し真逆の方向に勢いよく進んだのだろうとしか思えぬ裂け方をしていた

頭に残るへこみ方からして、超巨大な魔道ゴーレムを駆使したのかもしれない


あれほど頭と体の中心部を破壊されては、いかにフォレストヒュドラといえど復活はできなかったらしい


(しかし、なぜフォレストヒュドラが……?)


フォレストヒュドラは個人が倒せる相手ではない。

軍が出動し物量で押すか、国が抱える魔道ゴーレムを駆使した魔術兵団などが必要になる

確かに国の中心にはフォレストヒュドラに致命傷を与えられるほどの英雄と呼ばれる強者や、魔術使い等は存在する。

だそんな存在が森に遠征に出かけたという情報があればその耳に届いているはず


(であれば一体誰が)


フォレストヒュドラの死体がこちらに近づいてくると共に、男たちの列が割れていく


そしてついにこの騒ぎの原因を作った存在が門の前に現れた


「さっさと入れて頂戴、疲れたわっ」

「いやはや、獲物を浮かせてるのは儂なんだがなのぅ」

「黙りなさい爺」


そこにいたのは、皇妃、いや神の伴侶に選ばれたといわれてもすんなり納得できそうな程完ぺきな美貌の女性と、一人の老人である。

女性の存在だけでも衝撃的なのに、フォレストヒュドラを獲物と豪語し、更には浮かせているという衝撃発言をかます謎の老人の存在。


(高貴な方?いやもしかしたら伝説に歌われる冒険者かもしれないっ。いやしかしこれほどの使い手が近隣にいるなら噂になりそうなものなのに聞いたことがない。いや、そもそもこれほどの美女が冒険者なんてやってるわけがなくて、あぁ結局の人たちは何なんだ!)


門番の脳は処理限界を迎えた。

そして余計なことを考えるのを放棄し、己が役目を全うし始め――


「身分証を」

「ないわ」

「へ?」


――再び機能を停止した


まさかの身分証無し

高貴で物理的な力を持つ偉人なのに、身分証がないとはこれ如何に


門番の脳内としては「貴女が噂の!」的なやり取りをして、両人を中に通し、有名人にあった話で今日の酒場のヒーローになる算段だった

それが初手で崩されたのである


「えっと、あ、魔物との戦闘で落とされたとか!?」


様々な可能性を模索し、一番ありえそうな状況を推察してみる。


「だから、最初からないのよ、そんなもの」


だというのに、門番の気遣いなど余計なお世話とでもいうように切って捨てる美女


「え?それは?つまり……?」

「貴方耳が聞こえないの?それとも聞こえても処理する脳が解けてるの?無いと、言ったのよ、この無能」


美女は言葉のナイフを門番に投げつける


「え、その……」

「ホント無能なのね。無能なら無能らしくどうぞの一言だけ言えばいいのよ」

「え!?いやしかし!」


絶世の美女にナイフのような言葉で幾度も刺された門番は頭も心もボロボロで本来であれば森を超えた先の国から流れてきた存在なのかどうか確認しなければいけない


「もしも気になるなら後で来なさい。どうせ貴方みたいな木っ端じゃ何も判断できないんでしょうから。私たちは逃げも隠れもしないし、そもそも隠れることが出来るほど地味ではないわっ。いい?もう一度だけ言うわ。無能は、無能らしく、さっさと、どうぞの一言をいいなさい。」


ところを、言われるがままに通してしまう


「どうぞ……」

「ふん、行くわよっ」

「いやはや、すまんのぅ。でも助かったわい、儂も獲物を浮かせておくのがそろそろ限界じゃったんじゃ」


そういいながらも軽い足取りで通過していく老人

しかし、通り過ぎるとすぐに振り返り門番に声をかける


「あぁ、一つ聞きそびれていたんじゃが、獲物を売り払える場所はどこかの?」


門番は疲れた頭で冒険者ギルドの場所を伝え、思考の纏まらぬまま、とりあえず仕事を終わらせねばと門の列をさばいていくのだった


結局誰も

美女と老人が門を通過するときに、影が二つ余計にあることに気が付かなかった


徐々に世界が広がっていきます


そしていつも感想欲しいとか書いてるんですけど、でも中堅の小説ですらも1話につき感想なんて片手で数えるくらいがざらだし、感想は求めちゃいかんもんなんだなぁと反省しました。

思わず書いてしまったっやられちまったぜコンチクショー!

そんくらいのお話を書けるように頑張ります


でも少しでも面白かったと思っていただけたら↓の☆を埋めていただけると幸いです。

こういうワンクリックの動作一つにしてもコスト試算して戦略練ってる企業の本とか読むとはぁ~ってなると同時に、確かになと深い納得をし。改めてポチッてくれた人のために頑張ろうって思います

本当にありがとうございます。


よろしくお願いいたします。

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