表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/32

偵察が終わり、広がる世界

お昼に見たらなんとブックマーク者が一人増えておりました

本当にうれしいことです。

感謝の念を表すために急ぎ執筆しました。


すぐに誤字脱字チェックしますが読みにくかったらごめんなさい

ロードの一件からしばらくするとまずはマーリンが帰ってきた


「ふむ、ちと遅れたかと思うたが、儂のが早いか……ふむ、どう見るべきか」

「お帰りマーリン」

「王よ、老骨がただいま戻りました」


思考にふけっていたマーリンに声をかける

マーリンはこちらを見てにっこりと笑うと、仰々しく礼をして報告してくれる


「して、我が王は何をなさっているのかな?」


木を片手に、市とヴァイオレットに見守れる形で汗をぬぐっていた俺をみて、マーリンが不思議そうにしている


「あぁ、ロードとケルのおかげで食料が確保できたからね、じっとしてるのは性に合わないし、ヴァイオレットと市に稽古をつけてもらってたんだ」

「ほほう、王が勤勉であることは、我等臣下にとっては大変喜ばしいこと。ご存分に励まれよ」


そういって嬉しそうに「ほっほっほ」と笑うマーリン


「あぁ、そのつもりだ。でも今日はここまでにしよう。ありがとうヴァイオレット、市」

「主様、目がいい、きっともっと強くなる」

「某なんぞでよければ、いつでも」


マーリンの報告を聞くために、一度稽古の手を止め、ヴァイオレットと市に礼を言う

このコンビは無口で纏う雰囲気がどこか似ている

西洋暗殺者と和風暗殺者った感じかな?


因みにロードは「王のために余自ら肉を焼いてくるとしよう!感謝するがよい!行くぞ犬っころ!」と言いながら逃げるように再度森の中へ入っていき、ピー助も「肉!?」と言わんばかりに目をぎらつかせて後をついていった


「それで、マーリンは何か見つけたか?」

「いやはや、王よ、諺に急いては事を仕損じるとある。とりあえずはマリエル殿を待ちましょうぞ」

「それもそうか、先走って済まない」

「ほっほっほ、勢いがあるのは良いこと、行き過ぎればお諫め致します故に、王は王の道を歩まれよ」

「あぁ、ありがとう」


俺の事を認め、成長させようとしてくれているマーリン

ロードもそうだけど、彼の意見は大事にしていこうと思う


三国志の仁君である劉備玄徳も、私怨に狂い、忠臣諸葛亮の策を聞かずに飛び出し死ぬ原因を作ってしまったという。


今後どんな道を歩むかはわからないが、仲間のみんなは俺を思って発言してくれているはずだ。今後どんなに納得いかないことを言われることがあろうともしっかりと受け止めるようにしよう


そんな未来への決意をしているところで


「主さまぁぁっ!寂しい思いをさせてすみませんでしたぁぁっ!」


と元気な声が天から降ってきた

顔を上げるとマリエルの笑顔と大きな胸が俺の顔に飛び込んできたのだが

俺にぶつかる直前


「ぐぇっ」


とマリエルの顔が苦渋に歪んだ

そのまま何かに引っ張られるかのように森の方へと吹っ飛んだマリエル


視界の端ではキューレとヴァイオレットがアイコンタクトをしながらうなずいている

どうやらロードにやったように俺の身辺警護を理由にマリエルへ攻撃を仕掛けたらしい


(いや、まぁ確かにマリエルが敵だったら危なかったわけだけど、絶対確信犯だよな)


キューレのやらかしっぷりを再度目の当たりにして複雑な思いを抱いていると、森の方から光の筋が登った


「やったわねぇぇぇぇっっっ!」


マリエルは体中に葉っぱをまといながら、勢いよく森から出てきた


「このド貧乳!!」


そしてすさまじい言葉の暴力と共に、その手に集めた光をキューレに向かって放つ

キューレは「あらあら~」と言いながらすんなりとかわし、俺の横に移動してきた


「え?」


そして蜘蛛とエルフの合わせ技で俺を素早く持ち上げると腕の中に抱えた


「え?キューレ?何?」

「主様、申し訳ありませんがマリエルはこの短時間で敵に洗脳されたか寝返った可能性があります。申し話ございませんがわたくしと一緒にお逃げください~」


キューレは珍しく早口で言葉を紡ぐと、俺をぎゅっと抱きしめながら蜘蛛に任せてジグザグ移動をしてマリエルから離れていく


「小さく貧乳と言えどないわけではないのです」

と言いながら俺をぎゅっと抱きしめるキューレ


そんな俺たちを見てさらに激情をほとばしらせるマリエル


「まちなさいっ誰が洗脳されたですってっ!」


マリエルはその手に再度光を集めるが


ズドンと


マリエルとキューレの間に勢いよく振り下ろされたアピサルの尻尾によってその動きを止めた

アピサルの声は冷たい


「マリエル。まさか主様のいる方向に向かってその光を放つつもりではありませんよね?」

「……えぇっもちろんよっ!そんなわけないでしょっ!」


マリエルは己の分の悪さを感じ取ったのか、しぶしぶ手のひらの光を霧散させた


「あーもう!せっかく街を見つけたのを主様に褒めてもらうと思ったのに!台無しよ!」


プンプン起こるマリエルから聞き逃せない発言がでた


「マリエル!街を見つけたのか!」

「はい主様っ!」


ほっぺを膨らませていたマリエルは声をかけるとすぐに満面の笑みを浮かべる

実にあざとい


「ほっほっほ、それは何より、では聞かせてもらうとしましょうかの」

「……」

「ほっほ?」

「……」

「マリエル、聞かせてくれるか?」

「はいっ!」


相変わらずのマリエルムーブ

マーリンのとんがり帽子が元気なさそうに萎れて見える


「でもぉ~」


しかしマリエルはすぐには語らずこちらを上目図解でみてごねだす


「マリエルさっきのド貧乳のいたずらで頭打っちゃって、記憶さんが迷子になっちゃったみたいなんですっ、きっと主様によしよししてもらえれば思い出せると思うんですけどぉ……」


(うわぁ……シンプルにうざい奴だ)


他人がやられてるのを見たら、即座に唾を吐きかけたくなるあざとさだが、残念なことに超絶美少女が薄着で谷間を存分に見せながら、絶対可愛いと確信があるアングルで上目遣いしてくると


(く、くやしいけど可愛く見えてしまうぅっ!)


あざと女子なんて腐るほど見てきたはずなのに、この体たらく

これだけの効果があるからこそ、世の男たちにあざとくふるまう女子が後を絶たず、あざとくて何が悪いの?なんて名言が生まれてしまうのだろう


「主様っ?だめですか?」

「くそぉぉぉぉぉ」


俺はなんだかすごく負けた気分になりながらマリエルの頭を撫でる

つやつやの髪の毛はすごく触り心地がよく、撫でている側も気持ちよくなる


「へへへっ」


思わずため息をついてしまう

いつか俺もこのあざとさをなんとも思わずに平然と受け入れてしまう日が来るのだろうか


しばらく撫でて、キューレとヴァイオレットの刺すような視線に耐えられなくなったあたりで改めてマリエルに声をかけた


「じゃあマリエル聞かせてくれるか?」

「はいっ、私が見つけたのはここから20kmほど行った場所にあった街ですっ。人型の生物が支配する石造りの建物でした。山のふもとから街が広がる下町と、山の傾斜に合わせて作られてる上質な街とが分かれた大きな街です。上街にはロード様をはるかに超える城壁と魔術結界が張られていたので、恐らくは支配者層が暮らしている者と思われます。情報を仕入れるならまずは下町から攻めるべきでしょう。下町の3方向に関所があり、その一か所に人流が集中していましたので、恐らくはそちらに足を延ばせば次なる集落があるのでしょう。推定人口は5万から10万程。地下があればもっと増えると予想されますっ」


意外としっかりした報告に驚いた

知能Sは伊達ではないという事か


マーリンも嬉しい誤算に驚いた様子で満足げにひげをさすっている


「どうですか?主様っ」

「あぁ、素直に驚いたよ、よくやった」

「えへへへ」


そう言って俺はマリエルの頭を撫でる

こうした褒めるべきポイントがあるときは負けた気分にはならないのはなんでだろう


「さて、それじゃあ、とりあえずはその街に潜入し、そこで今の俺たちの力はこの世界でどれほどの位置で、またどれほどの価値があるのかを見極めよう。それと同時に支配者層にアポイントを取れるシステムかを確認して、アポがとれるようなら何かしらの交渉を行う。そんなところだと思うけど、みんなはどう思う?」


そう言って俺はみんなを見渡す


「主様」


ヴァイオレットが俺の前に進み出てひざまずく


「ヴァイオレット、忌憚のない意見を聞かせてほしい」

「はっ、その前に一つ確認を、マリエル、貴方は人に化けれる?」

「あんまり好きじゃないけど可能ねっ」

「であれば、潜入は2班。私、市が地味に、マーリン、マリエルが派手に二手に分かれて潜入。私たちは下街を。マリエル達は上街を調査」


なるほど、確かにマリエルが街にいれば、善悪はともかく多くの権力者が釣れそうだ

ヴァイオレット、市の二人が下町を探索するのも自然な形で出来ると思う


「でも危険じゃないか?」

「この程度で危険なら、主様の覇道、超長期的な作戦が必要、です」


確かに金卵の二人を含む4人で一つの街の情報すら仕入れられないのなら、どこかの勢力に属しておとなしく異世界を満喫する方が無難だろう


「可能か?マーリン」

「問題なかろう、もしそれでゆくのであれば、この森から換金できそうな魔物素材を確保してから行くのがいいじゃろうな」


確かに新しい場所で金がなかったら、何もできることは無い。

多少は足元を見られるだろうから、それなりに価値の出そうなものを探さなくちゃいけない


あ、でも換金というのであれば


「ネックの花はどうなんだ?」


ネックが花という単語を聞いて、慌てて、地面に根っこを突き刺した

栄養を補充してるのだろうか

そんな俺とネックにマーリンは軽い溜息をついてから答える


「王よ、そんなものを持っていけば間違いなく即争いになりますわぃ」


マーリンの言葉にアピサルも続く


「主様。蘇生の力とは我等深淵の者にとってもそうお目にかかることのできぬほどの力です。取り扱いは慎重にせねばなりません」


マーリンとアピサルからの言葉にそれはそうかと納得する

俺からしたら皆の存在だってありえないファンタジーだからネックの力も単純に考えてしまっていたらしい。


「わかった、じゃあその方向性で4人で話を煮詰めてもらっていいかな?申し訳ないけどロード達が戻ってくるまではここで話し合いを続けてくれ。この4人の責任者はマーリンに任命する。もしも意見が割れた時、何かトラブルが起きた時はマーリンの指示を仰ぐこと、いいね」

「はいっ」

「大船に乗ったつもりでおってくだされ、王よ」

「絶対、成功させる」

「……」


俺には潜入や情報収集の知識なんてフィクションの中でしかないから、経験豊富そうなメンバーに任せることにする。

トップはあれこれでしゃばるんじゃなくて、責任者を任命して放置するくらいがちょうどいいってお世話になった社長さんも言ってたしな


「キューレはロード達に今の話を伝えてもらって、少し広い範囲で魔物素材を集めてきてもらっていいかな?」

「わかりましたぁ~~~」


キューレはのんびりと答えたが、蜘蛛部分が俺の言葉を聞いてすぐに行動を開始してしまったので、キューレは「ぐわんっ」と体を大幅に振られながら森の方へと消えていった


「そしたらアピサル、ネック。俺たちはマーリンたちが戻ってくるまでの数日をしのげそうな拠点を見つけに出かけようか」


俺の言葉を聞いて嬉しそうに腕に絡まるネックと、そんなネックごと俺を持ち上げ、もはや定位置となった胸の谷間に俺を落とすアピサル


「はい、主様」


そして何度見てもほれぼれしてしまう満面の笑みで、上機嫌に動き出すのだった

なんとなく1話から見返していると、何度確認しても出てくる誤字脱字を発見してしまいテンションがガタ落ちになります

ホントなんで何度見直しても後から後から出てくるんでしょうかね……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ