第9話
なぜそんなことを聞いたんだろうと?とわからないまま部屋をあとにし、会場に戻った。翼と彩音とルイスは三人で料理を食べながらおしゃべりしていた。少し彩音が不機嫌そうなのは気のせいだろうか。少し疲れたので、外に出て涼しもうと僕は外に出た。ひんやりとした風が気持ちいい。
「ここに居たんだ。探しちゃった」
「ルイス。どうしたの?」
「悠斗に話したいことがあって……今、大丈夫?」
「いいよ。なに?」
「まずはお礼。私は悠斗のおかげで変われた。明るく生きることができた。クラスで友達ができた。本当にありがとう」
「どういたしまして。でも、僕はきっかけを作っただけで大したことはしてないよ。僕じゃなくても誰でもできたことだもん」
「それでも悠斗は変えてくれた。悠斗が変えてくれたのがうれしかったの」
「それは僕も動いてよかったかな。つまらない毎日より楽しい毎日の方がいいもんね」
「あと……」
「ん?」
「……私…悠斗のことが好き…。とても優しくて、私の為に本気で叱ってくれた悠斗が好きになったの。だから…私と付き合って下さい!」
「えぇ!?ぼ、僕!?でも…」
「悠斗は私にいろいろ教えてくれた。それはとても大切なこと。だから悠斗にもっと教えてもらいたい!悠斗のそばに居たいの!」
顔を真っ赤にしながらルイスが言った。ルイスはそこで僕の手を取り、そして強い意志を湛えた目で、僕を見据えていた。取った手は少し震えていた。
「……」
「ありがとう。ルイスの気持ちはとてもうれしい」
「なら!」
「でも、僕はまだルイスへの気持ちはハッキリとわからないんだ。ルイスが真剣に言ってくれたから、僕の気持ちもハッキリさせないと真剣に言ってくれたルイスに失礼だから…考えさせてほしい」
「……わかったわ。なら、答えがハッキリしたら教えて。いつまでも待ってるから。それまで私はアプローチを続けるからね!」
「ごめん。いけないとことだと思うけど……」
「悠斗、目つぶって」
「え?いいけど」
僕は言われたとうりに目をつぶる。そしてそのあと……
「ちゅっ」
一瞬何が起こったかわからなかった。目を開けると、すぐ近くにルイスの顔が近くにある。ルイスがほっぺにキスしたきたというのがわかった。
「えへへ。唇は悠斗からしてくれるのを待ってるわ。じゃあね♪」
「え、いや、あの、その……」
それだけ言って、ルイスは会場に戻って行ってしまった。僕は心臓をドキドキさせながら、ただ立ち尽くしていた。
次は新キャラを登場させたいと思います。