第7話
それから3日が経った。
少しずつではあるが、ルイスはクラスに溶け込んでいった。最近のルイスは嬉しそうに笑う。その笑顔を見て、僕も安心する。
実は事件の次の日に、職員室に呼ばれた。おそらく、授業をさぼった説教だろうなと思っていたら違った。
先生もルイスがクラスに馴染んでいないこと気にしていたらしく、あれ以来楽しそうにクラスにいるから、特別に許してやると言われた。
ルイスの親から先生に電話があって「最近あの子、学校が楽しみらしくて嬉しそうにしている。この学校に通わせてよかった」と言っていたらしい。
そのおかげもあって、僕は先生に褒められた。本当によかった。
そして、今日も屋上でのんびりお弁当を食べる。いい天気だ。
「ここに居たんだ」
「ルイス?どうしたの?」
「改めて、お礼を言いたくて。ありがとう、あなたのおかげで友達ができたわ」
「別に僕は大したことしてないよ。もともとみんなルイスと友達になろうとしてたから、きっと僕がいなくても大丈夫だったよ」
「そんなことない!あなたが居てくれなかったら、私はずっと意地を張って一人だった……。でも、あなたがボロボロになってまで教えてくれた。こんなに優しい人がいるって、こんなに温かいクラスだって。あなたには感謝してもしきれないわ」
「おおげさだよ。うちのクラスは温かいけど、イヤな人と平気で仲良く出来るほどの人は居ないよ。だから友達がたくさんできたルイスが凄いんだよ」
「ありがとう。ぜひお礼がしたいの!今日の放課後空いてる?」
「今日は空いてるけど……お礼なんていいよ」
「それじゃあ私が満足できないのよ!今日、家でパーティがあるから招待するわ」
「パーティ!?いいの?僕が行っても?」
「もちろんよ!パパも悠斗と話したいって言ってたから。もともと今日誘えって言ったのはパパだし」
「そうなんだ。じゃあ断るわけにはいかないね」
「やった!じゃあ放課後ね」
「うん」
そう言うと、笑顔のままルイスは屋上を出て行った。確か、今日はバイトはないし、やらなければならないことはない。帰って、本でも読もうかと思ってただけだから大丈夫だ。
そして、あっという間に放課後。
「行くよ、悠斗」
「ちょっと待って」
HR終了とともにルイスが言った。僕はカバンに荷物をまとめる。宿題が多いなー。
「どこに行くのよ?」
すでに帰る準備を整えた、彩音と翼が話しかけてきた。
「私の家だけど?」
「「ルイスの家!?」」
「おいおい悠斗〜。いつの間にそんなに仲良しになったんだ〜?」
「ちょっと悠斗!どうゆうことよ!」
二人が同時に質問してくる。彩音は顔を赤くして、怒ってるようにも見えた。
「ち、違うよ。変な勘違いしないで」
「私が誘ったのよ。今日家でパーティがあるから来てくれないかって」
「「パーティ?」」
「そう。あなたたちも来る?」
「「行く!」」
「決断はやっ!二人とも部活はどうするのさ!?」
「今日はお休みだ!」「一日くらい平気よ」
二人同時に言う。二人とも部長候補だろうが。翼はバスケ部で部長を期待されているし、彩音だって弓道部で活躍してるから部長は「彩音だ」って聞く。
「そ、それに、……悠斗がルイスと二人っきりになるかもしれないし……」
「え?ごめん、良く聞こえなかったけど。なんだって、彩音?」
「なんでもない!とにかく私も行くわ!」
「行くなら行くわよ。外に車を用意してあるから」
そして、翼と彩音も行くことになって、四人で校舎を出た。校門から少し歩いたところに車が停めてあった。
それは、黒塗りの高級な車だった。思ってたよりも長いんだ。というか、初めて見た!
「さて、乗るわよ」
「「「えぇ!?ルイスってお金持ちなの!?」」」
「そうでもないわよ」
当り前のように車乗ろうとするルイス。びっくりして固まってしまった僕ら三人。
すると、運転席から誰かが降りてきた。うわぁ!執事だ!リアル執事だよ。
「紹介するわ。執事のアルトよ。アルト、こちら、私の大切な友達よ。右から彩音、翼、そして悠斗よ」
「はじめまして、私はアルトと呼んでいただいて構いません。今日はお越しいただきありがとうございます。屋敷までご案内をさせていただきます」
「「「よ、よろしくお願いします」」」
作り終えたらどんどん更新したいと思います。