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夏休みの話 1

本編とは関係ありません。個人的にもっと書きたかったので書きました。

これは僕の夏休みの話。


僕は夏休みになるべくバイトを入れて過ごそうと思っていた。しかし、夏休み期間の短期のバイトは見つからず、今やっているバイトを多めに入れてもらうことになった。


それでも、週に4日あるだけだ。店長にもっと入れてもらえるように頼んでみたものの「お前は働きすぎだ」と言われてしまった。


つまり、1ヶ月程ある夏休みのほとんどは休みである。宿題も大量に出ているが、夏休みが始まって一週間で終わらせてしまった。


暇だなー、と思っていたところに携帯に着信があったので出てみると七海さんの文字が画面に表示されていたので僕は電話に出た。


「もしもし?」


「もしもし、先輩? 今、時間大丈夫ですか?」


「うん、大丈夫だよ」


「来週の土日に卓球部の合宿があるんです。先輩は参加できないですか?」


「来週の土日? えーっと、バイトが入ってないから大丈夫だけど…、僕が行っていいの?」


「もちろんです! むしろ参加しなかったら部員の半分以上の人が悲しみます!」


「半分以上も!?」


「そうです。ですので忘れずに参加してください。来週の土曜、朝9時に体育館集合ですからね!」


「わ、わかりました…」


「あと、泊りですので着替えとか持ってきてくださいね」


「了解」


じゃ、と言って僕は電話を切った。来週の土日か、家でぼーっとしてるより卓球をしているほうがずっといい。僕は七海さんの誘いに感謝しつつ、合宿の準備を始めた。



そして、あっという間に土日がやってくる。僕は大きめのボストン鞄を持って学校へ向かった。


体育館前にはすでに数人集まっていた。その中から七海さんを見つけると彼女と目が合い、七海さんが駆け寄ってくる。


「都住先輩、おはようございます!」


「七海さん、おはよう」


「よかったです。早速、体育館のカギを借りに行きましょう。あ、荷物はこっちに置いといてください」


「うん、わかった」


カギを借りに行くのは本来部長とかなのだが、まだ来ていないらしいので僕と七海さんで借りに行くことに。


「おはようございます。西山先生、いますか?」


「お、都住か。来てたのか?」


「はい、呼ばれたので今回の合宿に参加することにしました」


「そうかそうか、じゃあ今回の合宿はお前に任せる」


「は?」


「いやー、先生も仕事が貯まっててな。たまに顔出すから、基本はお前に任せる」


「いやいやいや、そんなのダメに決まってるじゃないですか!?」


「わかりました! みんなに伝えておきます!」


「ちょっと七海さん!? 勝手に決めないで!?」


「練習はいつもどうりでいいから。1時間置きに試合をやること」


「わかりました。じゃあ行きましょう、先輩」


「……わかりました」


しぶしぶ了解して職員室を出る。相変わらず先生は自分勝手だ、それは夏休みだろうと関係ないらしい。


「みなさん! 今回の合宿は都住先輩が先生代理になるので都住先輩が指導してくれます!」


「「「「はい! よろしくお願いします!」」」」


「ははは…、よろしく」


こうして合宿が始まった。1時間自主トレーニングをして試合を挟む。基本的にこの繰り返し、自主トレ―ニングの時に僕が見に行って軽く指導をする。


「よし、午前はこれで終了。1時からまた練習を始めるから各自お昼と休憩を取ること」


「「「「はい」」」」


ここでお昼。午前は指導ばっかであまり自分で練習はできなかった。…結局、先生は見に来なかった。一体何してるんだろう?


「先輩! 一緒にお昼行きましょう」


「いいよ。コンビニでしょ?」


「はい。夕食は先輩が作るんですよ」


「えぇ!? そんな話聞いてないんだけど…」


「残念ながら我が部の女子たちは料理が破滅的にできないんですよ。…私も」


「そ、そっか。なら僕がやるよ。でも、味は保証できないよ?」


「先輩の作った料理をおいしくない、なんて言う奴がいたらぶっ飛ばします。というか、そんなことありえないですよ。先輩の料理は本当においしいんですから。私が保証します」


「ありがとう。じゃあ、頑張ってみるよ」


「はい。お願いしますね」


七海さんとしゃべりながらコンビニを目指して歩いて行く。それにしても、夕食か…。あまり人に食べてもらったことがないからちょっと不安だな。でも、後輩にここまで期待されたら頑張るしかない。


コンビニで適当に弁当を買って体育館へ戻る。男子はさっさと食べて遊んでいる。女子はみんなで集まってお昼にしていた。


「あ、七海ー、先輩ー、こっちこっち!」


「今行くー。先輩も行きましょう」


言われるがままについて行ったことを後悔した。そこには女子しかいなくて男子は僕だけだった。完全にアウェーである。


七海さんは周りの子たちと楽しそうにおしゃべりしている。僕は端っこで大人しくしているしかなかった。

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