第2話
「みんな、おはよう」
「「おはようございます」」
「いきなりだが、今日は転校生が来ているので紹介する」
転校生って……もう6月も半ばだぞ!?
「先生、しつもーん。男子ですか?それとも女子ですか?」
「女子だ。それも6歳の頃からイギリスでに住んでいて、今度から日本に住むことになったらしい。つまり帰国子女というわけだ」
「マジで!?」「帰国子女なら英語ペラペラ!?」「可愛いかな!?」「よっしゃーーーー!」
いろいろな人が声を上げてわくわくしている。特に男子。翼は興味なさそうに窓の外を眺めている。
僕も少し眠いし、今のうちに寝ようかな?
「はいはい、静かに!それじゃあ、入ってきて」
「失礼します」
静かに一人の女の子が教室に入ってきた。その姿にみんな声を失ってしまった。
長身で、出るところは出て締まるところは締まって、更に肩まで伸びた金色の髪のサラサラと流れる質感が、
見惚れてしまうほど大人の魅力を振りまいていた。
黒板に丁寧に自分の名前を書いていく。
「ルイス=C=ソフィアです。一人が好きなのであまり話しかけないでください。よろしくお願いします」
それだけ言うと、ぺこ、っと頭を下げた。
彼女の発言にびっくりしてみんな黙ってしまった。いきなりみんなと仲良くするつもりはありませんと言われればな……。
「ルイスの席は……都住の席の隣だな。ついでに休み時間でいいから、ルイスに学校を案内してやってくれ」
「えぇ!?僕がですか!?女子の方がよくないですか!?」
「別に、男子でも女子でも変わらないだろう。じゃあ、ルイス、わからないことがあったらあいつに聞いてくれ。
そうだ、ルイスはまだ教科書がないから都住に見せてもらうように」
「わかりました」
そして、隣の席に座った。
「今日からよろしく」
「……よろしく」
そして、休み時間ごとに校舎を案内していった。案内している間は会話はなく、ルイスさんは「へぇ」とか、「そう」とかしか言わなかった。
今日の授業も終了し、放課後となった。放課後はルイスさんが「部活を見たい」と言うので案内することに。
翼も彩音も部活でとっくにいなくなっていた。
「えっと、ルイスさんはどこの部が見たいんですか?」
「また……都住くん、その「ルイスさん」ってやめてくれない?さん付けはダメ。私も「都住」でいいでしょ」
「え!?そんな突然は無理ですよ。それに今日知り合ったばっかなのに」
「私がいいって言ってるの!わかった、都住?」
「わ、わかりました、ルイス」
「うん、よし。じゃあまず、バレー部に案内して」
「わかりました」
こうして、放課後はルイスに部活を案内していた。1日じゃあ回りきれなかったので、明日もということになった。
校舎を歩き回ったので今日は疲れた。僕は早めにベットに入って寝た。