第10話
とうとう10話になりました。見てくださってる方、ありがとうございます。これからも頑張って更新していきたいと思います。
「今日の授業はこれまでだ。テストも近いからしっかり勉強をしておくように」
やっと授業が終わった…。昨日のバイトはお客さんがたくさん来たため、帰るのが遅くなり寝る時間があまりなかった。ちなみに今は放課後です。
「悠斗、ちょっといい?」
「何?どうしたの、ルイス?」
「数学の西山先生って今はどこにいるかわかる?」
「西山先生は卓球部の顧問だから今は卓球部のところに居ると思うよ」
「そっか。じゃあ一緒に付いてきてくれない?卓球部の場所がよくわからない」
「えぇ!?卓球部かぁ〜。……わかったいいよ」
「?? ほら、行こ」
ルイスが廊下へと歩いて行く。そして、僕もそれにつづいて廊下へと。実はあまり行く気はしなかったりする…。とっとと案内して帰ればいいか。
ルイスと一緒に第二体育館へ。ちなみに第一体育館は主にバスケ部やバレー部が使っていて、第二体育館は卓球部や体操部が使っている。扉を開けると、カコーンと懐かしい音が聞こえてくる。ここに来るのも久しぶりになる。
「失礼しまーす。西山先生居ますかー?」
「「「悠斗(先輩)!?」」」
「おおぅ!びっくりした。どうしたのみんな?」
「都住先輩ーーーー!」
「うわ!」
いきなり誰かが抱きついてきて、僕は後ろに転んでしまった。結果的に僕が押し倒された感じになった。見ると、僕よりも小柄でポニーテイルにされた髪が揺れていた。…ってことは。
「こら桐原さん!危ないじゃんか!ほら、離れて」
「どうしたんですか先輩!?もしかして、卓球部に戻ってきてくれるんですか!?」
「違うよ。今日は付きそいできただけ、西山先生居る?」
「今は職員室に行ってます。すぐ戻ってくるって言ってましたよ」
「だって、どうするルイ…ス?」
「そう。じゃあ待たせてもらおうかな」
「なんか怒ってない?」
「全然!!あんたもいつまでそうやってんのよ!」
「うわぁ、ほ、ほら桐原さん離れて」
「あ〜、もう少し〜」
「だいたいあんたはなんなのよ!いきなり悠斗に抱きついて!」
「そちらこそ誰ですか?私が都住先輩に抱きつこうと勝手じゃないですか」
「なんですって!」
「あぁ、ごめん。この子は一年生の桐原七海さん。桐原さん、こちらは最近うちのクラス転校してきたルイス」
「はじめまして、ルイス先輩。都住先輩〜、今日暇なら練習見て下さいよ〜」
「えぇ、けど、ルイスもいるし……」
「別に先生もまだ来てないんだし、やっててもいいわよ。悠斗が卓球してるとこ見てみたいし」
「そう?ルイスがそう言うなら、いいか。少しだけだよ」
「やった!みんなー、都住先輩が練習見てくれるってーー」
そうしてみんな集まってくる。久々だし、少しくらいやってもいいか。そうしてみんなが練習しているところを見ていく。注意するところがあれば注意する。そして、最後に僕も混じり11点先取で試合が行われた。動き方も体が覚えていたのでなんとか勝てた。
「よし、今日はここまでー」
「西山先生!?居たんですか?」
「ついさっきだがな。それにしても都住、相変わらず強いな。卓球はもうやらないのか?お前なら県大会まで進めるかもしれないのに」
「すいません。バイトがあるので、部活をする時間はあんまり……」
「…そうだったな。だが、時々でいい。たまに部に顔を出してくれないか?部員たちもお前がいる方が張り切ってくれる。何より私も最近は忙しくてね。できたら君に代わりに指導してもらいたいんだ」
「そんなことないです!でも僕に指導なんてできないですよ」
「そうかもしれないが。本当にたまに練習しているかどうか見てくれるだけでも構わない。どうだ?」
「本当にたまにしか来れないですよ。それでもいいなら大丈夫ですけど…」
「それでもいい。みんないいか!これからたまにだが、都住が代りに指導してくれる!それで頑張るように!」
「「「はい!」」」
「それじゃあ、絶対に来て下さいよ!都住先輩は教え方がうまいんですから」
「それは言いすぎ、桐原さん。みんなの上達が早いからだよ」
「そんなことないです!都住先輩のおかげで私はこうして卓球を続けられるんだから……」
「桐原さん、もうそれは言わないの。それじゃ帰ります。お疲れ様でした」
そう言って僕はルイスの元へ行こうと思ったらルイスは居なかった。周りの人に聞いてみると、とっくに帰ったと言われた。