第1幕 プロローグ
ある日の朝、目が覚めると王都付近が騒がしくなっていた。
「ん〜?何かしら…」
私は気になった、気になってしまったのだ。
王都方向を見上げるとドラゴンが一体居た。
「うっそー…なんでドラゴンなんか居るのよ!」
私はそんな事を呟いていた。
ドラゴン…魔物の中で最も位の高い存在の1つである。
「はぁ〜…」
私は人知れずため息を零す。
「ま、私には関係無いわね!コッチは王都から離れてるもの、ドラゴンは流石にコッチまで来ないわよね」
私はそんな事を考えながら二度寝を決め込む事にする。
「…………どうしてこうなった…!」
私は愕然としながら呟いた。
目の前でダラりと伸びているドラゴンを見つめる。
コレには深ーい訳がある。
このドラゴン、何故か私の家の方に飛んで来たのだ。
数十分前……
私は二度寝を決め込もうとした直後。
「グオオオ!」
「ん?なんかドラゴンの咆哮が近いような…」
私は気になって外を見るとコチラに向かってドラゴンが飛んで来ていた。
「ダメだ…このままじゃ私の平穏無事で楽できるまったりスローライフが無くなってしまう!」
そして私はそのままドラゴンを倒してしまったのだ。
数日後。
「よくぞ参った、ライラ・フィータールよ」
やっぱりそうなるよね…
私は今王城に呼ばれていた。
「何故私を呼んだんですか?」
国王相手にとんでもない言葉遣いだが、私もそれなりの立場なので問題は無い。
「全く…お前の母親もだが国のトップを恐れもしないな…まあ賢者とその娘故仕方あるまいがな…」
はぁ〜またコレか…私は賢者クローディアの一人娘なのだ。
「私は私、母は母です。私はまったりスローライフを送る為にあの家に住んでるんです!」
「お主も変わらんのぉ…」
変わるも何も私は賢者の娘というだけで嫌なのだ。
「用が無いなら私はコレから二度寝の予定があるので帰ります」
我ながら酷い理由だがコレがまかり通るのだ。
「それではまた。」
「まあまでライラよ。悪い報告と良い報告どちらを先に聞きたいか答えよ。」
は?何を言っているの?
「なら、いい報告からで」
「ふむ、ではまず良い報告からだな…お前に国を救った事で報酬が出る。」
それは確かにいい報告だ。
「それで、悪い報告って?」
私は国王の回答を待った。
「お前の強さ、バレた…以来がコレからチョコチョコ来るかもしれん」
は?バレてる!?はああああ!?
「1つ聞いてもいいですか?」
「何だ?」
「なぜバレたんです?」
「何を言っておる、お前がドラゴンなんぞ倒さなければ良かっただけだろう」
やっぱりかぁぁ!
こうして私の平穏無事でお気楽なスローライフは終わりを迎えた。