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出会い 2
めんどくせぇ。
藍と筋哉は、例のイラスト展に向かっていた。藍の隣にいる筋哉は、時折鼻を啜りながら、彼女と別れた経緯を事細かに説明していた。
「それでさ~、ふざけんじゃないわよって。」
ひどいよなぁ、と涙ぐみながら藍の肩に手をおいた。分かりやすく説明すると、今回の写真展の主、柊藍夏の写真が好きだという旨を彼女に伝え、あらかじめ取っておいたチケットを差し出すと,,,ふざけんじゃないわよ!からの、バッチーン。(女だから?)お見事、筋哉の頬に手形がついた。彼女が使うはすだったチケットは、藍が使うことになった。というわけだ。
色々あったが、会場に着くと筋哉はみるみる元気になり、小さなホールに藍の手を引いて入っていった。彼女の写真はすべてモノクロで、藍は筋哉の気持ちが少し分かった気がした。
筋哉は藍夏がいる場所の少し前で
「ヤバい。お腹いたい。」
とトイレに走っていった。なかなか戻らず一足先に藍夏がいるゾーンに行くと、藍夏は二人の男に詰め寄られていた。