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次なる目的地

 ノームにお願いをし、テツヤはその場で埋葬してもらう事になりました。

 ここから草の地の村まで持っていくのは大変で、ダメ元でお願いした所、素直に聞いてくれました。


「んじぇ。ほんの少しんじぇ。何かを失う悲しさを知った気がするんぼ」


 小さな大ノームは呟きました。ノームにはそういった失うなどの感情は元々無いのでしょうか。


「というか、最初に出会ったノームがまだ『土槍』が刺さった状態なのを気にしなくなってましたが、あれは良いのですか?」


 ずっとね。こう……串刺しのノームが二体、時々横を通るのです。なんかこう、すごく複雑なんですよ。


「刺さっている物が土なら問題ないんじぇ。これが鉄とか氷なら危ないんじぇ」


 同属性だと問題ないのでしょうか。


「とはいえ、本当に助かりました」

「いいんだじぇ。こっちこそ、最初に出会った時、変な意地を張って悪かったんぼ」


 そう言って握手を……屈んでも手が届きませんが、とりあえず頑張って手を伸ばして握手を交わしました。


「他の人間はどこへ行ったんじぇ?」

「ノーム達の作ったお墓の前にいますよ」

「じぇ? 何でかんぼ?」

「人間はああして、神カンパネにお祈りをするそうです」


 神術の書物を残したカンパネ。実際何者なのかは不明ですが、とにかく手がかりがこれしかない以上、これを解読するしかありません。


「マリーからもらったこの世界の魔術書。そして異世界の魔術書。そして今回の神術の書物。なんだか不思議な書物が勢ぞろいですね」

「それを集めてどうするんじぇ?」

「まあ、色々です。少なくとも全員が笑える世界を作れたらと思うのです」

「では早速あそこの二人の泣いているところを何とかしてみんじぇ」


 お墓の前で泣く二人の少女。

 フーリエ(本物)が草の地に到着し、セイラに報告したとの事。

 セイラはその場で泣き崩れ、フーリエを抱きしめていたらしいです。


 人間はもろいです。心が折れれば体も崩れる。

 心が欠けて力を得る人もいましたが、それは決して良いわけではないでしょう。


「さて、本は手に入れました。次はどうしましょう」


 そう考えていた時でした。


 地面が微かに揺れています。


 これは……魔力的な感じはありません。


 涙を拭いて、シャルドネはボクに話しかけてきました。


「ねえ、なんかこう……揺れて無い?」

「ええ、周囲に魔力の反応は無いのですが……」


 その揺れは、ボクが作った『音叉』にも影響しました。そして……。


『……ま……ち……さま……』


 一瞬ですが『音叉』から声が聞こえました。


『父様。聞こえますか? 聞こえたら返事を下さい』


 え、まさかボクの作った『音叉』は意思を持ったのですか!


「ご、ゴルド……殴って良」

「ダメです。ちょっと待ってください……えーっと、聞こえます。どちら様ですか!」


『音叉』に話しかけるボク。なかなか滑稽な光景です。


『やっと通じました。父様。ガナリはガナリと言います。覚えておいてください』


 今『父様』って言いました?


「んじぇー。子供がいたとは意外んじぇ」

「知らなかったわ。いつのまに?」

「ご、ゴルド様に……お子様……」


 何やら嫌な空気ですね。いやいや、ボクはそもそも子供を作れる魔力はありません。


『父様。ガナリはこの大陸では『離島』と呼ばれている場所にいます。そこからそこの『音が良く響き伝わりやすい物体』に話しかけています』

「なるほど。どういう仕組みでここまで音が伝わっているかは置いておきましょう。一体何の用ですか? 自称ボクの子供さん」

『神術の書物を手に入れ、次の目的地へと向かってほしいのです』


 次の目的地はまだ決めていませんでした。ここからまだ少し南に地方はありそうですが、そこでも何か手がかりはあるのでしょうか。


『今父様がいる地方より南には、浜の地というのがあります。しかしそこに父様が求めるものはありません』

「そうなのですか? なぜ分かるのですか?」

『全て『聴こえる』からです』


 聴こえる。何がでしょう。

 もしかしてこの『音叉』の様なものが他にもあるのでしょうか。


「じゃあどこに行けば良いのよ?」


 シャルドネが『音叉』に話しかけました。


『次はガナリのいる場所。『離島』へ来てください』

 ガナリさんについては他の作品で出しており、こちらもようやく出せたと思ってました。

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