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森の地で野宿

 割と久々にほのぼの回な気がします。こういうのも少し増やせればと思います。

 ノームの集落について聞き、いざ森の奥へ!


 と、森を進んでいくと、日は沈んでいきます。

 今までがボクとシャルドネの二人旅でスタスタと歩いていましたが、今はフーリエがいます。

 トコトコとついてくる姿にシャルドネは頬を染めて時々手を差し伸べて歩いています。


「ずっと繋いでいたら良いのでは?」

「バカね。一人でトコトコ歩く姿が見れないじゃない」

「……あの、真顔で言われてもがあっ!」


 木の根が凄まじく、時々足が引っかかります。また転びました。


「むむ、やはり眼鏡は常にかけておきますか」

「お、『めがねゴルド』ね。私は良いと思うわよ?」

「似合ってます!」


 老眼というだけに似合うという言葉がすごく複雑です。しかし背に腹は代えられません。


「でも、徐々に日は落ちてきましたし、足元も見えなく……あっ!」

「『砂壁』」


 フーリエが転びそうになり、瞬時に砂壁を生成しました。砂壁というか『砂床』ですね。


「ぶはっ! あ、ありがとうございます! ゴルド様!」

「いえ、偶然です」

「素直じゃないわね。まあ急ぎでも無いし、この辺で野宿でもしようかしら」


 そうですね。日が出る事を待ちましょう。


 ☆


 魔力を集中し、一つの物体を思い浮かべ、それを生成。これら一連の流れは精霊術に限らず他の術にも言える事ですね。

 今回必要なのは二つの箱。そして入口。屋根。それらを想像して一気に魔力を放出します!


「はああああっ!」


 目の前には一つの家が生成されました。


「……その無駄にすごい能力、普段の戦闘でもっと活躍できればいいのに」

「これ以上にすごい戦闘が出来る人が近くにウヨウヨといるのでボクの存在が薄れるのですよ」


 例としてシャルドネとかマリーとかミリアムとかフーリエとかです。


「流石ですゴルド様! あの短時間でここまで完成度の高い家を作るなんて!」


 フーリエの褒め言葉に少しだけ喜びを感じました。


「ふっふっふ、この家はただの家ではありません。窓は先ほどの砂壁を利用した硝子で作り、その縁には意味ありげな文字を掘り込みましたが、実際はただの模様です。そして屋根は別の世界にある『瓦』というものを再現して、内部の布団は」

「さあ入るわよー」


 説明を打ち切られました。


 ☆


 そして野宿となるとご飯ですね。


 火はボクが魔術で生成できるので問題ありません。水もボクが生成できるので問題ありません。

 フーリエは植物に関する知識も少々あるそうで、食べられる植物を採取してきました。

 シャルドネは得意の身体能力で野鳥を捕えました。

 そして。


「「どうぞ、食べてください」」

「こんな寂しい食事、久々ね」


 だって、ボクは何もしなければ魔力回復できますし、ドッペルゲンガーのフーリエは食を必要としないそうです。強いて言えばこの風景の記憶を飛ばして本物は今ご飯を食べているとか。


「フーリエが召喚した『くうふくのこあくまー』だっけ? あれは血を欲してたわよね?」

「悪魔にも種類があって、『空腹の小悪魔』は血肉と魔力を欲する悪魔です。エルフも食は必要で、種族によって異なるのです」


 さすがは闇の魔術に詳しいフーリエですね。ちなみにフーリエはさっきからボクの手を握って魔力を吸ってます。全然回復しないのですが!


「そうだ、良い事を思いついたわ!」

「なんですか?」

「ゴルド、『ねくろのみこん』を出して!」

「何をするんですか?」



「マリーを呼べば良いじゃない」



 時間が止まるってこの事ですね。

 心が欠けたシャルドネだからこそ、こんな発言が出るのでしょう。


「あんな切ない別れ方したのに、『夕食寂しいから召喚』ってどんな再会ですか!」

「良いじゃない、きっとマリーもそろそろ元部下に会いたがってるわよ。ねー?」


 何を馬鹿な事を言っているのですか。マリーも元の世界に帰って大変だと思いますよ。

 フーリエからも何か言って欲しいです。



「マリー様に……会えるのですか?」



 これは駄目なやつです!

 フーリエが目に涙を浮かべてます!


「そ、そもそも転移の呪文の頁を見ましたが、ボクにはまだ解読できません! その案は今すぐの実行は不可ですよ!」


 マリーの言葉も異世界の言葉だったので、覚えていません。転移の頁もようやく最初だけ理解しましたがそれ以上は……。



「マリー様に……会えない」



 あー! フーリエがまた涙をボロボロと!


「どうしてくれるんですか! フーリエがもうヤバいですよ!」

「ご、ごめんね。うん、今後は気を付けるわ」


 流石のシャルドネも謝罪をしました。するとフーリエは首を縦に振って話します。


「いえ、それよりもセイラ様から伝言です」

「え、セイラから?」


 あ、そういえば記憶は本物と共有しているのでしたっけ。となると。


「『意地悪はしないように』との事です」


「「……はい」」


 完全に『とばっちり』です。

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