表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/110

フーリエ異変

 エヴァの治療が終わって、そろそろシャルドネの機嫌も戻ったと想定し、エルヴィンの家に向かっている途中、フーリエがボクに話しかけてきました。


「ゴルド様、ワタチはちょっとお手洗いに行ってきます!」

「あ、わかりました」


 そして鈴の音を鳴らしながら走ってどこかへ行きました。エルフの集落のお手洗い場は遠い所にあるのでしょうか。


 とりあえずここはフーリエの管轄内で迷う心配もなさそうですし、エルヴィンの家に入るとしましょう。


 扉の取っ手に触れようとすると、一度掴み損ねました。む? 治癒術の使い過ぎで目が疲れたのでしょうか。あ、でも距離によっては見やすいです。


 気を取り直して取っ手を掴み扉を開けると、最初に耳へ届いた声はエルヴィンの謝罪でした。


「だからその、シャルドネ殿! そろそろ機嫌をですね!」

「……」

「本当に申し訳ないです!」

「……」


 そうでした。シャルドネってそもそも機嫌が悪いという状況になりませんね。別な言い方をすれば『機嫌が()』ですね。『機嫌は()』でも可です。


「ゴルド殿! ゴルド殿からも言ってください! 話が進みません!」


 相当謝罪をしたのでしょう。額の汗が物語っています。

 とはいえ、これでノームの繋がりを失ったら意味が無いので、一言シャルドネに話しました。


「後でエヴァをもう一度殴らせてくれるそうです」

「わかった」

「えええええ!」


 シャルドネの機嫌が戻りました。人間の心を開くためにはそれ相応の犠牲が必要だと学びました。これは必要な犠牲なのです。


「ゴルド殿? 先程の話聞きましたよね! 覚えてますよね!」

「聞きましたし覚えていますよ。ボクが闇の魔術について調べるって言ったじゃないですか。ほら、本題に入りますよ」


 わーわー叫ぶエヴァを放置し、椅子に座ろうとします。


 シャルドネはずっと座っていました。

 エルヴィンもずっと座っていました。

 エヴァがエルヴィンの隣に座りました。

 ボクがシャルドネの隣に座りました。


 フーリエがボクの膝の上に座りました。


「……ん? ちょっと待ってください、フーリエ、いつ戻ってきたのですか?」


 ボクの質問に、シャルドネが答えます。


「戻ったって、フーリエはずっとここにいたわよ?」


 ……え、だってさっきお手洗いに行くって言いましたし、実際に行きましたよね。


 ふとフーリエに違和感を感じました。少し揺らしてみると「わー」という声『しか』聞こえません。


「……フーリエ、鈴は持っていないのですか?」

「さすがはゴルド様! そこに気が付くとは!」


 そのフーリエの反応に、全員がポカンとします。


「え、どういう事?」

「ワタチはフーリエですがフーリエではありません。しかしフーリエです!」

「い、意味が分からないのだけれど」


 つまり、今ボクの膝に座っているフーリエは……。


「ワタチはフーリエの『どっぺるげんがー』です!」

 今までシャルドネが『しんじょうどくは』とひらがなで表記していた部分がありましたが、シャルドネが知らない単語を言うときなどにこういう表現をしていました。

『土壁』に関しては『土』と『壁』なのでひらがなにはしなかったのですが、その辺の区別をどうするか悩みどころです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ