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草の地

 ここから草の地編です! 第三章は二章と比べて少し雰囲気も変えていこうかと思います。

 草の地の名前の由来は、この広大な草原からとのこと。やはり地名に固有の名前が無いのは不自然ですが、もう慣れました。


 かつてシャルドネが生まれ育ち、悲劇を味わい、そして旅だった場所との事で、シャルドネも久々の里帰りに何か思うところはあるでしょう。


「あそこが私の家よ」


 ……実にあっさりですね。


「久々の里帰りですが、誰かに挨拶とかしないのですか?」

「もちろんするわよ。ただ、今の時間は皆仕事しているから様子を見てからね」

「仕事ですか?」

「そうよ。ほら」


 そう言って見つめた先には大きな田畑があり、数人が何かの作業を行っていました。


「こんな大きな土地に作物を植えているのに、魔術を使わないのですか?」

「この村に魔術師は少ないの。そのうちの一人は管理もしているから、実質いないに近いけれどね。ちなみにこれからその人に会いに行くわよ」


 ミリアムの言っていた雪の地の人間も数少ない魔術師の一人に含まれているのでしょうか。

 とはいえ、先に管理をしている人に挨拶するのも大事な流れです。ここは言う通りにしましょう。



 そして向かった先の家はこの村で一番大きな家でした。まさしく村長の家という感じです。

 入ったら真っ先に目に入ったのは、白髪のかなり年を取った人間でした。椅子に座っていて杖も隣にあるあたり、それほど足腰は良くないのでしょうか。


「む? お前は、シャルドネか?」

「久しぶりです。タプルさん」

「ほっ、まさかお前をもう一度見ることができるとはな! 今日は祭にせねば行かぬな!」

「やめてください! 大袈裟です!」


 照れつつも、普段見ないシャルドネの敬語と照れている姿に新鮮さを感じました。


「紹介します。この人は錬金術師兼魔術師のゴルドです」

「ゴルドです。初めまして」


「……まさか、まさかあのシャルドネが……男を……」


「違うわよ! 旅の仲間よ!」


 急などこかでありそうな展開に、「え、本当にこういう言葉を話す人っているんですね!」と口から出そうでした。


「冗談じゃよ。ワシはタプルじゃ。この村の管理をしていて、ゴルド殿とは似て非なる魔術を使える者じゃ」

「似て非なる?」

「治癒術じゃよ」


 人間の世界では治癒術を使える人は珍しいのでしょうか。ボクも少し使えますけど「ゴルドも使えるわよ」この場で話す必要は……。


「なんじゃと! 治癒術を使えるのか!」

「シャルドネ! 口が軽すぎます!」

「ええ! 秘密だったの!」


 三人がそれぞれ突っ込みを入れて収集つきません。


「ボクが使えるのは低位です。基本は『錬金術と魔術』だけです」


 ボクに合わせてくださいオーラをシャルドネに出して、察したのかシャルドネは首を縦に振りました。


「そ、そうなのか。仕事が減ると思って少し浮かれてしまったが、そう簡単にはいかぬか。すまないすまない」


 苦笑しながら、思わず椅子から立ち上がっていた体勢から再度椅子に座りました。

 そしてタプルは話を続けます。


「テツヤには会ったかの?」

「いえ、師匠にはまだ。健在ですか?」

「うむ、彼には村を守る傭兵も担っている。とても助かっている」

「そうですか」


 シャルドネを正しい道に導いた人間で、恩人でもあるテツヤという人間。今日中には会えるでしょうか。



「つい先日結婚したがの」



 今までこれほどの殺気を感じたことは無いと思います。隣からプルプルと震える振動が伝わってきました。


「タプルさん。けけけ結婚したというのは?」

「うむ? セイラと結婚したのじゃ」

「よりにもよってセイラと!」


 これは踏み込んではいけないイベントの発生です。

 草の地編一話ということで、ここから更に物語は大きくなっていきます。少しでも楽しんでいただけたらと思います!

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