最狂の能力を手にして異世界へ
山田崇は、オカルト研究会部長伊東奈津江を目的にオカルト研究会に入った。
これは、オカルト部と世界の戦いの物語である
人形のような白い肌に、長い黒髪に大きな瞳。
その瞳が、僕を覗きこんでいた。
「えーと、それは何ですか?」
漆黒の表紙の古びた本を大事そうに抱えた少女は、目を蘭々に輝かせ、瞳をいっそう大きくさせた。
「何だと思う?」
そういってページをめくると、何やら気持ちの悪いイラストに見たことのない文字が羅列していた。
こういうことはよくあるこだ。
そして、よくわからない言語の本の場合は、彼女が入手した新しい魔術系の本や、大きな事件を起こした人の伝記がほとんどだ。
ここはオカルト研究会。そして彼女はオカルト研究会の立ち上げ者にして会長、伊東奈津江である。と言っても、オカルト研究会は僕と彼女しかいないのだけど・・・。
「魔導書かな?」
そう回答した僕の返事に彼女は、満足そうな笑顔を見せ、首を大きく横に降った。
「クトゥルフだよ!!」
天真爛漫な笑顔と共に告げられたその言葉は、彼女-伊東奈津江を目的にオカルト研究会に入っただけの僕には理解できなかった。
だからいつものように、よく分からない説明を聞きながら彼女を眺める時間を僕は深く考えず選択していた。
その本には気持ち悪いイラストと、よくわからかい言語が延々と続いていた。
「人間は、クトゥルフの姿を見ただけで発狂してしまうんだよ」
そんな怖い台詞を言いながら、彼女は妖艶な笑みを浮かべていた。
「それでね、あれ?なんかこのページがくっついてる?」
それは、外なる神のイラストが書いてあるページらしかった。
「おかしいな、ここだけページが厚いんだよね 」
「でも、そのイラストは次のページと続いているみたいだよ?」
見てしまった。
アラビアの狂える詩人が、精神を蝕まれながら封印したはずの見てはいけないページを
そして、「ウェルカムトゥアンダーグラウンド」
誰かが呟く声が聞こえた。