6体の鎧武者
そして、大音量の「ウガガ」とともにわたしたちの前に姿を現したのは、プロトタイプ1号機と同じような姿形をした鎧武者だった。鎧武者は全部で6体。ドラゴニアン・ハート城の2階部分において、壁を内側から叩き壊して突き破り、横一線に整列し、そこで一旦動きを止めた。なお、この鎧武者たちは、先ほどの戦闘で(おそらくは)全滅させた量産型に比べて明らかに体が大きい。のみならず、プロトタイプ1号機と比べてみても大きく、身長で1.5倍くらいはありそうに見える。
わたしのすぐ隣にいたアース騎士団長は、
「なっ、なんとっ!」
と、驚きの声を上げたが、すぐに配下の騎士団を整列させ、とりあえず戦闘態勢を整えている。戦いが本業である騎士としての本能がそうさせているのだろうか。なお、ニコラスと青年ドラゴニア党は、アース騎士団長及び騎士団に遅れること十数秒、同じように陣形を整え始めた。
プチドラは、わたしの腕の中でわたしを見上げ、
「あれも量産型なのかな。今度のは、さっきより手ごわそうだね」
「そうね。なんとなく、戦闘は必至みたい。だから、プチドラ、頼むわ」
わたしはプチドラを空に放った。すると、プチドラは、空中で体を象のように大きく膨らませ、巨大なコウモリの翼を左右に広げた。左目が爛々と輝く。こうして、たちまち、子犬サイズのプチドラから、本来隻眼の黒龍モードに。
ドラゴニアン・ハート城を押しつぶすように乗っかっている巨大な〇〇〇の上に立っているスヴォールは(しつこいようだけど、「〇〇〇」は筆者の自己規制)、いきり立って手足をバタバタと動かし、
「なっ、なにぃーーー! そうか、わかったぞ、おまえら、このオレの研究を妨害に来たか盗みに来たのだな!! そういうつもりならっ、そうだ、やってしまえぇーーー!!!」
と、6体の鎧武者に(おそらくは攻撃の)合図を送った。
すると、鎧武者たちは、
「ウガガガガガガガー! ウガガガガガガガー!! ウガガガガガガガー!!!」
と、先ほどと同じような凄まじい大音声を上げ、一斉にお城の2階部分から飛び降りると、大音量の「ウガガ」に加えてガシャン、ガシャンという金属音を響かせ、わたしたちのところに、スピードは速くはないが、近づいてくる。
アンジェラは、わたしにくっつくように体を寄せ、
「お姉様……」
わたしはアンジェラをそっと抱き寄せ、
「大丈夫よ。なんとかなるわ、きっと……」
相手の鎧武者の実力は分からないが、ともかくも隻眼の黒竜がいれば、大抵のことには対応ができると思う。わたしとアンジェラに限っては、多分、生命・身体の保障に危険が及ぶことはないだろう。
ただ、そうしたことよりも、むしろ、こちらが捜しているスヴォールが自分から姿を現すという御都合主義的な流れには、驚嘆するほかない。




