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ザ☆旅行記ⅩⅠ ドラゴニア戦記  作者: 小宮登志子
第22章 とりあえずの平穏
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今日は厄日なのだろう

 応接室のソファに腰を下ろし、「ふぅ~」と一服すると、パターソンが毎度のパターンで朝昼兼用食をもって応接室に現れ、

「おはようございます、カトリーナ様」

「おはよう……」

 気分的には、このままソファで横になって、もうひと眠りしたい感じ。このところは、取り立てて言うほどのことはなく、宮殿のトンチンカンな暴走老人(これは、言うまでもなく、帝国宰相のこと)の呼び出しもなく、一応、平穏が保たれている状態。ただ、あまり平和すぎるのも考えもので、有り体に言えば、ヒマ……、ヒマすぎて刺激が足りなさすぎて、早い話、間がもたない。

 ところが、今日は、そういった平和そのものの雰囲気でもないらしく、

「カトリーナ様、実は…… 食事を終えられたら、お話しますが……」

 パターソンが眉間にしわを寄せ、難しい顔をして言った。彼がそう言って切り出してくるからには、「少々」か「相当」か「非常に」かはともかく、面倒なことが持ち上がってきたに違いない。


 わたしは、帝国東方の山岳地帯で採れた珍しい山菜を中心とした、ヘルシーかつ質素な朝昼兼用食を食べ終えると、

「ごちそうさま。珍しいのはいいけど、味は普通の山菜とあまり変わらないわね。それはそれとして、パターソン、さっき言ってた『実は』の次は何?」

「実は……、『実は』が繰り返しになりましたが、結論的に申し上げますと、少々面倒なことが持ち上がってきたということです。先ほど、マーチャント商会から使者が二名、屋敷まで来られまして……」

 マーチャント商会というと、用件は、重武装人造人型兵器に係る会長との約束に関することだろう。であれば、面倒の程度は「少々」ではなく、「相当」か「かなり」くらいが妥当ではないか。

 わたしは「ふぅ」と、ため息をつき、

「適当に言いくるめて追い返すわけにいかないかしら?」

「それは試みてみました。『適当に』ではなく相当頑張って理屈をこねてみましたが、彼らが言うには、カトリーナ様と話をするまで帰れないということで……」

 パターソンは、見た感じ、「お手上げ」といった表情。そういうことなら、やはり、面倒さ加減は「少々」ではないでのはないか。

「カトリーナ様、一応、『問答無用、とにかく帰れ』と追い返すことはできますが、いかがいたしましょうか。あまり事を荒立てるのも……」

「詰まるところ、選択の余地はないということでしょう。仕方ないわね。ここに通しなさい」


 パターソンは、「御意」と頭を下げると、テーブルの上を綺麗に片付け、応接室を出た。久しぶりに朝からいきなり気分の重い展開だけど……、今日は厄日なのだろう。きっとそうだ。

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