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ザ☆旅行記ⅩⅠ ドラゴニア戦記  作者: 小宮登志子
第20章 運命の日
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パーシュ=カーニス評議員の説明

 パーシュ=カーニス評議員がとても楽しそうに語るところによれば、わたしとグローリアスが晩餐会会場を出た後、評議員は会場を「ぶらぶらと適当に」(なお、この括弧は、評議員が表現をそのまま記載したという意味。以下、この段落では同じ)歩き回っていたが、その時、「偶然にも」ツンドラ侯が大声でわけの分からないことを言ってドンドンと壁を蹴飛ばしているのを見つけたので、「つい、うっかりと」わたしとグローリアスが二人だけで中庭に出て話をしていることを喋ってしまったとのこと。

 でも、今のツンドラ侯の怒りの具合は、いかに規格外かつ常識外のツンドラ侯ということを勘案しても、少々度が過ぎているのではないだろうか。それに、さっきツンドラ侯が言ってた「手込めに」の謎も解けない。

 わたしはパーシュ=カーニス評議員をジロリとにらみ、

「話はそれだけですか? まだ何か言い足りないことがあるのでは??」

「いやいや、そんなことは…… でも、いいかなぁ……」

 パーシュ=カーニス評議員は、ほんの2、3秒、「う~ん」と腕を組み、

「まあ、いいや。言っちゃおう。でも、ここだけの話ですよ。実は……」

 と、わたしの耳元でゴニョゴニョゴニョと……


 そして……

「なっ、なんですってぇ~! それ、本当!?」

 わたしは思わず、頓狂な声を上げた。パーシュ=カーニス評議員によれば、つい調子に乗って、ツンドラ侯に、わたしが中庭であの小さいグローリアスから数々の×××なことをされるに違いないと(なお「×××」は表現上の自主規制)、吹き込んでしまったらしい。

 評議員は、「ハッハッハッハッハ」と大笑いして、

「本当です。でも、ツンドラ侯以外の人に聞こえていないはずなので、御安心を。しかし、なんですな……、あの人、大きいのは図体だけで、腹の中は別でしょうが、少なくとも頭の中は空っぽだね」

 確かに、ツンドラ侯の人物評としてはそのとおりだけど……


 ちなみに、わたしとパーシュ=カーニス評議員がそんなことを話している間、事態はますます悪化していて、

「やいっ、このクソチビ! 覚悟しろよ、ゴルァー!!」

「うっ、うわああぁ!!!」

「あっ、あああぁぁ!」

 すなわち、ツンドラ侯が渾身の力を込めて振り下ろしたパンチが、見事、グローリアスの顔面にヒット(なお、最後の「あああ」は、ニューバーグ男爵の絶望的な悲鳴)。そして、グローリアスは、グシャァという気味の悪い音を響かせながら後ろ向きに倒れ、それっきり動かなくなった。

「どうだ、思い知ったか!!!」

 と、勝ち誇るツンドラ侯の傍らでは、ニューバーグ男爵が口を大きく開け、顔面蒼白になっていた。

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