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ザ☆旅行記ⅩⅠ ドラゴニア戦記  作者: 小宮登志子
第19章 例によってゲテモン屋
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朝はいつものように

 そして、次の日の朝……といっても、昼に近い午前、

「ふわぁ~~……、眠い……」

 わたしは例によって、寝室のベッドの中で暖かさに包まれながら猫のように丸くなり、いつものように朝寝坊。その傍らでは、プチドラが、このところの習慣になったのか、「よいしょ、よいしょ」と、見た目はラジオ体操のような、得体のしれないトレーニングを始めている。


 というわけで、とりあえずは、いつものようにプチドラを抱いて応接室まで行ってみると、

「プロトタイプ1号機、そこに『おすわり』」

「ウガガッ!」

「それじゃ、その姿勢のまま、勢いよくジャンプ!」

「ウガッ! ウガガガガー!!」

 と、これもまた最近の日課のように、アンジェラとプロトタイプ1号機が仲よさげに戯れている最中だった。

「ウガッ! ウガガガガガガッ!!」

 ドンッ!!!

 ちなみに、最期のこれは、プロトタイプ1号機が着地に失敗してひっくり返った音。結構広い応接室だけど、家庭の主婦的な発想で言えば、こういった運動は外でしてほしい(あまりひどく壊されなければ、別にどうということはないが)。


 そして、しばらくすると、しつこいようだけど例によって、パターソンが朝食兼昼食をもって、彼にしては珍しく寝ぼけ眼をこすりながら応接室に現れた。

「おはようございます、カトリーナ様。昨夜……、夜中は散々でした」

 いきなり「散々」と弱音とは、彼にしては珍しいこともあるものだが……

「突然スヴォールが現れ大音量で『金払え』でしたから、不覚ながら不意打ちでした」

 パターソンが「ふぅ~」とため息をついて話すところによれば、昨夜(みんな寝静まった後の夜中)、すごく背が低くてくさくて(クラウディアの言うところの)ニホンザルみたいなスヴォールが現れ、何やら機械的な(現実世界の普通名詞としてはマイクとかメガホンとか拡声器と呼ばれる)装置を用いて、大音量でプロトタイプ1号機等々の代金の取立に係る口上を垂れ始めたという。すなわち、クラウディアとガイウスがわたしの部屋に来ていた間に聞こえてきたのは、やはりスヴォールだったらしい。

 ここで突然、パターソンは頭を垂れ、

「カトリーナ様。実は、昨夜のスヴォールはこれまでと違い、何やら鬼気迫るものがあり、普段にも増して基地外じみていたのです。そこで、不測の事態を避ける意味で、とりあえず私の独断で彼に金貨1枚を握らせ、その場はお引き取りを願いました。勝手なことをして申しわけありません」

「そうだったの。でも、仕方ないわね。ほかに手はないでしょう。夜中の対応、ごくろうさま」

 多分、パターソンの方法が正しいだろう。なにはともあれ……

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