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ザ☆旅行記ⅩⅠ ドラゴニア戦記  作者: 小宮登志子
第14章 決闘裁判
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頭の回転が良くない人たち

 三匹のぶたさん(アート公、ウェストゲート公、サムストック公)の派遣した騎士団の大幹部三人組は、余りにも唐突な出来事に、どう対処すれば分からなくなったのか、互いに顔を見合わせ、「はて?」と首をひねっている。彼らはいわゆる体育会系なのだろう、頭の回転はさほど良くないようだ。

 わたしは、内心ニヤリ。急いで立ち上がると、ニコラスのいる方に向き直り、

「見たでしょう、ニコラス! この人たち、理由もなく、わたしを突き飛ばしたのよ!!」

「あっ! はっ、はい、確かに!!」

 ニコラスは、元気よく応えた。ただ、わたしの意図を理解しているかどうか……

 わたしは、内心「ふぅ」とため息をつきつつも、

「騎士の分際で、正当な理由もなく伯爵様を突き飛ばすなんて、その罪は万死に値するわ。ニコラス、この場で打ち首にしてやりなさい!」

 すると、ニコラスは、ここに来てようやく察したのか、あるいは、「打ち首」と明確に言葉として言われたからなのか知らないが、ともかくも剣を抜き、

「ドラゴニアの平和を乱す悪党ども! ドラゴニアのみならず、我らが盟友のウェルシー伯にまで乱暴狼藉を働くとは、まさに言語道断!! 今すぐ成敗してやる!!!」


 その様子を見ながら、プチドラは、わたしの腕の中で「う~ん」と首をひねり、

「マスター、今のはちょっと……、いや、結構、無理があるんじゃ?」

「無理って? 『正当な理由もなく突き飛ばされた』ことは、無礼討ちの理由にならない?」

「ならないこともないけど…… ただ、今みたいな形では、ちょっと……」

 わたしは苦笑しつつ、今度は内心だけでなく本当に「ふぅ」とため息。確かに、今のは、わたしがヤンキーみたいに意図的に肩をぶつけた(ところが、反対に弾き飛ばされた)だけ。わたしも、正直、無理気味なことは分かっている。でも、他にうまい(自然に見える)方法があっただろうか。

 他方、三匹のブタさんの騎士団の大幹部たちは、元々血の気が多いのか、明らかに自分たちより若輩者のニコラスに言われて腹を立てたのか、「何を、猪口才な!」とか、「青二才めが!」とか、怒鳴り立てている。彼らの頭の構造も、ニコラスと同様、非常に単純にできているようだ。事態の流れ的に見れば、一応、わたしの望む方向に進んでいると言えるだろうか。


 ニコラスは、剣を片手にドラゴニア騎士団の騎士たちをかき分け、三匹のブタさんの騎士団の大幹部たちに向かっていく。ニコラスでは、多分、相手にならないだろうから、プチドラの魔法支援(あるいは直接攻撃)は必須だろうが、とにかく、ヤツらを血祭りに上げて亡き者にしてしまった後は、対世間的に無理矢理にでも無礼討ちとして説明することにしよう。

 ところが、うまくいくばかりではないのが世の中というもの……

「諸君! しばし待たれよ!!」

 突如、中年のオヤジっぽい声が廊下に響き渡った。この声は、おそらく、いや、(ストーリーの流れ的に見ても)十中八九、アース騎士団長であろう。

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