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ザ☆旅行記ⅩⅠ ドラゴニア戦記  作者: 小宮登志子
第14章 決闘裁判
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いわゆる無礼討ち又は切捨御免

 そんなことがあって、ドラゴニアン・ハート城に戻って数日が過ぎた。その間、わたし(及びプチドラ)とアンジェラは、適当に城内を散策したり、城内を歩く騎士を捕まえて取り留めもない話をしたり……

 他方、アース騎士団長は、毎日のように、城内の一室(会議室だろうか)に配下の騎士たちとともにこもって、何やら相談しているらしい。相談の内容は、三匹のぶたさん配下の騎士団(アート公、ウェストゲート公、サムストック公)をいかにしてドラゴニアから追い出すかだろうが、なかなか妙案が出てこないようだ。


 城内の廊下では、時折、これ見よがしに「はーっはっはっはっはっ!!!」と、やかましく品のない笑い声が聞こえてくる。

 アンジェラは、その声が聞こえてくるたびに耳を押さえ、

「本当に、いい加減にしてほしいです」

「確かに、騒音公害ね」

 最初のうちはそうでもなかったけど、何度となく同じパターンのがさつな笑い声を聞かされると、精神衛生上も辛いものがある。

 わたしは、プチドラに顔を向け、

「どう? プチドラ、何かいい知恵は浮かんだ?」

「一応、何もないわけじゃないんだけど……」

 瞬間、わたしは「えっ!?」とプチドラを凝視し、

「あるの? あの騒音装置を追っ払う方法が?? じゃあ、教えてよ、今すぐに」

「まあまあ、マスター。あることはあるけど、エレガントとは…… ちょっとなぁ……」

 プチドラは、なぜか言いにくそうにしているけど、この際、少々悪辣でも卑劣でも……、というわけで、わたしはプチドラの喉元に腕を食い込ませ、プロレス技のいわゆるスリーパー・ホールド。

 すると、プチドラは、「ひぃ!」と悲鳴を上げ、

「マスター、ギブ! ギブアップ!! 白状するから、許して!!!」

 結構あっさりと口を割ってしまったが、プチドラの話によれば、結論的には、わたしが関与すれば、ヤツらを罪に問える可能性があるとのこと。

 すなわち、帝国の身分秩序の一般法においては、伯爵の地位が騎士の地位に優越するため、騎士が上位者である伯爵に対して無礼な行為をした場合には、裁判抜きの自力執行が可能、つまり、その場で無礼な騎士を成敗しても法的に正当化されるという。いわゆる無礼討ち、切捨御免みたいなものなのだろう。

「でも、これには問題があって……」

 と、プチドラは、「う~ん」と小さい腕を組み、「じーっ」と、わたしを見上げた。

 わたしも思わず、「う~ん」と苦笑。おそらく、プチドラの言いたいことは、「ヤツらが都合よくわたしに無礼を働くとは考えにくいし、無礼討ちには、事後的にせよ、無礼を働いたことの証明が求められる」といったところだろう。確かに、証人を立てなければならないとすれば、面倒なことではある。

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