表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ザ☆旅行記ⅩⅠ ドラゴニア戦記  作者: 小宮登志子
第13章 ドラゴニアン・ハート城に戻ってみると
131/293

破格の地位

 アース騎士団長は、さらに、「ダメだ」というようにガックリと肩を落とし、

「わが主君が、アート公、ウェストゲート公、サムストック公の騎士団を受け入れる際、調子に乗りすぎたのか、浮かれすぎたのか、ヤツらに破格の地位を認めてしまったのです」

「なるほど、そういうことが……」

 と、わたしはとりあえず苦笑しつつ、でも、それで納得したわけではなく、

「現状の『破格の地位』も、絶対ではないのでしょう。つまり、その『破格の地位』なるものを、ドラゴニア侯の新たな命令により無効化してもらうような……」

 すると、アース騎士団は、悔しそうに「チッ」と舌打ちし、

「それも考えたのですがね。ただ、我々は、『正常な判断能力を失っている』といった理由で、主君を地下牢に押し込めたのです。論理的に見て、その判断能力のない人が、有効な命令を下すことは、あり得ないのではないでしょうか」

 確かに、理屈としては、アース騎士団長の言うことも、もっともな感じはするが……

「では、騎士団長、結局のところ、彼ら……いや、ヤツら、あのやかましい連中をドラゴニアから追放する方法はないということですか?」

「ええ、尋常な手段としてはね……」

 アース騎士団長は、ここで「ふぅ~」と長いため息をついた。


 話が終わると、アース騎士団長は、わたし(及びプチドラ込みで)とアンジェラを、これまでも通された、例の「大安室」の前まで案内し、

「毎度のことで申し訳ありません。おそらくは趣味に合わないだろうと思うのですが、これに替わるような部屋がないのです」

「いえ、お構いなく……」

 そう言いながら、わたしは眠っているプチドラの頬を突っついたり、つねったり。つまり、これは、大安室の中は真っ暗なはずだから、プチドラに目を覚ましてもらわなければ、どうにもならないということ。

 アース騎士団長は、わたしに軽く一礼すると、

「では、私はこれにて、仕事に戻ります。もし何か御用があれば、騎士でも使用人でも捕まえて、何なりと申しつけ下さい」

 と、ドラゴニアン・ハート城の廊下を、そそくさと走り去っていった。具体的になんなのかは知らないが、とにかく忙しいのだろう。息子ニコラスの様子に関して、ご隠居様の城でのことを聞かれてもよさそうなものだけど、今の騎士団長には、その余裕もないらしい。

「それにつけても……」

 と、わたしはプチドラを見下ろし、ひと言。すなわち、プチドラは、余程深い眠りなのか、突っついても、つねっても、引っ掻いても、また、「エイッ」と前頭部をアイアン・クローで締め上げても、目を覚まさなかった。仕方がないので、わたしは「よいしょ」とプチドラを地面に寝かせ、軽くジャンプ、そして、喉元にプロレス技のいわゆるギロチン・ドロップを食らわす。すると、プチドラは、ようやく「グェッ」と目を覚ました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ