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ザ☆旅行記ⅩⅠ ドラゴニア戦記  作者: 小宮登志子
第13章 ドラゴニアン・ハート城に戻ってみると
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前に来た部屋

 騎士たちは、無秩序な集団となりつつあった。アンジェラは、不安げな眼差しをわたしに向けている。今すぐこの場を離れるべきか、もう少し様子を見るべきか……、そんなことを思案していると、

「お姉様、あれを!」

 アンジェラが、(具体的に誰ということはなく)騎士たちを指さして言った。見ると、騎士たちは、まるで羊か牛の群れのごとく密集した状態になって、廊下の更に先(あるいは奥)に向かって押し合いながら、わたしたちから遠ざかっていく。

「どうしたのかしら? 今になって移動を始めたの??」

 わたしは「う~ん」と首をかしげつつ、

「なんだかよく分からないけど、彼らについて行ってみましょう」

「えっ!? 大丈夫なのですか?」

 大丈夫かどうかは分からないが、ここは、そうする以外にないと思う。騎士たちを見てみると、皆一様に不機嫌な顔つきではあるものの、先ほどまで飛び交っていた怒号に近い大声は聞こえてこない。多少、気が落ち着いてきているのではないか。

 わたしは右手でアンジェラの手を引き(プチドラは左手に)、多少の距離を取って、移動する騎士たちの後に続いた。


 騎士たちは、ドラゴニアン・ハート城の廊下をゆっくりと(より精確に言えば、ノロノロと)、長い行列になって移動していった。先頭は、アース騎士団長に違いない。

 そして、城内を歩くこと十分弱、騎士たちはぞろぞろと、列を大きく崩すことなく、城内のとある一室に吸い込まれるように入っていった。わたしとアンジェラも、言うなれば当然のように、騎士たちの最後尾にくっついて、その部屋に滑り込む。

 部屋に入ると、アンジェラは、わたしの背後に身を隠すようにして、

「勝手についてきてしまいましたが、本当に、これでいいのでしょうか?」

「まあ、確かに、泥棒さんみたいな感じもするけど…… いいんじゃない」

 と、わたしは思わず苦笑い。ファンタジーの世界でもあり、多少のことは、好まれないとしても許容されるのではないか。


 部屋の中をよく見てみると、スペースとしてはかなりのものがあった。廊下に大勢いた騎士たちを全員収容しつつ、もう少し余裕がありそうな状態。

 アンジェラは、顔を右に左に、あるいは上や下に向けて、壁、床、天井等々あちこちに目をやり、

「この部屋、前に来たことがありますね。確か、宴会場だったと思いますが……」

「えっ、そう? ふ~ん…… そうね、確かに……」

 言われてみれば、最初にわたしたちがこの城に来たとき、歓迎の宴を催すとかで案内されたのが、この部屋だったような気がする。その時は、まずいばかりではなく命に関わる料理が出てきたり、プチドラがメチルアルコール入りの粗悪品ワインでオエッとなってたり、翌日には、マーチャント商会の使者を斬り殺したり、いろいろと盛り沢山だったような……

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