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ザ☆旅行記ⅩⅠ ドラゴニア戦記  作者: 小宮登志子
第13章 ドラゴニアン・ハート城に戻ってみると
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騒然とする廊下

 人だかりから少し離れ、しばらく様子を見ていると、

「一同、とにかく今は、静まりたまえ!」

 わたしたちから見て人混みの先の方(と言うか、前あるいは奥の方)から、中年のオヤジっぽい声が聞こえた。声の質や現在の状況から総合的に判断すると、その声の主はアース騎士団長と見て間違いないだろう。

 さらに、それからさほど時間を置くことなく、

「社会的な、また、騎士としてのマナーもある! 道を開けるんだ!」

 と、もう一度、(アース騎士団長と思しき)同じ声が廊下に響いた。

 すると、廊下で無秩序に群がっていた騎士たちは、口々に何かを言いながらも速やかに廊下の両側に分かれ、その結果、廊下の真ん中に人が一列になって通れる程度のスペースができた。


 程なくして、そのスペースの先(あるいは奥)の方から、

「はーっはっはっはっはっ!!!」

 と、非常にやかましく品のない笑い声を伴い、それぞれ甲冑を身にまとった大男一人と中肉中背一人と小男一人の三人組(つまり、三匹のブタさん(アート公、ウェストゲート公、サムストック公)が派遣した騎士団の大幹部たち)が姿を現した。

 わたしとアンジェラは離れたところから、うんざりとした顔を見合わせ、お互い「ふぅ~」と長めに息を吐き出した。実際、品のないオヤジほど見苦しものはない。状況が許せば、プチドラの火炎若しくは魔法攻撃により彼らを殲滅することも、道徳理論上は正当化されるのではなかろうか。

 やがて、道徳理論云々の話はともかく、このやかましい三人組は、廊下の両側に立つ騎士たち(彼らはドラゴニア騎士団に属する騎士たちなのだろう)から、冷ややかな、あるいは憎悪に満ちた視線を浴びながら、その騎士たちの間を通り抜けていく。

 三人組は、わたし(及び寝ているプチドラ)とアンジェラの前を、やかましい笑い声を上げながら(ただし、わたしたちには一瞥もせず)通り過ぎると、騎士たちがいるところとは反対側の廊下の奥に向かって、フェードアウトしていった。


 こうして、やかましい三人組の姿が視界から完全に消えると、廊下は再び騒然となった。騎士たちは口々に「騎士団長、これは、一体、どういうことですか」とか、「今すぐ、説明を願いたい」とか、無秩序に声を上げ始めた。


 アンジェラは、ブルッと身震いして、

「どうなっているのでしょう。さっきより、雰囲気的には危険な感じがしますが……」

 わたしは無言でこくりとうなずいた。恐らくは、廊下にいる騎士たちの群れの先の(あるいは前か奥の)方では、アース騎士団長が指示を出しているか、あるいは騎士たちをなだめて、この場を収めようとしているのだろう。しかし、今、騎士団長の声はわたしたちのところまで聞こえてこない。

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