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40 ??が登場(画像あり)


 今日もボス戦のことがあったので、売上やアイテムの確認がまだ終わっていません。

 寝る前に、明日の準備もしておかなければなりません。


 まずは今日の売上の確認です。

 今日は、ベイルさんが武器を買われたのと、マップが幾つか売れたので、売上は合計で72,350Gとなりました。


 そして今日の買い取りについてですが、実は初めてのアイテムがあったのです。

 中級ダンジョンのアイテムがあったのですが、急いで調べたいアイテムでもなかったので……。


 これから確認します。


『アイテムNo.63 壊れた鍋のフタ・一個

 価格:30G 

……取手が壊れてさらにヒビまで入った鍋のフタ。

  鋳つぶして新たな商品にするしかない』


『アイテムNo.64 まがった鉄の棒・一個

 価格:20G 

……どうしようもない程まがった棒。

  鋳つぶして新たな商品にするしかない』


 ……でしょうね。想像通りでした。


 気を取り直して、買い取り金額の確認をすると、96,880Gでした。

 だんだんと金額が上がってきましたね~。


 でも在庫が増えてきたということは、逆にいろいろな売り出し方ができるということでもあるか……。

 この町だけでアイテムを消費するには限度があるか……。


 やはり、村々を回って商売している方々とのつながりを、早急に作るべきですね。

 違う町で売って貰うには、まだ在庫状況が不安ですしね。


 初級ダンジョンのアイテムの売り出し方は、だいたい決まってきています。

 しかし、まだ一つ『毒草』だけが売れていません。

 在庫が結構ある『毒草』の売り方を、考えなければなりませんね。


「ちょっと休憩しよう」


 のどが渇いたので台所に行き、水を飲みながら、何気なく窓の外を見ると、何かが飛び去っていきました。


 何でしょうか?

 コウモリ?

 でも何か違うような気が?


 ……考えても仕方ないか。


「さて、明日の準備をしておこう」


 明日はカインさんとベイルさんと共に、中級ダンジョンへ行きます。

 戦うのはお二人に任せて、私はマップ作製担当です。


 マップ作製に必要な筆記用具類を用意しておきます。

 あとは、失敗してもいいように、紙を多めに用意しておきましょうかね。


 二階の作業部屋にある机に向かい、何気なく窓の方をみると……。


「うわっ!」


 窓の外を飛んでいる生き物と目が合ってしまいました!


 ちょっと不気味ですが……かわいい?

 両手で包めそうな感じです。


 先程コウモリかと思ったのは、どうやらこの生き物のようです。

 窓の外からじーっと見つめてきます……。


 いや、そんなに見つめられても、どうしたらいいのやら……。


挿絵(By みてみん)



 しばらく見つめ合っていると、その生き物がコンコンと窓をノックしてきました。

 窓を開けて欲しいということでしょうか?

 大丈夫かな?


 まあ、この家はオーブで守られているので、滅多なことは起こらないと思いますが。

 少しためらっていると、もう一度コンコンとノックしてきました。


 意を決し窓を開けると、すぐに中に入ってきて、机の上に立ち上がりました。


 足があったのですね……。

 私が足を見ているのに気がついたのか、片足を上げて見せてくれました。


挿絵(By みてみん)



 ……鳥の足より細いですね。

 よくこれで体重が支えられますね。


「こんばんはー」

「! こんばんは」


 ビックリしました!

 しゃべれたのですね。


「くださいなー。くださいなー」


 ? なにが欲しいのでしょうか?


 体のどこからかお金を取り出し、机の上においてくれます。

 100Gですね……。


 これはもう、確実に魔物さんですね。

 さて、アイテムは全て一階に置いています。


「一緒に下に来てくれますか?」

「あいー。てー」


 て? ああ、手のことですね?

 どうやら、私の両手に乗せて運んでほしいようです。


 先に窓を閉めてから、両手に乗せて運びます。

 とても軽くてしかも……ほわっほわです。


 一階の店舗に連れていくと、すぐにお目当てのアイテムを見つけたのか、商品棚の方へ飛んでいきました。

 ……どうやら『毒草』がほしかったようです。


「いーい? たべていーい?」


 え? ここでそのまま食べるのですか?


「たべていーよ」


 なんだか私も口調が移ってきました。


 ほわほわの魔物さんは、『毒草』を持ってカウンターの上に降り立ち、おもむろに『毒草』を食べ始めました……。

 おそらく『毒草』を食べて体力を回復できる魔物さんなのでしょう。


 ……あれ?

 体がコロンと転がり、片足がピクピクと震えています。


「あ~、このしびれがたまらん」


 ……なんだか急におっさん臭くなりましたね。

 しびれるということは、体力回復できる魔物さんではないということでしょうか?


「大丈夫?」


 すぐにしびれは無くなったようで、声をかけると起き上がりました。


「体力が減ったんじゃないの?」

「だいじょぶー。かいふくー」


 どうやら回復したようですね。

 ……回復するのに、しびれるのですね。


「もういっこー」


 魔物さんはそう言うと、もう100G取り出しました。

 一体どこから出しているのでしょうか。


「はい、どうぞ」


 魔物さんは嬉しそうに『毒草』を受け取ると、あっという間に体のどこかにしまわれました。

 どういう体の作りになっているのやら……。


「かえるー」


 どうやら満足されたようです。

 ……お店の入口から出たいようですね。


 他の人に見つからないかな?

 心配なので、店の外の様子を見てからにします。


 ……よし、誰も近くにいないようですね。


「またくるー」


 静かに扉を開けると、魔物さんは帰っていきました。


「またのお越しをお待ちしています?」


 来ても大丈夫なのでしょうか?


 それにしても……。

 見たことの無い魔物さんでしたが、絶対にダンジョン関係の魔物さんですよね?


 あ、名前を聞いてみればよかった。

 また来るそうなので、今度は忘れずに聞いてみよう。




◇◇◇―――◇◇◇

◇◇◇―――◇◇◇



   40話終了時の在庫状況


☆初級ダンジョン


No.1 ゴミ・二十七個

No.2 薬草・二百八十六個

No.3 毒草・二百二十六個

No.4 蜂蜜・二百五十一個

No.5 リンゴ・三十八個

No.6 ミカン・九個

No.7 クッキー・二百十三個

No.8 クラッカー・九十七個


No.9 鉄のナイフ・二十八個

No.10 鉄の剣・二十二個

No.11 木の棒・三十八個

No.12 木の杖・三十三個

No.13 布の服・六十一個

No.14 皮の胸当て・三十六個

No.15 皮のブーツ・三十六個

No.16 皮のコテ・三十五個


No.17 白いブレスレット:攻・四十八個

No.18 白いブレスレット:魔攻・三十個

No.19 白いブレスレット:防・十九個

No.20 白いブレスレット:魔防・十四個

No.21 白いブレスレット:速・十四個

No.22 スライムの核・四百四十八個

No.23 魔物の肉・二百一個

No.24 魔物の骨・四百九十九個


No.25 魔物の皮・二百五十個

No.26 腐った食物・百二十三個

No.27 折れたナイフ・十四個

No.28 折れた剣・十五個

No.29 折れた棒・五十二個

No.30 破れた服・二十七個

No.31 壊れた防具・十二個

No.32 バラバラのブレスレット・十四個



☆中級ダンジョン 


No.42 大きな鍋のフタ・七個

No.62 壊れたイヤリング・十八個

No.63 壊れた鍋のフタ・一個

No.64 まがった鉄の棒・一個






読んで頂きありがとうございます。

ブクマと評価をありがとうございます。


これにて第一章が終わり、次は第二章……といきたいところですが、先に40話までのアイテム本の状況を載せてから、第二章に入る予定です。


それにしても……第二章に入ってから出るはずだった魔物さんが、フライング登場です。

出さずに話を書こうとすると、まったく文章が書けなかったので、あきらめて登場させてしまいました。


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