34 とりあえず今日最後の質問(画像あり)
後書きの最後にライムさんのイメージ画像があります。
そろそろ店を開けに帰った方がいいかとは思いますが、もう一つくらいなら質問しても大丈夫かな?
でもどうしよう……まだ聞きたい事がありすぎて、何から聞けばいいのか分からなくなってきました。
う~ん。仕方がない、思いつくままに聞くとしますか。
「そろそろ帰らないといけないので、最後に一つ『ゴミ』について聞きたいのですが……」
何なんでしょう? 私が『ゴミ』と言った瞬間、ゴブさんとライムさんがビクッとしていたのですが……。
「ま、まさかだー?」
「ポ、ポヨー?」
動揺していますね……。まさか開けてはいけなかったのでしょうか?
開けたのは私ではなくレオンさんなので……問題なしということで。
「なぜ、時間帯によって『ゴミ』の量が違うのでしょうか?」
いきなり中身について聞いたりしませんよ。
「そ、そっちだかー。びっくりしただー」
「ポヨー」
そこまで反応されると後で聞き難いのですが……。
「朝『ゴミ』が多く手に入るのはだー。昔の名残だー」
「ポヨー」
「昔の名残?」
「そうだー、まだアイテムの数が足りない頃のことだー。ボスの中のボスが言っただー」
「ポヨポヨー」
また出てきました! ボスの中のボス!
「朝アイテムが足らないことがあっただー。皆でどうするか相談してただー。そうしたらだー、ボスの中のボスから言われただー」
「ポヨー」
「何を言われたのですか?」
「その辺にある要らないモノを袋に詰めて出せと言われただー」
「ポヨー」
「……なるほど」
ゴブさん、ここまで話されてしまうと自然な流れで聞いてしますよ?
「それで、糞を入れたのですか?」
「!!」
「!!」
ゴブさんとライムさんが固まってしまいました。
……すみません。いきなりすぎましたかね?
「あの、私が開けて中身を確認したのではないですからね?」
「!!」
「!!」
さらにショックを与えてしまいました……すみません。
でも、いつかはバレるものと諦めて下さい。
「勇者がいただー! 中身を確認した後はどうしただー?」
「ポヨー!」
あれ? 思っていた反応と違います。
なんだか感動しておられるようです。
「えー……中身を確認された方は、中身を畑の肥料にできないかと研究しておられます」
「だーー! 感動しただーー!」
「ポヨー! ポヨーー!」
ど、どうしたのでしょうか?
そんなに凄いことだったのでしょうか?
「魔物は要らないモノなど持ってないだー。あれは苦肉の策だー。そして大量にあるだー!」
「ポヨー!」
なるほど。これはもしかして……。
「昔と違い、今では数々のアイテムが大量に余っているのですよね?」
「そうだー」
「ポヨー」
「もしかして、こちらでも『ゴミ』の処理に困っているのですか?」
「そうだー!」
「ポヨー!」
はは……そうですよね。
普通は『ゴミ』を持ち帰りませんからね。
大量に余っているのでしょうね。
「これは大事なことだー。『ゴミ』は何とかなるだー?」
「ポヨー?」
うう……そんなキラキラした目で見つめられても困ります。
「あの、まだ研究している最中のようで、肥料はできていないようです」
がっかりさせてしまうかと思ったのですが、ゴブさんは何やら考え込んでおられます。
その頭の上では、ライムさんが体をひねっておられます。
「おそらくだー、そのままだと無理だー。処理してしまっただー」
「ポヨー」
え? 処理した?
ひょっとして……。
「食べ物が腐らないのと同様に、『ゴミ』も処理してしまったのですか?」
「そうだー。何も考えずに処理してしまってただー」
「ポヨー」
ということは、このままでは糞のままで肥料にならないと……。『腐った食物』を混ぜようが何も事態は変わらないと……。
「……どうしましょう?」
「……聞いてみるだー」
「……ポヨー」
なんと、協力してくれるという事でしょうか?
「しばらくして来るだー。どうするか聞いておくだー」
「ポヨー」
「……よろしくお願いします」
おそらく、ボスの中のボスさんに聞いてくれるのでしょう。
私には無理なので、ここはお任せします。
それにしても、マザーの処理というのは凄いのですが、凄すぎるのも困りものです……。
あれ? ということは……。
「そこまで処理が凄いなら、処理しているはずの武器や防具が壊れるのはどうしてですか?」
「それはだー。コッソリ壊れたのと入れ替えているだー」
「ポヨー」
ええ! まさか……。
「ダンジョンの中で、武器や防具が壊れるような行動があった場合、壊れたアイテムと入れ替えているという事ですか?」
「そうだー」
「ポヨー」
「それってもしかして、中級ダンジョンにいる魔物さんが?」
「そうだー。全てのダンジョンにコッソリいるだー」
「ポヨー」
「すると、武器や防具が本当は壊れないという事ですか!」
「そうだー。おそらくそういうことになるだー。ただマザーとは違う保存処理をしているアイテムもあると聞いたことあるだー。そこまでは分からないだー」
「ポヨー」
そうか……。なんだかもう情報過多です。
頭の中を整理しないとこれ以上は無理です。
続きはまた後日ということで。
「ありがとうございました。そろそろ帰らないといけないので」
「分かっただー。また来るだー」
「ポヨー」
ゴブさんとライムさんが温かく見送ってくれました。
本当に親切な魔物さん達です。
今度来るときもまた何か持って来て、感謝の気持ちを伝えたいです。