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32 謎から謎が発生

 

 おはようございます。

 朝食を食べたらすぐに出発をと思ったのですが、先に開店の準備を済ませてからにします。


 よし、これでギリギリまでゴブさんに話を聞くことができるぞ!



 ◇◇◇



 地下五階の目的の場所まで最短距離でやって来ました。

 すぐに部屋へは入れたのですが、何だが忙しそうです。


「ちょっとそこで待つだー」

「ポヨー」


 ゴブさんとライムさんの声が部屋の奥から聞こえてきたので、気持ちは焦りますが椅子に座って待つことにします。

 チラッと様子が見えたのですが、『ゴミ』出しをしているような気が……。


「待たせただー」

「ポヨー」


 大分待たされるのではないかと心配でしたが、そこまで待たされる事無くすんで一安心です。

 相変わらずライムさんはゴブさんの頭の上におられます。


「早朝から来てすみません。いろいろ聞きたい事があったので。時間は大丈夫ですか?」

「もう大丈夫だー。後は弟達がするだー。何が聞きたいだー?」

「ポヨー?」


 弟達?

 ゴブさんはひょっとして長男なんでしょうか?

 ゴブリン兄弟……何人兄弟なんでしょうか?


「ゴブさんは長男なんですか?」


 私が尋ねると、ゴブさんが首をかしげています。

 それに合わせて、なぜかライムさんの体も曲がっています。


「一番最初には生まれてないだー。今は一番上だー」

「ポヨー」


 なんだか兄弟についてはこれ以上は聞き難いな……。

 だけど何人兄弟か気になる!

 人数だけならいいかな?


「今は何人兄弟なんですか?」


 ゴブさんとライムさんがまた首をかしげています。


「十五以上はいたと思うだー。忘れただー」

「ポヨポヨー? ポヨポヨー?」


 そうですか。

 忘れるほどの人数……さすがゴブリンさん、子だくさんですね。

 なんだかライムさんも聞いて欲しそうな雰囲気なんですが……さすがにライムさんには聞きませんからね?

 スライムさん達の兄弟事情は、ゴブリンさん達の兄弟事情よりもさらに収拾がつかなくなりそうですからね。


 なんだか当初の予定とは関係ないことを聞いてしましました。

 気になって集中出来ないんだから仕方ない!

 ここからが本題です。

 まずは商売する上で重要な事から聞いていくことにします。


「ダンジョンで手に入れたアイテムは腐らないのですか?」

「腐らないだー」

「ポーヨー?」


「では『腐った食物』はどうして腐っているのですか?」

「腐った後に保存してるからだー」

「ポーヨー?」


 え? 腐った後に保存?

 ……っていうかライムさん、まだ聞いて欲しそうなんですが。

 そんなに体をひねって駄々をこねても駄目ですからね?


「ダンジョンのアイテムは劣化しないように保存しているけど、腐ったり壊れたりしたアイテムはその状態になってから保存したということですか?」

「そういうことだー」

「ポヨー」


 あ、ライムさんが諦めてくれたようです。

 腐ったり壊れたりした状態で保存ということは、その状態からさらに劣化することがないということですね。

 このままでは土に戻ることがない……あれ? レオンさんの研究のヒントがここにあるのかも?


「マザーの処理能力にも限界があるだー。間に合わずに腐ったり壊れたりしただー」

「ポヨー」


 マザー? お母さん?


「間に合わずに壊れるのはなぜですか?」

「保存する前にぶつけて壊してしまっただー」

「ポヨー」


 なるほど。

 それにしてもマザーの処理能力?は凄いですね。


「保存状態は、どれ位持つのですか?」

「よく分からないだー。今ダンジョンで手に入るのは五十年前までの物だー。百年までは大丈夫と確認できてるだー」

「ポヨー」


 ……今何て言われました? 五十年前までの物?

 ちょっと知りたくない情報だったかも。


「マザーの事を聞いても大丈夫ですか?」

「マザーはライム達のマザーだー」

「ポヨポヨー!」


 なんだかライムさんが後ろに反り返っています。

 ……胸を張っているつもりなのでしょうか?

 それにしてもスライムさん達のお母さん?

 だからライムさん、スライムさん達の家族事情は聞きませんからね?


「そのマザーさんが、アイテムに劣化防止の魔法をかけているのですか?」

「魔法じゃないだー。マザーの体に放り込むだー。体から取り出したら保存完了だー」

「ポヨポヨー!」


 ライムさんが胸を張りすぎ? ゴブさんの後頭部の方まで反り返ってます。


「マザーさんの体に取り込むと、なぜ劣化しないのでしょうか? スライムさん達にはその様な能力があるのですか?」

「分からないだー。マザーは特別だー。他のスライムには無理だー。ボスの中のボスに聞くしかないだー」

「ポヨー」


 どうやらこれ以上はゴブさんに聞いても分からないようです。

 あ、いつの間にかライムさんが元の状態に戻ってます。


「それにしても、五十年前の物があるとか、百年は大丈夫とか、ダンジョンはいつからここにあったのでしょうか?」

「それは言えないだー。でも、かなり昔からあるだー。昔から人が来ないしアイテムを取らないだー。アイテムが大量に余っているだー」

「ポヨー」


 なんというか……聞けば聞くほど、謎から謎が発生していきます。

 いつになったらスッキリ出来るのやら……。


 はあ、少し気分転換してからまた質問することにしましょうか。


「ゴブさんとライムさんにサンドイッチ作ったのですが、食べられますか?」

「だー! 食べるだー!」

「ポヨー!」


 朝食を作る時、余分に作っていたのを持って来たのですが、喜んでもらえてよかったです。


「はい、どうぞ」


 サンドイッチを差し出すと、ゴブさんはすぐに両手に持って食べ始めました。

 ライムさんは体から触手のような手?を伸ばし、サンドイッチを絡め取り、体に取り込んでおられます。


 う~ん、何と言えばいいのか……。

 サンドイッチを縦に体に取り込んでいるので、ゴブさんの頭上にサンドイッチが直立しているように見えます。




遅くなりましたが、読んで下さりありがとうございます。

ブクマして下さった方ありがとうございます。


予定していた所まで話が進んでいませんが、あるキャラが原因です。

「だん町」において作者の思惑を外れて動くキャラが現在二名……。

とにかくその行動を書いてあげないと、なぜか一行も書けなくなるのです。

まあ、書いてて楽しいのでいいのですが。

ライムさん、あなたのことですよ!

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