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31 アイテムNo.42の性能

 

 現在、初級ダンジョンの地下十階にいます。

 シェイラとジンには『大きな鍋のフタ』を持っての戦いに慣れてもらっている最中です。

 鍋のフタとは思えない素晴らしい性能なのですが、どうしても見た目が……。

 はっ、危ない危ない。勧めておいて笑うことは許されません。

 お、スケルトン五人組の登場です。

 真剣な表情で『大きな鍋のフタ』を構える二人……。


「サラサ、一体だけ倒して!」

「了解! ファイヤー!」


 残りのスケルトンの攻撃を『大きな鍋のフタ』でうまく防ぎながら戦っています。

 怪我することも無く戦闘を終えました。


「よし、全部倒したな。これで実験できる」


 まずはジンが試してくれるようです。

 ジンの構える『大きな鍋のフタ』に向かって、ファイヤーレベル1を放ちます。


「じゃあいくよ! ファイヤー!」

「あつっ!」

 ガシャン!


 ファイヤーが『大きな鍋のフタ』に当たり、ジンはうまく天井方向に跳ね返したのですが、フタが熱をもったようで、思わず手を離してしまったようです。


「ジン、手をこっちに! おわっ、真っ赤になってる! ヒール!」


 シェイラがヒールを使えてよかったです。

 火傷も素早く治せました。

 持ち手の部分だけ別の材質というわけでなく、フタ全体が同じ材質でできていたためか、熱が持ち手のところまで伝わってしまったようです。


「サラサ、どうする?」

「このままじゃ無理だね〜」


 う〜ん、どうしようかなぁ。

 何かいい方法はないか……あ、そうだ!


「さっき手に入れた『魔物の皮』を取手に巻いてみたらどうかな?」

「ええ!」

「大丈夫なのか?」


 まあ驚くか。

 では衝撃の事実を二人にも教えてあげようではないか!


「大丈夫だと思うよ、だってこれドラゴンの皮だし」

「は?」

「またまた〜。なんでそんなことわかるの〜?」


 二人とも信じられないのかな?

 まあそうかもしれないので、防具屋のご主人の言葉を二人にも教えてあげました。


「はあ……サラサといると、驚くことだらけだよね〜」

「ドラゴンは脱皮をするのか……」


 二人とも何とか納得してくれたようです。

 早速、持ち手の所に『魔物の皮』という名のドラゴンの脱皮した後の皮を巻きつけました。

 ……ややこしい。


「よし、もう一度やってみてくれ」

「了解! いくよ、ファイヤー!」


 ジンが構えた所で再びファイヤーを放ちました。

 今度は何とか持ちこたえたようですが、手の甲が少し熱かったようです。

 こうなると、『大きな鍋のフタ』を持ったときに手の甲が当たる部分に『魔物の皮』を貼り付けるか、『魔物の皮』で手袋でも作った方がよさそうです。

 明日にでも防具屋のご主人に相談してみましょう。


「何とかなりそうでよかったね~」

「後はレベルを11にするだけだな」


 安心するのはまだ早いのですが、この調子でいけば問題ないでしょう。

 目途が付いてよかったぁ~。



 ◇◇◇



 初級ダンジョンから帰ってまいりました。

 残念ながらレベルは10のままです。

 やはりここからはレベルを上げ難いようです。


 さて、気持ちを切り替えて、寝る前に今日のお店の売上等の確認をしなければなりません。

 先程はレベル上げのためにダンジョンに行ったので、いつものような量のアイテムは手に入りませんでしたが、それでも三人で割ると一人5,902Gになりました。


 今日は結構売れたので、売上は54,630Gとよかったのですが、買い取りに60,549Gかかったので……。

 う~、目玉商品の『白いブレスレット』が売れればよかったのですが、今日は売れませんでした。


 今日来られた方は『白いブレスレット』に種類があることを驚いてはくれたのですが、買うまでには至りませんでした。

 中級ダンジョンへ行っている方にも買ってもらいたかったのですが、皆さんお金にあまり余裕が無いようです。

 下手をしたら、初級ダンジョンに行っている人の方が買ってくれるかも……。

 早急にアイテムマップを作ることの意義がよく分かりました。


 さて、明日のことも考えないといけませんね。


 明日は開店前にゴブさんの所に行きます!

 これは決まりです!

 色々と聞きたい事はあるのですが、何から聞くべきか……。


 そういえば、ダンジョンで手に入れた食べ物は全く傷みません。

 腐らないのですが『腐った食物』というアイテムはあります。何故なのでしょうか?

 ああ、また新たな謎に気付いてしまった!

 気になる~!

 とにかく、思いつくままに聞いていくしかありません。

 まずはお店を経営する上で必要な知識から確認していくべきかな?


 ゴブさんの所に行く以外にも、防具屋のご主人に『大きな鍋のフタ』についての相談をしなければなりません。

 今日の様子を見た感じだと、昼食後すぐに行くのがいいかな?


 明日は忙しいですね。忘れないようにしなければ。


 目玉商品も考えねばなりませんが、どうしましょう……。

 う~ん。

 取り敢えず、何か良い案が閃くまで今日と同じままにしておきましょうか。


 売上を上げるなら、また別の手を考える必要があります。

 最終手段 ーーお父様に泣きつくーー は使いたくないので、自分で売り先を開拓していかねばなりません。

 どうするか……。


 初級ダンジョンで手に入る、食べ物関係のアイテムは手に入り易いので、これの売り先を増やした方が良いような気がします。

 そういえば、以前ニコラさんが宣伝してくれた関係で来られた方がおられましたね。

 その方と連絡が取れたらいいのですが……。


 まだそう日も経っていないので、まだ近隣の村を回っておられるかもしれません。

 連絡が取れるか確認してみましょう。

 いざとなれば、ニコラさんに手紙を言付ければ何とかなるかな?


 まだまだ考えたいことはありますが、これ以上は考えすぎて寝られなくなりそうです。

 もうこれくらいにして、着替えて寝よう。




ここまで読んで頂きありがとうございます。

シリーズ化みたいなことをしてますが、シェイラとサラサの絵を描いたものです。

イメージを壊したくない方は見ない方がいいかもしれません。

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