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25 アイテムマップ作製の依頼


 ステラさんが帰られて間もなく、今度はカインさんとベイルさんが来られました。


「どうかされましたか?」


 思わず尋ねてしまうほど、今日のお二人は朝からすでにお疲れのようです。


「いや……まあちょっとね」


 カインさんが何か言おうとするのを、ベイルさんが横で止めています。

 騎士団の方で何かあったのでしょうか?

 どうやらあまり聞かれたくないようなので、これ以上は聞かないことにします。


「実は、アイテムマップのことでお願いしたいことがあるんだが……」


 カインさんは言いにくいのか、言葉を濁しておられます。

 そういえば、昨日カインさんがアイテムマップを買われていましたね。

 アイテムマップに、何か問題でもあったのでしょうか?


「我々と一緒に、ダンジョンに行ってもらえないだろうか? できれば次の店の定休日にでも」


 ベイルさんが、何やらとんでもないことをおっしゃっておられます。

 私が騎士の方と一緒にですか?

 いったい何事ですか?


「私が一緒に行っても、足手まといになるだけだと思うのですが……」

「ああ、言い方が悪かったかな。我々が一緒にダンジョンに行くので、中級ダンジョンの方のアイテムマップも作って欲しい」


 ……なるほど。

 ベイルさんの言いたいことが、だんだん分かってきました。

 私が自力で作るのを待っていられないと言うことでしょう。

 魔物はカインさんとベイルさんが倒すので、私はアイテムマップの作製に集中して欲しいという事なのでしょう。


「アイテムマップを急ぐ理由でもあるのですか?」


 答えてもらえないかもしれませんが、とりあえず聞いてみます。


「あると言えばあるし、無いと言えば無い」


 ベイルさん……意味が分からないのですが?


「まあ要するに、中級ダンジョンからのリタイヤ組を出さないようにするためだな」


 カインさん、簡潔な説明をありがとうございます。


 そうか……確かに中級ダンジョンにはあの魔物もいることですし、心が折れやすいのかもしれません。

 それに、ダンジョンの魔物を倒すだけではお金に困るのかもしれません。


 実際に中級ダンジョンに行くとなれば、アイテムを腐らせたり壊したりする魔物の対策も考えねばなりませんね。


「中級ダンジョンに行くのは構いませんが、私はまだ初級ダンジョンのボスを倒せていません。次の定休日には、まだ中級ダンジョンには入れないかもしれませんよ?」


 中級ダンジョンの中へは、初級ダンジョンのボスを倒していないと入れません。

 ……そういえば何故入れないのでしょうか? これもゴブさんに聞いてみたいですね。


「その時は、まず初級ダンジョンのボスを倒しに行こう。中級ダンジョンはそれからでも大丈夫だ」


 カインさんがそう言われるので、次のお店の定休日に中級ダンジョンへ行くことにします。


「分かりました。中級ダンジョンのアイテムマップを作製しに行きましょう」


 私がそう言うと、二人ともホッとしたのか、笑顔が戻ってきました。


「ありがとう。我々はその日、朝食後からなら動けるがどうだろう?」


 ベイルさんがそう言われるので、朝食後から行くことになりました。

 ただ、一日中ダンジョンに籠もる事はせず、きりの良い所までで一旦外へ出るということにします。


「これで、中級ダンジョンへ行っている冒険者達も大分助かるはずだ。ありがとう」


 カインさんは爽やかな笑顔でそう言うと、ベイルさんと一緒に帰っていかれました。



 その後、入れ替わり立ち替わり奥様方が来られました。

 皆さん、この南広場付近に住んでいる主婦の方々です。


 アイテムを一つ買われるのですが、皆さん私の顔を見て、ウンウンと頷いて帰られます。

 ……この方々はひょっとして、ステラさんが言われた皆さんではないでしょうか?

 すでに七人程来られたのですが……。


 はぁ……人数を数えるのはやめて、気にしないことにします。


 昼食後も何人か奥様方が来られ、私の顔を確認後、アイテムを一つ買って帰られました。


 もちろん他にもお客さんは来られました。

 中には、まとめ買いをして下さった方もおられます。



 奥様方の来訪が落ち着いてしばらくすると、再び三人組がアイテムを売りに来ました。


 アイテムを確認したところ、地下四階のアイテムもありました。順調に進んでいるようでなによりです。

 帰りはまた、ダン君を引きずって帰って行きました。

 毎日引きずられているようなので、ダン君の靴底が少し心配です。




 そして、閉店前になると、シェイラとジンがアイテムを売りにやって来ました。


「やっほー、レベル10になったよー」

「やっと魔法が使えるようになりました」


 どうやらレベルが上がり、二人とも魔法が使えるようになったようです。


 魔法は一人四種類使えるようになります。

 ただ、いつ使えるようになるかは個人差があります。

 使える魔法の種類も、人によって違います。


 シェイラは『ヒール』が使えるようになり、ジンは『風の刃』が使えるようになったようです。

 もちろん、どちらもまだレベル1の魔法です。


 レベル1から3の魔法は単体への魔法となり、レベルが上がるほど消費魔力が増え、威力も増します。

 魔法について調べたことがあるのですが、レベル4から6の魔法はエリア魔法となり、レベル7から9の魔法は全体魔法となるようです。

 もちろん、エリア魔法と全体魔法も、レベルが上がるほど消費魔力が増え威力も増します。

 さらにその上のレベルもあり、レベル12でMAXとなるようです。


 まだまだ先の話ですが、そこまで使えるようになってみたいものです。


「魔法が使えたなら、地下九階も大丈夫だったんじゃない?」


「いや~それが中々難しくてねー」

「始めはうまくコントロール出来なかったが、なんとか使えるようにはなった。ただ、風の刃がレベル1でまだ威力が弱いから、バタフライだと数回必要になる。そんなに魔力もないから、魔法を五回使うと魔力が空になる」


 おお、それは中々大変だ……ん? 五回しか使えない?


「今ジンの魔力はいくつ?」

「10だ」


「私だと、魔力が10あれば、レベル1の魔法は10回使えるよ?」

「サラサ凄いねー。やっぱり魔法の才能があると消費する魔力が違うんだねー。私もジンと同じだけ魔力を消費しちゃうよ」


 お互いの能力を確認したところ、三人で戦う時は今後も今までと同じように戦うことになりました。


 そうそう、次のお店の定休日に、中級ダンジョンへ行く件を話しておこうかと思います。

 どうせなら、初級ダンジョンのボスはこの三人で倒したいですからね。


 事情を説明すると、二人ともやる気が漲ってきたようです。


「では、三人でボスを倒せるよう頑張りましょう」

「おおー! ボスの情報集めとくね~」


 じゃあまた後でと、二人はお金を受け取って帰って行きました。





◇◇◇ーーー◇◇◇

◇◇◇ーーー◇◇◇



サラサ レベル9

  体力   90

  魔力   50

  物理攻撃 16

  魔法攻撃 19

  物理防御 16

  魔法防御 19

  速さ   17

  魔法 ファイヤー レベル3

     コールド  レベル3

     転移    レベル1


シェイラ レベル10

  体力   130

  魔力   10

  物理攻撃 24

  魔法攻撃 10

  物理防御 25

  魔法防御 10

  速さ   21

  魔法 ヒール レベル1


ジン レベル10

  体力   140

  魔力   10

  物理攻撃 25

  魔法攻撃 10

  物理防御 24

  魔法防御 10

  速さ   20

  魔法 風の刃 レベル1




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