24 アイテム五種が到達
新しく手に入れたアイテムの確認が終わったので、累計個数等の確認をしていきます。
今日はなんと、累計個数が百個以上になったアイテムが五個もあります!
早速、各アイテムを一個ずつアイテム本に置いていき、『毒草』『クラッカー』『スライムの核』『魔物の肉』『魔物の骨』をコンプリート状態にしました。
アイテム本の表紙裏には、まだ変化がありません。
一つの種類を多く集めても、百個以上はカウントしてもらえないので、ここからが大変そうです。
なにせ装備品類が、壊れた物も含めて手に入り難いのです。『ミカン』もですが。
ただし、壊れた装備品類については今後、中級ダンジョンへ行っている冒険者が売りに来られる可能性があります。
うーん、やはり買い取りがカギとなってくるのかな?
今人数は少ないですが、初級ダンジョンへ行っている冒険者も、いずれアイテムの買い取りを気にし始めるはずです。
持てる荷物には限りがありますからね。
アイテムマップを見て多くのアイテムが手に入れば、シェイラとジンのように持ち帰るアイテムを選ぶようになるはずです。
例えば、『折れた棒』を自分で手に入れて持ち帰るより『木の杖』を持ち帰って店で売り、『折れた棒』を買う方が断然お得ですからね。
特に手に入り難いアイテムなんかは、買い取り金額を上げてもいいかもしれません。
……商売が軌道に乗れば可能という事ですね。
それにしても、今日一日でいろんな事が起こりました。
その中でも、ゴブさん達の事は衝撃的でした。
今まで何とも思っていなかったダンジョンの中の常識が、不自然なものであったと気付いたのですから。
次に一人でダンジョンへ行く時のために、質問したいことを考えておこうと思います。
とは言うものの、『魔物の肉』がピッグの肉である件や『ゴミ』の中身が魔物の糞である件など、聞きたい事がありすぎてどうしたものか……。
まあ、今すぐ決めないといけない事でもないので、慌てずゆっくり考えることにします。
今日は朝が早かったのでもう寝たいところですが、シェイラとジン用に地下九階のアイテムマップを仕上げてから寝ようと思います。
◇◇◇
おはようございます。
昨日は色々あって疲れていたからか、目玉商品のことを考えるのをすっかり忘れていました。
朝食を食べている時にその事を思い出し、少し慌てております。
どうしましょう……。
初心者用三点セットはそのままにして、食べ物関係のアイテムのまとめ買いがお得なようにしましょうか?
現在の在庫状況なら『ミカン』以外なら大丈夫でしょう。
もうお店を開けないといけません。
ああどうしましょう……。
初心者用三点セットはそのままで、100G以上のアイテムを十個以上お買い上げで少し値引きとしましょう。
午前中の様子を見て、駄目なようなら変えることにしましょう。
店を開けてすぐに、リケットさんが来られました。
「おはよう、サラサちゃん。昨日、食べに来てくれてたね」
私も挨拶の後、昨日食べた料理がとても美味しかったことを伝えました。
「そう言ってもらえると嬉しいね~。実はお客さんが少しずつだけど増えてきてるんで、そのうち薬草を買う量を増やすかもしれないけど、大丈夫かな?」
とても嬉しい報告です。
「薬草なら大丈夫です。私もまた食べに行きますね!」
私がそう言うと、リケットさんはとてもいい笑顔で薬草を買って帰られました。
リケットさんの店が儲かれば、薬草を多く売ることができます。有難いことです。
リケットさんが帰ってすぐに、三人組がやって来ました。
「買い取りをお願いします」
昨日お店が休みだったので、ダンジョンに行く前にアイテムを売りに来たようです。
ルーク君が教えてくれましたが、斡旋所に事情を説明したら、アイテムバックを二日レンタルさせてくれたそうです。
もちろん、レンタル料は全額前払いです。
初級ダンジョンへ行く冒険者は、アイテムバックのレンタルは一日が基本なのですが、うちの店が休みの時は二日レンタルができるようになったそうです。
有難いのですが……いつの間にそんなことになったのでしょう?
昨日が初めての定休日だったのに、対応が速すぎるような気がします。
……まあ、困る事ではないのでいいですが。
「合計で11,005Gになります」
「おお、ありがとうございます!」
お金を受け取った後、いつものようにルーク君とコルト君がまだ何か言いたそうなダン君の両脇を持ち、引きずって帰って行きました。
「やっほー、来たよー」
三人組が帰った後、今度はシェイラとジンがやって来ました。
「はい、今回は一人8,994Gです」
二人に昨日のアイテム買い取り金を渡しました。
そうそう、アイテムマップの事を伝えねば。
「地下九階のアイテムマップができてるよ」
「さすがサラサ! 助かるよー」
早速、二人は地下九階のマップを買って確認しています。
昼食後から地下九階へ行くかどうかで悩んでいるようです。
魔法が使えないと、バタフライを倒すのに苦労しますからね。
どうやらレベルを10に上げてから地下九階に行くようですが、バタフライを倒せないときは無理せず逃げることにしたようです。
「今日の夜はどうする?」
ジンが今日の予定を聞いてくれたので、もちろんお願いしておきます。
三人で簡単に夜の予定を立てた後、二人は帰って行きました。
シェイラとジンが帰ると、今度はステラさんがやって来ました。
「おはよう、サラサちゃん。昨日は大丈夫だったかい?」
挨拶も早々に、ステラさんが私の心配をしてくれています。
「おはようございます、ステラさん。あの、大丈夫とは、何のことでしょうか?」
「いや、昨日大量の『ゴミ』を例の屋敷に運んでいたでしょう? しかも騎士の人がずっと一緒にいたようだし、一体何事かと皆心配してたんだよ」
……なんということでしょう。
そんなに注目されていたとは知りませんでした。
「いつも変な匂いがしている屋敷へ入って行くもんだから、それを見た人が大変だって騒いでねえ」
レオンさん……どれだけ周囲に迷惑をかけていたのでしょうか。
何か悪臭対策をしないといけないのでは?
「まあ、途中で別の騎士さんが来て事情説明をしてくれたから、その場はなんとかなったんだけどねえ。やっぱり本人から聞かないと心配じゃないか」
どうやら皆を代表して、ステラさんが聞きに来られたようです。
私がレオンさんの家の庭に入っている短い時間に、そんな騒ぎが起きていたとは……。
心配して下さるのは有難いのですが、何だかとても恥ずかしいです。
「心配して下さってありがとうございます。研究に必要なアイテムを大量に買われたので、それを持って行って庭に置いてきただけなので大丈夫ですよ」
「そうかい? それなら心配要らないと皆に伝えておくよ」
その皆とは、どれだけの人数になるのでしょうか? なんだか聞くのが怖いです。
私の顔を見て大丈夫だと納得されたステラさんは、明日買う予定の『蜂蜜』を六個注文されて帰られました。
明日22時更新予定。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
そして、ブクマ・評価して下さった方ありがとうございます。
いろいろと書き直したい衝動に駆られますが、ブクマをして下さっている方が一人でもおられる間は、完結を目標に書くことにします。