2 初級ダンジョンに到着
8月15日レイアウトの変更。内容は変わりません。
さて、初級ダンジョンへとやって来ました。
ダンジョンに入るのは、今回で二回目です。
初級は地下十階まであり、地上部分は、入口を入ったら小部屋があるだけで、すぐに地下一階へ下りる階段があります。
聞いた話ですが、ダンジョンの中で死ぬと、この入口の小部屋で復活するようです。
ただし、手に入れていたアイテムは、すべて無くなるようです。
なんでそうなるのでしょう? 不思議です。
ダンジョンの研究をしている人たちもいるようですが、まだ謎は解明されていないようです。
いくら復活するとはいえ、死にたくないので、ここは慎重に行くとしますか。
前回来たときは敵とほとんど戦わず、階段から近くてアイテムが手に入る場所三ヶ所を、ひたすら回りました。
階段を上り下りすると、アイテムや魔物もリセットされるようなので、それを利用したわけです。
前回倒した魔物は、青い小さなスライムを四匹程度です。なので、私はまだレベル2です。
初級ダンジョンのモンスターレベルは、地下一階がレベル1、地下二階がレベル2と、とても分かりやすくなっています。
今日の目標は、地下一階の地図を完成させ、レベルを3にし、アイテムを持てるだけ持ち帰ることです。
なぜか、一緒に階段を下りた仲間以外とは、基本的には出会わないようです。
これも不思議ですが、そのおかげでアイテムの取り合いにはならないので安心です。
地下一階へ下りる階段の前で、地図を書くための筆記用具を取り出し、階段を下りることにします。
◇◇◇
今、私は地下二階へ下りる階段の手前にいます。
地下一階はまだそこまで広くなかったので、地図もなんとか書き終えました。
地下一階では、アイテム入手場所が十ヶ所程ありました。
宝箱もありますが、草の陰や岩の隙間などにもあり、注意深く見ていないとうっかり見過ごしてしまいそうです。
手に入るアイテムは、主に薬草と蜂蜜とクッキーで、たまに装備品があります。
装備品も、すでに持っている物以外はありませんでした。
そして今回、新たなアイテム、栄えあるアイテムNo.1を手に入れました。その名も『ゴミ』……そう、謎のゴミです。
いったいこれは何なのでしょうか?
できれば持ち帰りたくありませんが、そういうわけにもいかないので、とりあえずポーチへしまいました。
なぜか臭いは無く、袋にも入っていたので大丈夫かと……。
アイテムについては、帰ってからじっくりと確認することにします。
地図を書きながらも、出会った魔物はきっちり倒していったので、現在のレベルは3です。
小さいスライムと小さいゴブリンしかいないので、炎の魔法のみでなんとか倒せました。
魔物も、一度倒すと階段で上り下りするまで出てこないので、ここで昼食を済ますことにします。
昼食後は、地下二階へいったん下り、すぐに地下一階に戻ります。
そして、また魔物と戦い、アイテムを回収しながら、地上を目指します。
◇◇◇
結局、疲れたので一往復で家に帰ってきました。
開店前に倒れるわけにはいきませんので。
夕食まではまだ時間があるので、アイテム確認と整理をしたいと思います。
まずは、ポーチから本を取り出します。
そして本の表紙をめくると、表紙裏に何やら文字が浮かんでいます。
「え! これなんだろう?」
よく読んでみると、どうやら新しい機能が利用できるようになったようです。
手に入れたアイテムの絵をさわると、そのアイテムの詳細が分かるようになりました。
おそらく、手に入れたアイテム総数が関係あるのではないかと推測します。
せっかくなので、ゴミを調べることとしましょう。
『アイテムNo.1 ゴミ・二個
……魔物が出したゴミを消臭袋に詰めた物。ゴミを袋から出すと臭いので注意。消臭袋のサイズは背負い袋の約半分』
なんなんだこれは……。
魔物は生活ゴミを日々出しているのでしょうか?
そして、消臭袋が利用できるかと思いきや、ゴミを袋から出すととんでもないことになりそうなので、結局どうしようもない。そして、かさばる。
「とりあえず、倉庫に入れておくしかないか」
問題を先送りにし、倉庫のすみに置いておく。
いずれ何とかしよう。
あと気になるのは、スライムとゴブリンを倒した時に手に入った『スライムの核』『魔物の肉』『魔物の骨』くらいかな。
他のアイテムはなんとなく分かる。
でも念のため、全部見ておくことにしましょう。
『アイテムNo.2 薬草・二十七個
……ダンジョンの中で育った薬草。苦みも無く意外と美味しい。体力を20回復』
『アイテムNo.4 蜂蜜・十八個
……ダンジョン産の、瓶に入った蜂蜜。スッキリした甘さでとても美味しい。魔力を10回復』
『アイテムNo.7 クッキー・十個
……ダンジョン産の、袋入り手作りクッキー。素朴な味でサクサクした食感。体力を10回復』
『アイテムNo.12 木の杖・二個
……建築用の木材で作った杖。以外と丈夫で敵を殴ることもできる。魔法攻撃に3プラス』
『アイテムNo.13 布の服・一個
……綿でできた服。あまり防御力はないが、肌に優しい。物理防御に1プラス』
『アイテムNo.14 皮の胸当て・二個
……ある魔物の皮を使った胸当て。丁寧に鞣しているので着心地が良い。物理防御に3プラス』
『アイテムNo.22 スライムの核・二個
……スライムの体内にある核。何か装備品が作れるかも』
『アイテムNo.23 魔物の肉・一個
……魔物の肉の一部分。とても臭くて食べられないが、きっと何かに使えるはず』
『アイテムNo.24 魔物の骨・一個
……魔物の骨の一部分。何か装備品が作れるかも』
なんだろう……このツッコミどころ満載の説明は。
それにしても、食べ物のクオリティーがすごい。
ダンジョンで手に入れたので、今まで敬遠して食べてなかったのが悔やまれる内容です。
この町の皆さんは知っているのでしょうか?
お店で売る前に味を知っておかねばなりませんので、蜂蜜とクッキーをそれぞれ一つずつ食べてみます。
誘惑に負けた訳ではありませんよ!
ぺろり、もぐもぐ……ごっくん。
サクサク、もぐもぐ……ごっくん。
結論から言います。
売るのが惜しくなるくらい美味しかったです!
目玉商品をどうしよかと悩んでおりましたが、これはもう決定です。
蜂蜜とクッキーしかありえません。
まだ明日一日あるので、これはぜひ、食べ物アイテム狙いでダンジョンに行くことにします。
アイテムの確認はこれくらいにして、今日は倉庫にしまっておきます。
明日の収穫次第で、店内のディスプレイが変わると思いますので、まだ並べれません。
夕食までまだ少し時間があるので、自分のステータスも確認しておくことにします。
装備品は全て外しておきます。
サラサ レベル3
体力 30
魔力 20
物理攻撃 4
魔法攻撃 7
物理防御 4
魔法防御 7
速さ 5
魔法 ファイヤー レベル3
まだまだレベルが低いのでなんとも言えませんが、ファイヤー以外の魔法も使えるようになりたいものです。
さて、これから夕食の準備です。
そして、食べ終わったら、今日は早めに寝ることにいたします。
明日は早めに起きて、アイテムを多く手に入れなければなりません。
もう少しレベルが上がるまでは、一人でダンジョンに行こうと思っています。
なぜ一人かというと、魔物を倒した経験値が全部入るからです。
ダンジョンに一度に入れる最大人数の四人で行ったとすると、少ない経験値が四人に分割されてしまい、レベルが上がりにくくなるからです。
できるだけ早めにレベル5まで上げて、せめて地下五階まではいつでも行くことができるようにしておきたいのです。
そこまでくれば、あとは斡旋所でその都度一緒にダンジョンへいく仲間を見つけることで、さらにアイテムも多く持ち帰れるようになります。
ということで、明日の午前中に、どれだけレベルを上げられるかがカギになります。