泣き虫の真実
アイスグリーン(白に近い黄緑)
アイスグリーンの瞳が涙で揺れる。泣き虫でごめんね、弱くてごめんね、と彼女は泣いた。そんなことない、君は強いよ。僕なんかよりもずっとずっと。気付いてあげられなくてごめんね。
でも僕はそれを告げることができなくて、それでも伝われと彼女を抱き締める。ちょっと苦しいくらいに抱き締めたら、この想いが伝わるだろうか。力一杯抱き締めたら、君に元気を分けてあげられるだろうか。音の出ないこの喉が、酷く煩わしい。
神様なんて人が本当にいるのだとしたら、何故彼女をこんなにも苦しめるのだろう。何故彼女を幸せにしてくれないのだろう。
僕の幸せを、全部彼女にあげられたら良いのに。僕の元気を、全部彼女にあげられたらいいのに。そうしたらきっと、彼女は笑ってくれる。彼女の代わりに僕が消えるから。だからどうか神様、彼女を救って下さい。僕は幸せになれなくていいから、彼女を幸せにしてください。
そう、どんなに願っても神様は叶えてくれなかった。僕の涙が彼女の頬に落ちて、徐々に冷たくなっていく体。最期に彼女が言った。泣かないで。彼女は消えた。僕は独りだ。
彼女と、バイバイ。