2.異世界へようこそ
はっ、
いつの間にか眠っていたみたいだ。スバルは素早く身を起こすと学校に遅刻しないため準備をしなくてはと考える。それにしても今日の夢は中々よかったなぁ~、春香と付き合えるなんて//最後はトラックに轢かれてスプラッタとかえぐかったからプラマイゼロかな?と考えていたらいつもと環境が異なることに気がつく。
まず、布団を見る。まだ春先だったので厚い掛け布団だったはずなのだけれど、薄く小汚い布に変わっている。敷布団はいつの間にかゴザ…ゴザってなんだよ。フローリングでも全然寝れるからあまり問題はないのだけど。
部屋の中を見回すと、明らかに自分の部屋ではなく小屋と表現するのがしっくりくるものだった。となりには見知らぬ子どもが3人ほど寝ている。どの子もこげ茶色の髪の毛をしていて、気持ちよさそうに眠っている。少しずつ年齢も異なるように見えるので兄弟か何かだろうと思われる。
ふと自分の手を見てみると…体が縮んでしまっていた!?(・□・;)
なんだか某少年探偵みたいな反応をしていまったが、どうやら子供の体になってしまっているらしい。体をよく見るとそこらじゅう包帯まみれで明らかに重傷者のそれだった。
スバルが放心していると父親と思われる人が子供たちを起こしにきた。スバルが目を合わせると驚いた表情をし、涙を流しスバルの体を抱きしめた。
「な、な…!?」
「ニル!!!よかった!本当によかった!うあぁぁぁぁぁ」
大の大人が嗚咽をあげながらも泣き叫び、その声で他の兄弟も目を覚ましていった。スバルは抱きしめられたことで怪我を負っている部分からの痛みが許容量を超え、意識を再び失った。
バナエ村。そこがスバルのいる場所のようだ。今度は無事に目を覚まし、村の医者に見てもらうことになった。この世界のことなんて少しも知らないので思い切って記憶喪失に成きることにした。実際ニルという少年になりすましたところでいずれバレる時は来るだろうし、わからないことを教えてもらえるに越したことはない。
両親の名前さえも覚えていないことに家族は嘆いていたが、医者の話では魔力の流れが一時的に乱れているから起こる記憶障害かもしれないと言われ一応は落ち着きを取り戻した。
しばらくは絶対安静と言われ、部屋に寝かされたスバルは一人思案する。
(魔力って言ってたな…ということはやはり地球とは違う世界なんだろうか?これからどうすればいいんだろう。あぁ春香に会いたいなぁ…)
バレンティン50号とか神すぎ…