愛されたいバレンタイン
妹
「初めて触れた時の大きな手と、優しい笑顔。太陽みたいにあったかくて、その時からずっと好きだったの」
妹「今年で結着つけて、前に進まないとね。
チョコ、受け取ってもらえるかなぁ」
S.E. チャイム。ドアを開ける音。
兄「ただいまー」
妹「お帰り、お兄ちゃん!」
兄「あれ?今日部活は?…ある日だよなぁ」
妹「今日は休みになったんだ。過半数の人が用事あってね。部活にならなくてさー」
兄「なるほどねー」
妹「お兄ちゃんは?大学大変?」
兄「そうでもないかな。勉強はそこそこ先まで進めてるし」
妹「サークルとか入らないの?」
兄「興味ある所ないしなー。
俺は興味ない事やるなら、家でのんびりしたいかな。
…ところでさ、部屋がやたら甘い匂いしてんだけど、何?」
妹「あ、そ、それね。
…えっと」
兄「ん?」
妹「こ、これ。作ったの!」
兄「え?
…あー、今日バレンタインかー」
妹「わ、私ねお兄ちゃんに言いたい事あるんだけど、聞いてくれる?」
兄「どうした?」
妹「私、ずっとお兄ちゃんが好きだったの。
今も好き…」
兄「え、あー!
ありがとうな。俺も好きだぞー」
兄、撫でるが、妹手を振り払う。
妹「違うの!…そうじゃ、ないの」
兄「な、なんだ?」
妹「違うんだ、お兄ちゃん。
私にとって、お兄ちゃんはお兄ちゃんじゃない…
ずっと大好きな、1人の男の人だったの」
兄「お前…本気か?
俺達兄妹だぞ?」
妹、兄の語尾に被さる感じで。
妹「血は繋がってないじゃん!
親が再婚したから、兄妹になっただけでしょ⁈」
兄「そう…だけどさ、うちが再婚家庭だなんて近所の人知らないだろ?
絶対、本当の兄妹だって思ってるぞ?
妹「それが?」
兄「それが?ってさ、お前、俺達が付き合ってるってバレたら、どんな目で見られるかわからないんだぞ?」
妹「何言われたって、関係ないもん!
何言われてもいい。お兄ちゃんの側に居られるなら、なんでも我慢できるくらい、好きなの…」
兄「…」
妹「…きっと、お兄ちゃんには迷惑な話だったよね」
兄「そんな事…!」
妹「(笑)だって、困った顔してる…」
兄「いや、あまりに突然だから驚いただけで…。
戸惑ってるっていうか、さ」
妹「戸惑う?」
兄「んー、色々さ。
俺と付き合って、後ろ指刺されてるの見るくらいなら、妹として接してあげてた方が、幸せになれるかなって、ずっと思ってたから」
妹「ん?え?
ちょっと待って。あれ?私頭混乱してるみたい…」
兄「(笑)だよな。
好きだったよ。俺も。
ずっと好きだったけど、傷付いて欲しくないから、黙ってようと思ってた」
妹「…ホント?」
兄「ああ。
…でも、本当にいいのか?
傷付く方が多いかもしれないぞ?
それでも俺でいいのか?」
妹「…いい。
お兄ちゃんと一緒なら、何言われても平気だよ。
側に居てもらえるなら、なんだって我慢できる」
兄「(笑)強いな、お前は。
…わかったよ」
間
兄「今日はありがとうな。
俺も、好きだよ。
付き合うからには全力で守るから、一緒にいて欲しい。
妹としてじゃなくて1人の女性として、ずっと隣にいてくれますか?」
妹、抱きつく。
妹「うん!
大好き!
約束だよ?ずっと一緒だからね」
キス。
兄「ああ。ずっと一緒だよ」
間
S.E.扉のノック音
妹「はい」
兄「準備出来たか?
…ボーっとしてどうした?今日の事、後悔してる?」
妹「そんなわけないでしょ?
思い出してたの。付き合い始めた時の事」
兄「お前から、告白されたんだよな」
妹「うん。お兄ちゃんも私の事好きでいてくれたんだって、嬉しかった」
兄「自分の気持ちは言わないで、墓場まで持っていくつもりだったからなー。
驚いたけど嬉しかったよ。あの時は」
妹「約束通り、ずっと守ってくれてありがとう。お父さんとお母さんに知られた時も、盾になって説得してくれたもんね」
兄「理論的に話せばわかってくれる両親で、助かったよ。
理解してくれた後は、色々フォローしてくれてありがたかったよ」
妹「感謝しかないよね」
兄「ああ…、そうだな」
妹「…親孝行、ちゃんとしてあげたいな」
兄「…1番の親孝行はさ、子供が幸せにこの先生きていく事なんだってさ」
妹「幸せに…?」
兄「そう」
間
兄「幸せにするよ。俺が、全力で」
妹「お兄ちゃん?」
兄「…ドレス、似合ってる。
神様の前に、お前に違うよ。
この先、何があっても一緒にいるから。絶対守っていくから。
一生愛し抜くと誓うから、隣にいてください」
妹「お兄ちゃん…。
はい。私も、お兄ちゃんだけを愛していきます」
兄「親以上にさ、幸せな家庭作ろうな」
妹「うん」
兄「…そろそろ時間かな?
一旦控え室戻るな。また式場で」
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(C),2020 sakura.




