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愛されたいバレンタイン

作者: 都桜ゆう
掲載日:2026/02/26

モノローグ

 「初めて触れた時の大きな手と、優しい笑顔。太陽みたいにあったかくて、その時からずっと好きだったの」


妹「今年で結着つけて、前に進まないとね。

  チョコ、受け取ってもらえるかなぁ」


S.E. チャイム。ドアを開ける音。


兄「ただいまー」


妹「お帰り、お兄ちゃん!」


兄「あれ?今日部活は?…ある日だよなぁ」


妹「今日は休みになったんだ。過半数の人が用事あってね。部活にならなくてさー」


兄「なるほどねー」


妹「お兄ちゃんは?大学大変?」


兄「そうでもないかな。勉強はそこそこ先まで進めてるし」


妹「サークルとか入らないの?」


兄「興味ある所ないしなー。

  俺は興味ない事やるなら、家でのんびりしたいかな。

  …ところでさ、部屋がやたら甘い匂いしてんだけど、何?」


妹「あ、そ、それね。

  …えっと」


兄「ん?」


妹「こ、これ。作ったの!」


兄「え?

  …あー、今日バレンタインかー」


妹「わ、私ねお兄ちゃんに言いたい事あるんだけど、聞いてくれる?」


兄「どうした?」


妹「私、ずっとお兄ちゃんが好きだったの。

  今も好き…」


兄「え、あー!

  ありがとうな。俺も好きだぞー」


兄、撫でるが、妹手を振り払う。


妹「違うの!…そうじゃ、ないの」


兄「な、なんだ?」


妹「違うんだ、お兄ちゃん。

  私にとって、お兄ちゃんはお兄ちゃんじゃない…

  ずっと大好きな、1人の男の人だったの」


兄「お前…本気か?

  俺達兄妹だぞ?」


妹、兄の語尾に被さる感じで。


妹「血は繋がってないじゃん!

  親が再婚したから、兄妹になっただけでしょ⁈」


兄「そう…だけどさ、うちが再婚家庭だなんて近所の人知らないだろ?

 絶対、本当の兄妹だって思ってるぞ?


妹「それが?」


兄「それが?ってさ、お前、俺達が付き合ってるってバレたら、どんな目で見られるかわからないんだぞ?」


妹「何言われたって、関係ないもん!

  何言われてもいい。お兄ちゃんの側に居られるなら、なんでも我慢できるくらい、好きなの…」


兄「…」


妹「…きっと、お兄ちゃんには迷惑な話だったよね」


兄「そんな事…!」


妹「(笑)だって、困った顔してる…」


兄「いや、あまりに突然だから驚いただけで…。

 戸惑ってるっていうか、さ」


妹「戸惑う?」


兄「んー、色々さ。

  俺と付き合って、後ろ指刺されてるの見るくらいなら、妹として接してあげてた方が、幸せになれるかなって、ずっと思ってたから」


妹「ん?え?

  ちょっと待って。あれ?私頭混乱してるみたい…」


兄「(笑)だよな。

  好きだったよ。俺も。

  ずっと好きだったけど、傷付いて欲しくないから、黙ってようと思ってた」


妹「…ホント?」


兄「ああ。

  …でも、本当にいいのか?

  傷付く方が多いかもしれないぞ?

  それでも俺でいいのか?」


妹「…いい。

  お兄ちゃんと一緒なら、何言われても平気だよ。

 側に居てもらえるなら、なんだって我慢できる」


兄「(笑)強いな、お前は。

  …わかったよ」



兄「今日はありがとうな。

  俺も、好きだよ。

  付き合うからには全力で守るから、一緒にいて欲しい。

  妹としてじゃなくて1人の女性として、ずっと隣にいてくれますか?」


妹、抱きつく。


妹「うん!

  大好き!

  約束だよ?ずっと一緒だからね」


キス。


兄「ああ。ずっと一緒だよ」





S.E.扉のノック音


妹「はい」


兄「準備出来たか?

  …ボーっとしてどうした?今日の事、後悔してる?」


妹「そんなわけないでしょ? 

  思い出してたの。付き合い始めた時の事」


兄「お前から、告白されたんだよな」


妹「うん。お兄ちゃんも私の事好きでいてくれたんだって、嬉しかった」


兄「自分の気持ちは言わないで、墓場まで持っていくつもりだったからなー。

  驚いたけど嬉しかったよ。あの時は」


妹「約束通り、ずっと守ってくれてありがとう。お父さんとお母さんに知られた時も、盾になって説得してくれたもんね」


兄「理論的に話せばわかってくれる両親で、助かったよ。

 理解してくれた後は、色々フォローしてくれてありがたかったよ」


妹「感謝しかないよね」


兄「ああ…、そうだな」


妹「…親孝行、ちゃんとしてあげたいな」


兄「…1番の親孝行はさ、子供が幸せにこの先生きていく事なんだってさ」


妹「幸せに…?」


兄「そう」



兄「幸せにするよ。俺が、全力で」


妹「お兄ちゃん?」


兄「…ドレス、似合ってる。

  神様の前に、お前に違うよ。

  この先、何があっても一緒にいるから。絶対守っていくから。 

  一生愛し抜くと誓うから、隣にいてください」


妹「お兄ちゃん…。

  はい。私も、お兄ちゃんだけを愛していきます」


兄「親以上にさ、幸せな家庭作ろうな」


妹「うん」


兄「…そろそろ時間かな?

  一旦控え室戻るな。また式場で」


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(C),2020 sakura.


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