41~50
..41 超ドリームチーム、初陣
「バレルオーグの魔導ゴーレム……噂に聞いたことがあります。おそらく、当時の王都を守るための自動防衛システムとして製造したのでしょう」
ルヴィノが解説した。
「魔王軍接近に伴う強大な魔力変動を外部からの侵略と誤認し、暴走を始めたのかもしれません」
「自動防衛システム……」
レナがつぶやく。
「本来なら魔王軍の侵攻に際して戦力になってくれたかもしれんな……いや制御できない以上、それを言っても仕方ないか」
俺たちはバレルオーグ王城の前に急行した。
数十体の金属製のゴーレムが地下から出てきて、王都を襲おうとしている。
「ちいっ、うじゃうじゃいやがる」
と、ガロウが舌打ちした。
ゴーレムの一体に爪を立てるが、甲高い音と共に火花が散るだけだった。
「硬ぇな、こいつら!」
「【雷光刃】!」
「【アイシクルランス】!」
レナの剣も、マルグリットの魔法も、ゴーレムの分厚い装甲に弾かれ、決定打にはならない。
逆に、ゴーレムの一体が振り回した鉄腕がボルガを吹き飛ばした。
「ボルガ王!」
「ぐっ……問題ねえ!」
平然と起き上がるボルガ。
さすがにドワーフの王は頑丈だ。
とはいえ、どうすればいいか――。
「――俺が行く」
前に出る俺。
「数が多いぞ。やれるのか?」
「まあ、たぶんな」
たずねるレナに俺は手を振った。
「とりあえず、やってみる」
その言葉を合図にしたかのように、数体のゴーレムがいっせいに向かってきた。
巨大な腕を振りかぶり、俺に殴りかかってくるゴーレムたち。
ばしゅんっ。
ばきいっ!
吹き飛ばされ、さらに腕がへし折れるゴーレムたち。
【カウンター】は相手の攻撃の威力が高ければ、それだけ反射の威力も増す。
まあ、俺の方である程度威力の調節はできるけど、今回は最大威力で返させてもらった。
ゴーレムたちは己の攻撃力をそのまま食らい、腕を壊してしまったわけだ。
「俺に攻撃すれば負ける――そういうことだ」
俺はゴーレム軍団に向かってニヤリと笑った。
後はその繰り返しだ。
俺はゴーレムたちの真っただ中へ悠然と歩いていく。
ゴーレムたちは殴りかかるたび、その力をまともに跳ね返され、吹っ飛ばされ、破壊されていく。
途中からゴーレムたちは肉弾攻撃をやめ、魔力弾などの飛び道具に切り替えてきたけど、かえって俺には好都合。
それらをまとめて跳ね返し、広範囲にわたってゴーレムたちを吹っ飛ばしていく。
「すごいでござるな……ジルダ殿一人で、あの軍団を圧倒している――」
背後で三日月の声が聞こえた。
「さすが勇者様~♪ さあ蹴散らせ、これが勇者の力♪ Y! U! S ! Y! A! 勇者パワ~!」
ローレライは応援歌を歌ってくれている。
いや、悪いけど、さすがにそれはダサいというか、センスが古いというか……。
応援してくれるのは、ありがたいんだけど……ね。
「おお、格好いいじゃないか! これはジルダも勇気づけられるだろう!」
と、レナが喜んでいた。
あ、お前もそっち側のセンスなんだ……。
..42 超ドリームチーム、完全勝利
とはいえ、ゴーレムたちの数は多い。
俺の【カウンター】はどうしても、相手の攻撃ありきで発動するから、こっちから積極的に倒していくことができない。
「みんな、手伝ってくれ!」
「がっはっは! 我らも勇者殿に負けておられんわ!」
ボルガが雄たけびを上げて突進する。
「へっ、俺も行くぜ!」
それに並ぶガロウ。
最強パワーを誇る二人の共闘で、ゴーレムを力任せになぎ倒していく。
「こんな連中――私の剣の敵ではない」
「拙者の前には止まって見える」
別の場所ではレナや三日月がその剣技でゴーレムを斬り裂いていく。
「やりましょう、ルヴィノ様」
「合わせてくださいませ、人の子よ」
さらにマルグリットとルヴィノが魔法攻撃を放ち、
「みなさん、がんばって~♪」
ローレライは全員のステータスアップ効果がある呪歌を熱唱していた。
「すごい――」
俺は息を呑んだ。
やっぱり、みんな英雄なんだ。
みるみるうちにゴーレムの数が減っていく。
――ほどなくして、俺たちはゴーレム軍団を制圧することができた。
あらためて英雄たちの実力を証明することができた一戦となった。
魔王軍との戦いの予行演習になったし、みんなの絆が深まったのが大きい。
「これで対魔王軍戦は万全だな」
レナが俺の隣に並んだ。
「皆、頼もしいよ」
「レナもな」
俺は彼女に微笑んだ。
「一緒にがんばろう」
「う、うむ」
俺が手を差し出すと、レナはなぜか顔を赤くして、その手を握り返してくれた。
ん、どうしたんだ……?
まあ、何はともあれ――。
「やるぞ……!」
俺たちは必ず魔王軍を撃退し、この世界を救ってみせる。
それから一か月――。
予言通り、ついに『それ』は訪れた。
魔王軍、襲来!
..43 魔王軍の侵攻、ついに始まる
るおおおおおおおおおおおおおおおんっ!
地平線の向こうから咆哮が響く。
すさまじいスピードで空中をまるで地面のように踏みしめながら、一直線に王都までやって来たそれらは――無数の魔獣の軍勢だった。
全部で百体は下らないだろうか。
「――来たか」
俺は城門の前に立ち、向かって来る魔獣たちを見据えていた。
王立魔法師団による【探知】で、魔獣軍団が王国に向かってくることは分かっていた。
俺はすぐに勇者としての出動を要請され、ここ――王国の東部辺境地帯にやって来たわけだ。
予言通り、この日に魔族は現れ、まっすぐ王国に向かっている。
対する俺たちはレナやマルグリット、ルシア、そして世界中から集まった英雄たちとともに、対魔王軍・超ドリームチームを結成し、こうして待ち構えている。
「さあ、いつでもこい――」
俺は闘志を高めていた。
もちろん、不安だってある。
これだけのメンバーが集まって魔王軍の尖兵に歯が立たなかったら……その後、世界は一方的に制圧されるだけだろう。
俺たちは、最初の防衛線であると同時に、実質的には最終防衛線に近いのだ。
「責任重大だな……」
俺はゴクリと息を呑んだ。
魔獣たちはここだけじゃなく、東西南北四方向から王国に向かってきている。
どうやら奴らの目的の一つが王都にあるらしいが――。
俺の体は一つしかないから、当然他の三カ所には手が回らない。
そこは王国から選りすぐりの精鋭部隊がそれぞれ防衛している。
レナやマルグリット、ルシアもそこに加わっており、他にもボルガ王やルヴィノたち各英雄がそれぞれの部隊に均等に入っている。
どのチームも複数の英雄が参加した最強レベルの部隊だ。
だから、他の三カ所は彼女たちに任せよう。
「俺は俺で、やれることをやらないと――な」
勇者としての初仕事が、いよいよ始まる。
「どいつもこいつもゲームの終盤で出てきた高レベルモンスターだな」
俺は目を凝らして敵の姿を確認する。
強力な炎のブレスを武器とする【サラマンドラ】。
即死級の毒を放つ【バジリスク】。
不死に近い回復力を備えた【ロードアンデッド】。
山のように巨大な魔兵士【ギガントデーモン】。
いずれも勇者やSSRクラスの強キャラをそろえないと、とても対抗できない面子である。
しかも、おそらくこいつらは本隊じゃないという話だった。
単なる斥候であり、今回の攻撃はいわゆる威力偵察。
やがて、さらに強大な本隊がやってくる――。
「なら、なおのこと、こいつら程度は一蹴しないとな」
俺は剣をだらりと下げ、いつも通りの自然体になる。
相手が誰でも、やることは同じだ。
俺は俺の最強の戦い方をするのみ――。
「さあ、攻めてこい」
俺は手招きして奴らを挑発する。
ぐおおおおおおおおおおおおおおおんっ!
その挑発が通じたのか、怒りの雄たけびを上げて魔獣たちが加速する。
そうだ、それでいい。
もっとも厄介なのは、攻撃の標的が分散することだった。
そう成ると、俺一人では防ぎきれず、被害が増えてしまう。
だから、『まず勇者を倒す』と奴らに目標を明確化させた。
あとは――俺の【カウンタ―】が勝つか、やつらの攻撃圧が勝つか、シンプルな勝負だ。
ごおおおっ!
まず【サラマンドラ】が炎のブレスを吐き出した。
「火で来るなら――」
俺は迫りくる火炎を見つめ、言った。
「氷で返す。有利属性で対処するのはゲームの基本だからな」
この一か月間、俺は何もしていなかったわけじゃない。
いつもの模擬戦に加え、【カウンタ―】のさらなる進化を目指して試行錯誤していた。
訓練の中でスキルポイントが溜まっていった結果、スキルの新たなバリエーションとして身に付けた技がいくつもある。
これはそのうちの一つ――、
「【属性変換反射】発動」
かききききききんっ!
俺の前方で炎はあっという間に凍り付き、さらに無数の氷の槍と化して【サラマンドラ】に向かっていく。
炎の竜は、氷に弱い。
【サラマンドラ】はなすすべなく串刺しになり、その巨体が倒れ伏した。
..44 反射無双(後半レナ視点)
さらに他の【サラマンドラ】も順番に氷の槍で撃破していく。
次に押し寄せてきたのは巨大な毒トカゲ――【バジリスク】だ。
個体数が少ない【サラマンドラ】と違い、こいつらは数十単位で一斉に押し寄せてくる。
「なら、かえって都合がいいな」
俺は自然体のまま。
先頭の【バジリスク】が毒の牙を俺に突き立てる――。
「【連鎖反射】発動」
こいつも新たに開発した【カウンタ―】のバリエーションだ。
一体目の【バジリスク】が繰り出した牙――そこに宿る毒を、まず一体目に反射し、さらに後方のバジリスクが繰り出そうとしていた毒牙に干渉し、そいつにも毒牙を反射攻撃。
さらに周辺にいる三体目、四体目――奴らが繰り出そうとしていた毒牙が次々に反射し、連鎖して周囲を巻き込み、あっという間に【バジリスク】は全滅した。
「あと二種類か」
俺は【ロードアンデッド】と【ギガントデーモン】を見据える。
すでに勝負あったも同然だった。
【ロードアンデッド】の腐食魔法を【属性変換反射】で聖なる魔法に変えて、奴らを滅ぼす。
アンデッドにとって聖魔法は容易に致命傷になるからな。
【ギガントデーモン】の巨大な拳や蹴りは【連鎖反射】によって、まとめて奴らに返っていき、そのまま全員を巻き込んで倒した。
――そして。
三十分にも満たない戦いが終わった後、すべての魔獣の躯が城門前の大地に横たわっていた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
城の中から情勢を見守っていた兵士や貴族たちがいっせいに歓声を上げた。
「ジルダ様! ジルダ様!」
「【跳ね返しの勇者】ジルダ様!」
「【跳ね返し】! 【跳ね返し】!」
「【跳ね返し】! 【跳ね返し】!」
ちょっと待って!? 二つ名が若干ダサくない!?
「……って、ツッコミ入れてる場合じゃないな。次のルートに急ごう」
他のルートは全部で三つ。
広大な王国の東西南北から、それぞれ奴らは攻めてきている。
俺は飛行魔法が使える魔術師に頼み、可能な限り高速で次のルートに向かった。
「無事でいてくれよ、レナ、マルグリット、みんな――」
そう願いながら。
※
SIDE レナ
ジルダが魔獣の主力部隊と一人で戦っていた同時刻、レナは騎士団や魔法師団の精鋭とともに、南ルートの防衛に当たっていた。
ぐるるるるおおおおおおおおおおおっ!
前方から無数の咆哮が響き渡る。
黒紫色の影が数十単位でうごめいていた。
そのいずれもが体長10メートル程度のドラゴンだ。
竜種としては小さな体だが、虚無のブレスを操るその戦闘力は最上位といっていい。
『帝王竜』とも呼ばれる【インペリアルドラゴン】だ。
「まだ幼体みたいだが、これだけの数で攻めてくるとは――」
レナがうめいた。
「カミーラ、騎士団のみんな。気を引き締めろよ」
「私たちもいるわよ、レナ姫」
マルグリットが彼女の側に並ぶ。
まだ学生とはいえ、天才の名をほしいままにしている魔術師の少女は、既に歴戦の猛者の貫録を備えていた。
その他の魔法師団員たちも、いずれも手練れ中の手練れ。
頼もしい戦友たちだ。
「相手は手ごわい……だが、お前たちと一緒なら乗り切れそうだ」
レナはニヤリと笑った。
「騎士団、前へ! 魔法師団は牽制と先制攻撃の魔法を頼む! 奴らの陣形が崩れたら――」
剣を抜き、構える。
「私が突撃し、片っ端から斬り倒す!」
「勇ましいのは結構ですが、一人で先走らないでくださいね、団長」
副団長のカミーラが苦笑交じりに言った。
「分かっている。ちゃんとみんなと連携するさ」
うなずくレナ。
「待って。竜種以外にも敵の反応があるわ」
マルグリットが言った。
「魔力で迷彩をかけて姿をくらましている――今、私が」
と、杖を一振りする。
ごうっ!
同時に空間が揺らぎ、何もない場所にスケルトンの兵士たちが現れた。
「【ロードアンデッド】の操る【ジェネラルスケルトン】――最上位のアンデッドたちね」
「ふん、帝王竜に最上位アンデッドとは、なかなか豪華なメンバーではないか」
レナが不敵に笑う。
「なればこそ、我らの真価が問われる戦いとなる! 矜持を持って進め! 私に続け!」
と、全員を鼓舞しながら走り出す。
「だから、無茶をしないで、と――まあ、士気を高めるためなんでしょうけど」
カミーラが追ってきた。
「これは王女としての務めであり、騎士団長としての務めでもある――ここは私が先陣を切る!」
言って、さらに加速するレナ。
得意の【縮地】で、まさしく瞬間移動したように【インペリアルドラゴン】たちの群れに突っこんだ――。
..45 姫騎士の戦い(レナ視点)
おそらくカミーラから見れば無謀な突撃に見えただろう。
だが、レナにとっては十分に勝算のある行動だ。
「君は以前の私の戦闘能力から『無謀』だと判断しているだろうが、今の私は――」
きいんっ!
先頭のドラゴンが振るった爪を、レナは剣で受け流した。
もちろん人間の腕力でドラゴンの一撃を受け止めることはできない。
パワーがあまりにも違い過ぎるし、相手は竜種最強クラスの【インペリアルドラゴン】である。
力の方向をわずかにずらし、いなす。
いわばレナ流の【カウンター】。
その技のイメージは、もちろんジルダとの対戦で膨らませ、体現したものだ。
戸惑ったように立ち尽くすそのドラゴンを前に、
「【雷光刃・改】!」
自身の速さを最大限に活かした奥義を放つ。
いや以前の【雷光刃】は単なる超速の斬撃だったが、これは相手の体勢を崩して防御を困難にしたところで叩きこむ、回避不可能の超必殺技へと昇華している――。
ざんんんんんっ!
稲妻のごとき斬撃は【インペリアルドラゴン】の巨体を真っ二つにした。
「一つ! さあ次!」
レナがさらに突っ込んでいく。
二体目の【インペリアルドラゴン】も、レナ流の【カウンター】から【雷光刃・改】で打ち倒す。
「二つ! まだまだ――」
さらに三体、四体。
たった一人の少女騎士が、次々と巨大なドラゴンを打ち倒していく。
うおおおおおおおおおおっ!
後方の騎士たちが歓声を上げた。
「やるな、レナ姫! ならばワシも!」
ドワーフのボルガ王が大斧を手に、ドラゴンやスケルトンに向かっていく。
さらにその後方の兵士たちも鬨の声を上げ、それに続いた。
レナが道を切り開いたことで、士気が爆発的に上がっているのを感じる。
「よし、高まった士気をさらに加速させるぞ――マルグリット!」
「準備万端よ、お姫様」
振り返ると、マルグリットが杖をかまえ、魔力のオーラをまとっていた。
「【テンペストフレア】!」
ごうっ!
杖から放たれた火炎が嵐のように吹き荒れ、【ジェネラルスケルトン】の群れの密集地帯で炸裂した。
スケルトン系は火炎に弱い。
しかもマルグリットが放ったのは、おそらく最上級呪文をアレンジしたものだろう。
上位モンスターである【ジェネラルスケルトン】たちが一たまりもなく、次々と爆散していく。
「――やるな」
レナはニヤリと笑いつつ、また一体、【インペリアルドラゴン】を斬り伏せた。
以前からマルグリットは天才の名に恥じない実力者だった。
だが、今の彼女の魔法はそのころよりさらに上回っている。
いかなる魔法も跳ね返してしまうジルダとの戦いを通じ、彼女もまた研鑽を積んだのだろう。
そしてレナ同様に、強くなったのだ。
彼との出会いが、強くしてくれた――。
「次はこれ――【ボルテックスボルト】!」
今度は稲妻が渦を巻くように収束し、【インペリアルドラゴン】を数体まとめて撃ち抜く。
まるで巨大な稲妻の矢だ。
指向性を持った雷と言ったところか。
「うかうかしていると、私が倒すべき敵がいなくなってしまうな」
苦笑しつつ、レナはなおもドラゴンたちを倒していく。
負けじとボルガ王も奮戦し、そんな彼女たちに触発されたように騎士団と魔法師団たちも連携し、敵を撃破していった。
レナやマルグリットのように単独で敵を倒すことはできなくても、陣形を組み、剣と魔法の力を合わせて、一体、また一体と屠っていく。
「いいぞ、みんな! もうひと踏ん張りだ!」
レナは剣を振るい、さらに周囲を鼓舞した。
姫騎士の凛とした戦いぶりが、天才魔法少女の圧倒的な魔法が、全員の士気をどこまでも上げ、そして――。
最後の一体が断末魔と共に倒れた。
静寂が訪れる。
後に残ったのは、レナとマルグリット、そして傷だらけではあるが、奇跡的に死者を出さずに済んだ騎士団と魔法師団の精鋭たちだけだった。
魔獣軍団、全滅――。
「私たちの勝利だ。みんな、よくやってくれた」
レナは全員を振り返り、笑みを浮かべた。
と、
「レナ、マルグリット、ボルガ王、みんな!」
向こうからジルダが走ってくる。
おそらく、彼も魔獣の主力部隊を撃破したのだろう。
「貴様に恥じない戦いができたぞ、ジルダ」
レナは笑みを深め、彼らの元に歩み寄った。
..46 大勝利の後で
北と西の辺境地帯から攻めこんできた魔獣退治は、それぞれルヴィノやガロウ、三日月、ローレライたち英雄陣が騎士団と魔法師団を率いて撃破していた。
で、最後に南ルートに来ると、ここはレナやマルグリットたちによって、同じく魔獣軍団を全滅させていた。
やっぱり英雄たちの超ドリームチームはすごい。
初戦は俺たち人間の完勝である。
「貴様に恥じない戦いができたぞ、ジルダ」
レナが笑顔で俺を出迎えてくれた。
「すごいな、レナもマルグリットもボルガも」
「あなたに負けていられないもの」
マルグリットがうなずく。
「当然の結果だ」
傲然と胸を張るボルガ。
「全員の勝利だ」
レナが誇らしげに言った。
「私たちだけではない。騎士や魔術師たちも奮闘してくれた。それは北や西も、そして貴様がいた東も同じことであろう?」
「そうだな。みんながいれば――魔王軍だって怖くない」
俺も三人に笑顔を向けた。
俺たちは王城まで凱旋した。
大勝利だ。
民衆は俺たちを称えている。
――と、そのときだった。
どごおおおおおおおんっ!
突然、爆発音が響く。
「今のは――」
俺はハッと周囲を振り仰いだ。
王城の近くから黒煙が上がっているのが見える。
「あの場所は!?」
まさか、とゾッとなる。
「ジルダ様!」
と、騎士団副団長のカミーラが走り寄ってきた。
もともと彼女は俺より上の役職だけど、英雄認定された今は、俺に対して敬語で話すようになっていた。
「カミーラ、今のはまさか」
「……はい、騎士団の第五宿舎に魔法砲撃を受けました」
「っ……!」
俺がいる宿舎だ。
そして、俺の同僚たちも。
「被害は?」
動揺を押し殺し、たずねる。
「分かりません。巻き込まれた者もいるかと――」
「くそっ!」
俺はたまらず走り出した。
「お、おい、ジルダ――」
「俺がまず行く!」
背後から声をかけるレナにそう答え、俺はさらに走った。
みんな、無事でいてくれ――。
仲間たちの顔を思い浮かべながら走り続けた。
宿舎の建物は原型と留めておらず、無数のガレキが周囲に飛び散っていた。
兵士たちが消火や救助に追われている。
と――。
残骸の中央に、何か図形が描かれているのを発見した。
「これは――!」
中心部に剣。
その周囲を覆うように逆三角形がある。
「魔王軍の紋章……」
さっきの魔獣以外にも魔王軍の襲撃があったのか?
ただ、周囲に魔族や魔獣の姿はないから、既に去った後か。
「いや、あるいは――」
これはメッセージだ。
次は本気でやるぞ、という。
魔獣を倒したくらいでいい気になるな、という。
「ちくしょう……」
俺は拳を握り締めた。
被害に遭った騎士たちの姿が見える。
負傷者は多そうだ。
たぶん死者も出ているだろう。
「戦争……なんだよな」
俺は暗く沈んだ気持ちになった。
分かっている。
戦争である以上、人死にが出るってことは。
分かってるけど、でも――。
「くそっ……」
握り締めた拳が、震える。
「ジルダ!」
と、レナが走り寄ってきた。
惨状を見て、表情を歪める。
「……!」
「レナ」
俺は彼女を見つめた。
「――俺、魔族を倒すよ」
許せない、と思った。
今まで以上に。
奴らは『敵』だ。
倒すべき敵なんだ。
胸の中でその気持ちが明確に彩られた。
と、
ごおおおおおおっ……。
突然、風が吹いた。
その風の中に、そいつはいた。
全身を黒いフードと全身を覆い隠す黒い外套。
「お前は、誰だ」
俺の問いにそいつは応じなかった。
「【跳ね返しの勇者】――か。なかなか面白い存在だ。だが、我ら【反射不能の軍勢】に通用するかな?」
その言葉とともに、黒フードの姿が薄れていく。
「一週間やろう。その間に降伏か、死か――選ぶがいい」
「答えは――これだ!」
と、レナが黒フードに斬りつける。
ばしゅっ……!
その姿が完全に霧散した。
どうやら幻影のようだ。
あるいは、あの紋章は俺たちに対するメッセージを残すための仕掛けを伴っていたのかもしれない。
「魔王軍からの挑戦状だな」
レナが俺に言った。
「これから奴らの攻撃は本格化してくるぞ。覚悟はいいか?」
「ああ」
俺は彼女に力強くうなずく。
「誰が来ようと――跳ね返して、倒す」
それが俺、ジルダ・リアクトだから。
「俺は負けない」
..47 反射不能の軍勢
一週間後――。
「……来たか」
俺は魔族の襲来を感じ取っていた。
【カウンター】の効能なのか、それとも俺自身の生物的な本能なのか。
禍々しい気配が王都に現れたのを感じる。
そして、その気配が王城に近づいているのを。
「ジルダ様、王都に高位魔族の気配が現れたそうです! 高速でこちらに接近中!」
と、数名の騎士が俺の元にやって来た。
「分かってる。いくよ」
すぐに俺は装備をまとい、城門の前に出た。
そこにはずらりと騎士団と魔法師団が並んでいる。
「ジルダ」
「ジルダ様」
団長を務めるレナと副団長のカミーラが俺を出迎えた。
「魔族の軍勢がここに迫っている。数は千を超えるそうだ」
と、レナ。
「中核は下位と中位の魔族だが、高位魔族も数体混じっている」
「高位魔族――」
魔族の中でも別格の強さを誇る、精鋭中の精鋭だ。
ゲーム内でも他のモンスターに比べ、異様に高いHPやMP、そしてすさまじい攻撃力に苦しめられたものだ。
「私たち魔法師団も全力を尽くすわ」
と、こちらは魔法師団の黒い制服を身にまとったマルグリット。
入団してからわずか一か月あまりの間に、猛者ぞろいの魔法師団の中でエース格の扱いを受けるようになっているそうだ。
さすがは魔法学院首席の天才といったところか。
「魔族との実戦は初めてなの」
と、マルグリット。
「未知の敵との戦い――また新たなデータが得られそうね」
「はは、お前らしいな」
魔族との戦いすら、彼女にとっては己の魔法を高めるためのデータ集めに過ぎないのかもしれない。
頼もしい味方だ。
と、
「――いけそうか、ジルダ?」
レナがたずねる。
「なんだよ、俺の実力は知ってるだろ? 不安なのか」
「……お前にだけ本音を言うが、少しな」
俺は驚いて彼女を見た。
常に泰然として百戦錬磨を感じさせる彼女でも――不安を感じることがあるのか。
「前回はバレルオーグを集中的に狙ってきた魔王軍だが、今回は違う。すでに世界のあちこちで同時侵攻が確認されている」
そう、初戦での完敗で向こうも本気になったんだろう。
つい数時間前、世界各地で同時に魔王軍の襲来が確認された。
バレルオーグに集まっていた英雄たちの超ドリームチームもいったん解散し、世界各地に散った。
だから、この国の防衛は俺やレナ、マルグリット、ルシアたちが中心だ。
もちろん彼女たちは強いけど、やっぱり前回に比べれば心細さは否めない――。
「私は王女であり騎士団長だ。仮に不安があったとしても、周囲にそんな顔は見せないさ」
レナがフンと鼻を鳴らした。
「……お前にだけ、特別に話したんだ」
「ありがとう。今のは俺の胸の中にしまっておくよ」
俺はうなずいた。
「いつも、そうやって不安を隠しているのか?」
「当然だ。それが上に立つ者の責任というものさ」
言って、チラリとカミーラを見る。
「私はそれを彼女から教わった」
「レナ様には最初からその資質が備わっていましたよ。あたしは少しだけ後押しさせていただいたのみです」
くすりと微笑むカミーラ。
応えるように微笑を返すレナ。
結構キツい性格の彼女だけど、カミーラの前ではこういう柔らかな表情を見せるんだよな。
きっと二人には深い信頼関係があるんだろう。
と、
「――来た」
俺はキッと前方を見据えた。
かつ、かつ、かつ……。
軍靴の音を鳴らして歩み寄る、影。
長い銀髪を揺らし、片目の周辺を仮面で覆った女魔族だった。
黒いローブの胸元には魔王軍幹部の紋章が刻まれている。
「私は【幻惑】のシャロル。魔王直属の六将【反射不能の軍勢】――その一人よ」
SSRキャラクターの一人『魔将シャロル』か。
ゲーム内に出てくるキャラだから、当然知っている。
その戦法も、な。
さらにシャロルの背後には千を超える魔族兵が控えていた。
ただ、全員がその場で動かずにとどまっている。
どうやらシャロルによって完璧に統率されているようだ。
単体の戦闘能力はもちろん、将としても卓越している――というわけか。
「では、始めましょうか? 【跳ね返しの勇者】さん?」
……やっぱり魔王軍にも浸透してるんだ、その名前。
..48 【幻惑】のシャロル
「みんなは下がっていてくれ。奴らはまず俺と戦うつもりらしいからな」
俺はいつも通り剣をだらりと下げた。
「レナ、他の魔族たちが散開したら騎士団の方で対応頼む。魔法師団にも」
「分かっている。残りは任せろ。悪いが、あいつはまず貴様に任せるぞ」
と、レナ。
その視線の先にはシャロルがいる。
「ああ。奴は俺が抑える」
俺は剣を下げたまま、無造作に進み出た。
「いつでも来い、シャロル」
その瞬間、
ずずずずずず……っ。
足元が揺れ始めた。
小さな揺れは、すぐに激しい地震となり、周辺の地面が割れ始める。
ぷしゅーっ!
そこから濃い紫の霧が吹きだした。
「……っ!?」
視界が一気に歪む。
何も見えない――。
「ふふ、違うわ。見えているはずよ……あなたには」
シャロルの笑う声が聞こえた。
すぐ背後から。
「……!」
反射的に振り返る。
本来なら俺は【カウンタ―】を備えているんだから、振り返る必要なんてなかった。
何せ体が勝手に反射で【カウンタ―】を繰り出してくれるんだからな。
にもかかわらず振り返ってしまったのは、この異様な雰囲気に呑まれたからだ。
「ここよ」
背後にはシャロルがたたずんでいた。
ごうっ!
差し出した右手から黒紫色の光弾を放つ。
その光弾に俺の【カウンタ―】は発動せず――。
どんっ!
胸を、貫かれた。
「っ……!」
一瞬、激痛が走る。
――いや、違う。
「幻だ……」
俺はキッとシャロルをにらみつけた。
「お前の攻撃は【幻惑】が主体。実体のある攻撃じゃなく対象に幻術でありもしないダメージを与えたように見せかけているだけ――」
「あら? 初見で見切ったの?」
そうじゃない。
俺はお前の戦術を知っているんだ。
ゲームで何度も戦ったから、な。
ただ、一つ問題がある。
奴の攻撃は俺の【カウンタ―】スキルでは対応できない。
何せ実際に当たっていないんだからな。
物理でも魔法でも、俺の肉体にはいっさい接触していない。
『攻撃』じゃないんだから【カウンタ―】の使用条件を満たさない――。
だけど、油断をすれば奴の攻撃に惑わされ、俺は幻の痛みを『本物』として認識し、ダメージを受けるだろう。
今までにないタイプの敵だ。
こいつがいずれ現れるであろうことは予測していた。
けど、有効な対処法を見つけられなかったんだよな。
それにしょせんは幻覚、そうと分かっていればダメージは受けないだろうと考えていた部分もある。
実際には、少しでも気を抜けば、それを『本物』として認識してしまう厄介な攻撃だったわけだが――。
「さあ、どうするかな」
俺はひるまない。
むしろ、心の片隅ではこの戦いを楽しむ自分を認識していた。
自分でもそれは軽い驚きだ。
異世界に来て精神がタフになったのか。
それともゲームの延長線上の感覚で、この戦いに臨めているのか。
どちらにせよ、俺はリラックスして相手の攻略法を頭の中で編み始める――。
「ふふ、打つ手がないという顔ね」
シャロルは余裕の笑みを浮かべた。
「さあ、苦しみなさい。あなたの【跳ね返し】は現実の攻撃に触れてこそ効果を発揮するのでしょう? 私はいわば、あなたの天敵よ」
「そいつはどうかな」
俺はニヤリと笑った。
..49 【幻惑】VS【カウンター】
「マルグリット、お前はどう見る?」
俺は後方に控えるマルグリットにたずねた。
やっぱり魔法に関しては、魔法の専門家に意見を聞くのがいいだろう。
「幻術の基本は魔力を周囲に飛ばし、幻像を見せることよ。術を発動すると、魔力の波が周囲に飛び交うことになるわ」
と、マルグリット。
「さっきの攻防見た限り、あの魔族の術も幻術の基本通りの術式だった……ならば、その波をあなたの【カウンター】で捉えることができれば、あるいは――」
「魔力の波……か」
それは貴重な情報だった。
奴が魔力の波を放出している――さっきまでは知らなかったその情報によって、俺は【カウンター】を発動できる。
まずは――魔力の波を感じ取ることだ。
俺は周囲を見回し、集中を高めた。
【カウンター】は攻撃魔法ならなんでも跳ね返せるけど、直接攻撃じゃない魔力の波まで跳ね返せるだろうか?
スキル効果の内容から考えると無理だろう。
けれど、解釈を拡大させてみる。
奴が放つ魔力の波は、最終的には俺への攻撃につながる『前振り』のようなもの。
直接攻撃ではないけど、広義では『俺への攻撃』とみなすことができるかもしれない。
「なら、それを――」
俺の【カウンター】で捉え、跳ね返す――!
「……そこだ!」
俺の中に新たな感覚が芽生える。
直接攻撃ではなく間接攻撃として定義した事象を跳ね返す、新たな【カウンター】効果。
その名も――。
「【幻術反射】!」
周囲の空気が変質するような感覚があった。
幻術を行使するために放たれた魔力の波が、そのままシャロルに跳ね返っていくのが分かる。
次の瞬間、
「きゃあああああああああああああああああああああああああっ!?」
シャロルが絶叫した。
おそらく自分が作り出した幻覚が、そのまま彼女に作用したんだろう。
どさり、と倒れるシャロル。
白目をむいて失神している。
「捕らえよ!」
レナが叫んだ。
「魔王軍の側近だ。貴重な情報源となろう。残りの魔族は全軍をもって殲滅! よいな!」
――そして、戦いは終わった。
残りの魔族はレナたち騎士団と、マルグリットたち魔法師団の連係によって掃討された。
もちろん、その中心で戦ったのは俺だ。
必殺の【カウンター】で押し寄せる魔族や魔獣を片っ端から撃破していった。
人間が相手の時と違い、反射した攻撃の威力を加減する必要はない。
俺は最大威力で相手の攻撃を叩き返し、次から次へと倒していった。
もちろん、レナやマルグリットたちも大活躍だ。
俺たちが力を合わせれば、魔王軍だって敵じゃない。
そう思わせる大勝利だった。
..50 魔王軍、第二陣
大勝利から数日後、早くも次の戦いが訪れた。
王城に魔王軍の第二陣が攻めこんできたのだ。
レナが率いる騎士団やマルグリットを擁する魔法師団がその大半を食い止めたものの、一部は防衛ラインを突破してここまで迫っていた。
そして、その軍勢の先頭にいるのは――、
「な、なんだよ、お前は……!?」
俺は戸惑い交じりにそいつを見つめた。
ざりっ、ざりっ……。
乾いた音とともに、黒い影が歩いてくる。
俺の前に立つと、まるで鏡に映したように俺と同じ姿勢を取った。
肩幅も、足の位置も、手にした剣の位置も。
すべてが俺と同じ。
「お前……は……」
いや、それどころか――。
逆光でよく見えなかった敵の顔が明らかになり、俺は息を飲んだ。
そいつは、俺自身だったのだ。
「【跳ね返しの勇者】よ……次に戦うべきはこの俺――すなわち『お前自身』だ」
機械的なエコーを伴った、冷ややかな声だった。
「俺自身、だと」
俺は右に動いてみた。
そいつも右に動く。
左に動けば、そいつも同じように動く。
剣を構えれば、そいつも剣を構える。
まさに鏡写しだ。
「どうした? 俺が怖いか?」
俺は返答しない。
ただ、考えていた。
こいつは俺をコピーした存在なんだろうか?
単に同じ姿をして、同じような動きを取る――だけじゃないだろう。
前回のシャロルは、俺が新たな【カウンター】に目覚めるまで、『反射不能』だった。
なら、こいつもまた別の『反射不能』の力を持っているかもしれない。
たとえば――、
「お前の使えるのか?」
俺は奴にたずねた。
「ほう?」
奴は感心したような顔だ。
どうやら、常時俺と同じ行動をとるわけじゃないらしいな。
俺は地面の石を拾い、軽く投げた。
すると、
かきん。
音が響き、石が俺に向かって跳ね返ってくる。
石は俺の胸元に命中した。
【カウンター】が発動しない。
「どういうことだ……?」
「ん? 知らなかったのか?」
そいつはニヤリとした。
「【カウンター】で跳ね返した攻撃に、さらに【カウンター】を使うことはできないんだよ」
「何……?」
「俺はこのスキルのことを何でも知っている。俺は――お前だからな」
緊張がこみ上げる。
汗が、頬を伝って滴り落ちた。
「こいつ――」
まるで敵じゃなく自分自身と戦っているような感覚だった。
相手がどんな攻撃を仕掛けても跳ね返す自信があるけど、その相手が自分自身なら話は別――。
最強の反射スキルを持っていても……相手も同じスキルを持っているんだからな。
さて。この難敵、どう戦うか――。
俺はめまぐるしく思考を巡らせる。
と、
「【跳ね返しの勇者】よ。お前の力をすべて見切らせてもらおう」
『俺』が動き出した。
次の瞬間、
どんっ!
俺は大きく吹き飛ばされていた。
「なっ……!?」
どうにか踏ん張る俺。
自動的に【カウンター】が発動しなかったってことは、今のは――俺が反射した攻撃を、さらに反射したのか?
だけど、今俺は奴を攻撃していない。
一体、どういうことだ……!?
「まだ二、三発は撃てそうだ。ほら、自分自身の『反射攻撃』を味わうがいい」
『俺』はニヤリと笑って、さらに撃ってくる。
どんっ! どんっ!
連続で吹っ飛ばされ、俺はその場に崩れ落ちた。
「がはっ……!」
内臓に重いダメージがあるのが分かる。
今までの戦いで、こんなふうに肉体に直接ダメージを受けたのは初めてだ。
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