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第08話 冒険者ギルドへ

主人公視点に戻ります。

街にはすんなり入る事が出来た。街の名前はキリスの街というらしい。身分証もなにもないので、ひやひやした。ましてや硬貨になるものもない。なので、魔物で支払う事は大丈夫なのかどうか訊いた所、大丈夫だったのだ。

ちなみに角うさぎの魔物10匹分だったので、通行料を払い街に入った。

登録料はやはりテイマーで仲間にした魔物も当然のごとく必要であった。

さらに街の冒険者ギルドで登録をすれば身分証になると言われた。ただ代金は当然かかるようだったので、その門番にその料金分の魔物をついでに置いていって金銭をもらっておいた。そこまで料金はかからないとのことだったので助かった。

街並みは中世ヨーロッパ風の建築ばかりだ。まさに異世界! 俺はまわりの建物に感動し、立ちすくんでいた。すると……


ザザザ……ザザ……


(ん? あ、あれ!? 転移 帰還 が消えてる!)


俺は焦ったが、よく考えてみると


「そういえば…試験的にどうとか最初の電話で言っていたような気がするな」


なにかあったのかな? まぁそのうちなおるよね? 元の世界に戻れるよね? と俺は楽観視していた。なんせ魔物は大量にアイテム袋にあるし、冒険者ギルドで換金しとけばとりあえずは当分大丈夫だと思っているからだ。しかも元の世界は時間停止しているから問題なし。


「どうした主よ? なにかあったか?」


「転移と帰還ができなくなった」


「ぷるぷるぷるぷる?」


プリンも心配してくれているようだ。顔に出たか? などと思っているとメールがきていた。


―――――――――――――――――――――

ちょっと不具合が発生しちゃって転移帰還が今

出来なくなっています。復旧作業中だけど、ど

うやっても駄目だったら復旧のお手伝いをそっ

ちの世界でしてくれないかな? その時は天使

を向かわせるので一緒に不具合の解消をしても

らえると助かります。   管理者(神)より

―――――――――――――――――――――


「あ、そのメールが今きた」


「おいおい大丈夫なのか? 我には世界がなんだといわれてもわからぬが」


「ま、今はあっちの人達が頑張ってるって感じ? だから気にしなくていいんじゃないかな?」


なんせ神なんだから、あっちは。

おじさんがどうのでできる話じゃないだろう。

ただ、あの気楽な感じの【☆】やら【◯◯だよー】がないのが気になる。


「それよりこっちでのやらないといけない事を先にしよう。冒険者ギルドに行くぞ」


場所は門番さんに聞いていて既に把握済みだ。着いた所は両扉で開けるような扉じゃなく、普通の扉だった。


「とりあえずギルドカード発行してもらうか」


中に入るとまだ夕方前なのだが鎧を着た人や魔法使いの様な人、獣人もかなりの人数が居た。ギルドの端っこの方に全身鏡が置いてあり、なにげに自分の容姿を確認することが出来た。


「おぉ! 今更だが、俺、かなり若返っている!」


「主よ? それはどういう意味だ?」


おっと。別に言ってもいいんだが、言ったら冷やかされそうだ。まだ黙っておこう。にしても俺の若い頃、それも18歳前後だろうか、今思うと多少幼い顔に見える。


「なんでもないよ」


そんな会話をしながら全身鏡から離れた二人と一匹は、誰にも気にとめられる事はなく、すんなりとギルドの受付まで来る事が出来た。


「冒険者ギルドへようこそ。ご依頼でしょうか?」


受付嬢の女性は綺麗な人ばかりなのは異世界でも共通だな。


「いや、冒険者ギルドに登録したいんだが……」


「これは失礼しました。登録ですね。ではこちらに記入してください。」


紙をもらい、俺は名前を記入する時にふと思った。


試験運用で不具合がまだあるこの世界。いずれ誰かが異世界に俺みたいにやってくる可能性もある。

て事は、本名をばばーん! と記入するのは野暮だ。名前は変えよう。元の世界でのゲーム専用の名前にしとけば大丈夫だろう。

名前はムクノキっと。なんてことはない。村木京介 の真ん中の文字2つ、つまりは木と京だけにして漢字一字にした読みだ。


「お主の名はムクノキというのか。」


偽名だがまぁヴァイスにはそういうことにしておこう。職業欄は……アニオタなんて書けるわけない。とりあえずテイマーっと。出身地の欄は空白にしよう。書けない。とりあえずこれで持っていってみよう


「はい。ありがとうございます。出身地が空白になっていますが、これはなんでなんですか?」


「村の名前を覚えていないんですよ」


「そういう事でしたか。それなら大丈夫です。まず、ランクは最初はFからとなります。討伐数や依頼をこなしていくとランクが上がります。AからFまでありますので、頑張ってくださいね。それではカードを発行してきますので、10分ほどお掛けになってお待ちください。」


待つ事数分。少し厳つい兄ちゃんが冒険者ギルドに入ってきた。


「最近は魔物が多いよなー。俺等冒険者は儲かって助かるがなー」


などと言いながら4人仲間と喋っているのを見ていると


「おいおいそこの兄ちゃん! 何見てんだ? お前まさか冒険者になろうとしてねーよなぁ?」


「え? 俺ですか? そうですよ? 今カード発行待ちですけど?」


「ぎゃははは無理だぜ? そんなひょろひょろな奴がなろうなんてよー? ちょっとお前訓練場に来いや。冒険者の厳しさを教えてやる。ちなみに俺のレベルは6でCランクだぞ?」


……は? レベル6でCランク。ちょっとヴァイスさんや? なんかおかしくないですかね? と目線をヴァイスに向ける。


「む、昔はレベル30なんてゴロゴロ居たはずなんだが…」


と言った後、耳と尻尾が少し垂れていた。あ、ちょっと触りたい。とりあえずそんな雑念は振り払い、俺は目線を戻した。こっそりあいつを鑑定してみたが、確かにレベル6だった。しかもスキルがしょぼい。力強化だけだった。


「あのー? 多分やめたほうが…」


「うるせぇ! 早くこい!」


と周りは俺とあいつとの会話を聞いていたのか、ぞろぞろと訓練場に入っていった。


「いや、お前ら暇人なのか!!!?」


「ま、今の主なら余裕だろう。我が出る必要もない。がんばれよ」


ヴァイスさんは傍観する気満々だった。プリンは……何を考えてるのかわからなかった。

それよりも何気に自分を鑑定したんだが、職業が変わっていた。


名前:村木京介ムクノキ

職業:冒険者【テイマー】

LV:16

HP:132 MP:56

ATK:86 DEF:42 MAG:35 SPD:42

スキル一覧

鑑定 アイテム袋(時間ストップ無限収納) 夜目 不眠不休 テイマー 種火(火魔法) オートマップ 無限異世界ボックス 能力2倍強化


さて、この絡んでくる冒険者、どうしようかな。


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