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第39話 魔物の大群リターンズ

この話に主人公は出てきません。

「我等の今の力は個々でも十分強いと思っておる。だが、我とプリンには強みはある。勝機がないわけではない」


「え? ドラゴンでもですか!」


「そうじゃ。我とプリンにはスキル【能力2倍強化】があるんじゃ。必要とあらば惜しみなく使うつもりじゃ」


このスキルを使えばドラゴンでも対等に戦えるとヴァイスは思っていた。


「プリンもドラゴンがもしここにやってくる事があれば我と共に協力してもらうぞ。封印していた2倍強化でのトルネードを使うかもしれんのぅ」


「わかったぁ~。主の家は守るよぉ~」


「ちょ、2倍強化のトルネードってなんですか! そんなにすごいんですか!」


「いや、ちょっと森が禿げかけたというか、なんというかのぅ」


ヴァイスは主と能力2倍強化の特訓をしていた時を思い出していた。あれはやばかったの。気をつけんとな。


「えぇええ……どんだけ強いんですかぁドラゴンって」


そう言っているうちにも魔物がかなりこちらにやってきている。今子フェンリル達は森のあちこちに散らばって警戒をしていた。その一匹がこちらにやってきた。


「わんわん」


「ふむふむ。なるほどのぅ。やはり森の奥からか。あそこはドラゴンの住処じゃからのぅ。魔物がドラゴンを怒らせたのかの」


「ここよりさらに森の奥って……あの、自分は役に立つんでしょうかね」


ウェスリーはもはや弱気であった。ようやくここら辺の魔物は勝てるようになってきたばかりであった。なのに、さらに森の奥の魔物がこっちにきている。ここを守るなんて自分には無理だと思っていた。


「ウェスリーよ。我等もおる。我が子もおる。ちゃんとフォローをしてやるから頑張るのじゃ。じゃが、ドラゴンがこちらにまで足を踏み入れてきた時は守りながら戦う事はできんくなるがのぅ」


「そ、その時は邪魔にならないように隠れてます!!」


さすがにヴァイスも冷や汗を垂らしていた。プリンはドラゴンの存在が少し怖いのか、ヴァイスにの近くで待機していた。


「我が子達よ。ここにも魔物がなだれ込んでくるだろう。警戒している我が子達をここに戻せ! なるべく急ぐのじゃ」


そして全員が再度集まって1時間後、それはやってきた。


「グギャギャギャ!!!」


「来たか。プリン! ウェスリー! 我が子よ。あんな魔物にやられるでないぞ! 回復はプリンに任せる! なるべくプリンはMPを温存しながら戦うんじゃぞ!」


「頑張りますよー! せっかくここまで家を作ったのにムクノキさんに見せずに壊されたらたまったもんじゃありませんからね!」


「「「「「ワンワンワン!」」」」」


第一波の魔物がとうとう自分達が住む森に入ってきた。子フェンリル達はいち早く荒らされては困るとばかりに魔物を倒しに向かう。そうして戦いの火蓋が切られたのであった。



**



「いくら森の奥の魔物といえど、ここまで逃げて来るのがやっとなのかわからんが、容易いのぅ。じゃが数が多すぎる!」


「キリがなさすぎて困るぅ~」


ヴァイスは獣に今は戻っており魔物の集団でも特に強い個体を狙って攻撃。一撃で絶命させていた。プリンは常に家の周辺で分裂しており、現在2体で戦っている。


「ウェスリー、体力が心もとない! 家の中で体を休めよ! この程度なら我等フェンリルだけでまだ余裕じゃ!」


「何言ってるんですか! ヴァイスさんが一番体力を温存していないといけないんですからね!」


ウェスリーは疲れてきた様子ながらもヴァイスを気遣っていた。目の前に来る魔物を、ここに来る時に持ってきた鉄の棒でひたすら魔物を叩き割っている。


「はぁっはぁっ。さすがに10日程度じゃレベルは上がっても体力がついてきませんね」


「そりゃそうじゃろうな。だが、まだまだ魔物は来るぞ! 我の事は気にするな! 三日三晩戦い続けても問題はない」


人間やドワーフと違ってヴァイスや子フェンリル、プリンは魔物だ。ある程度の持久戦など余裕である。


「で、でも。自分もまだまだ頑張りますよー! ヴァイスさんに鍛えてもらってましたからねー」


「プリンよ。まだ分裂しても余裕そうか?」


「ん~。無理かなぁ~」


さすがにこれ以上は能力が半減すると無理か。


「ウェスリーよ。無理はするでないぞ。我はもう少し奥深くまで行ってできる限り強い個体は駆逐してくる」


「は、はい!」


「プリンは引き続きここに来る魔物を倒してくれ。我が子達もまだまだ余裕そうだ。楽しそうにしておる」


「えぇえええ……さすがヴァイスさんの子ども達ですね」


「子どもと言えどもフェンリルじゃからのぅ」


そういうとヴァイスはさらに奥へと魔物の群れの奥に突っ込んでいった。


「まだまだいきますよー!」


ウェスリーはそれから半刻でついにダウンした。家で休んでいるウェスリー。ふと家の端っこをみると、そこにはボボンの実が。


「そういえば、この実の水分は美味しいんでしたね。みんなのためにも休んでる間はいつでも飲めるように準備しておきましょうか」


それはそれで休んでる事になってないウェスリーを知る人はいない。あまり休む事をしないウェスリーであった。



**



そしてそれから魔物が途切れた状態が半日続いたり続かなかったりを繰り返していた。


「主が帰って来れなくなって今は何日目じゃ、ウェスリー?」


「18日目ですかね? そろそろ戻ってきて欲しいですね」


「主ぃまだなのぉ~?」


「「「「くぅ~ん」」」」


森のみんなは主が帰る場所をまだ死守をする事が出来ていた。


「じゃが我が子らがちょっと疲れが出てきておるからのぅ。長引いておるからゆっくり休む暇もないからしょうがないんじゃが」


「そんな時はボボン水ですよー。皆さん飲んでくださいねー」


ウェスリーはみんなにボボン水をすすめていた。最初の魔物襲来から毎日のようにウェスリーは飲んでいる。少しでもみんなの役に立ちたいが為にだ。そして今、そのような状態でもなぜみんなが休んで居られるかと言うと


「あっ! はぐれたオークの集団発見ん! 数が少ないからプリン、駆逐してくるの~!」


プリンは分裂をして、分裂体でオークを倒しに行った。


「西の方にはオーガがいるー! こっちは分裂体2体で突撃―!」


最近はこんな感じで魔物を追い払っていた。さらに戻ってきた分裂体プリンにプリンはこう言う。


「次はあっちなのぉ~!」


プリンはその場を動かずして魔物を駆逐していたのであった。プリン恐るべし。


「我は楽が出来るからいいがのぉ」


ヴァイスは子フェンリルの為か、プリンには何も言わなかった。


そしてさらに日が経った20日目の事、それはすでに近くまで来ていたのであった。

今週も読んでくれてありがとうございました。また魔物の大群?だなんて思わないでくださいませ。来週からは主人公編に戻る予定です。

それでは明日からの三連休、皆さん楽しみましょう。

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