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第38話 それぞれは動き出す

この話に主人公は出てきません。

とある場所にて


「ちょっと! シルビア! こっちに来なさい!」


「なんですか創造神様? ようやく少しゆっくり出来ると思ってたのに」


「またおかしくなってるわよ! それと創造神って呼ばないで!」


……ピッ……ピッ……ピッ


【地球リンクと接続。接続しました。】


【異世界リンクと接続。接続が不安定です。再接続を試みます】


【地球と異世界とのリンクが弱くなっています】


【両世界でのスキル設定は正常です リンクの接続は不安定です】


【接続状態 アバター△ メール× 転移又は帰還△】


【世界を行き来するとアバターが損失する可能性があります。早急に修復をしてください】


「なんでさらにおかしくなってるんですか! 治したはずですよ!」


「そう言われても困るわよ!」


私とシルビアは揉めていた。


「あの人が転移をこの状態でしてしまったらやばいですね。魂は無事に転移出来るでしょうが、体は……」


シルビアに言われ、私はゾッとした。


「とにかくシルビア! もう一度あそこへ行って治してきなさい! 今回は結界も張って頂戴。それと、座標はきっちりメモしてあるからすぐに行けるはずよ」


「またですか。天使使いが荒いですね。わかりました。行けばいいんですね」


私はシルビアにもう一度、修復をする様に言った。


「って! あの人に連絡しておかないと! あれ? いない? どこ! もしかして……マジー! 地球に戻ってきてるじゃーん! 急いで電話しないと!」


私はなるべく気を落ち着かせた後、あの人に戻れない事を伝えたのであった。


「最悪の結果にならなくて良かったわ。でも、なんでまたこんな事になってるの? あそこは私達の存在の者以外は誰にも入れないところなはずなのに……」


考えても答えは出てこなかった。


「とにかく、せっかく安定して運用できてたのに……シルビア、頼んだわよ」



**



シルビアは異世界リンクの復旧で壊れた原因を突き止めるべく、その場所に降り立った。


「直にここに来れるのは大変楽ですね。魔物に襲われる事もなく来れるのは助かります」


前回はワイバーンに襲われたり、面倒極まりなかった。


「まずは修復の邪魔をされないように結界を張りましょうか」


シルビアは結界を四方5メートルにわたり張った。

ちなみにこの結界は神と天使しか黙認できない結界である。


「前回の完成形はすでにインプットしてあります。ここがこうで、ここがこう」


シルビアは前回の形を思い出しながら元に戻す作業をするのであった。それは開始からすでに5日が経過しようとしていた。



**



そして森ではヴァイス、プリン、ウェスリーは主が帰って行った後、ウェスリーのレベル上げと家の建築を総出でやっていた。


「ウェスリー、後少しレベルを上げればここの魔物には負けることはなくなるぞ。まぁ技術うんぬんは別じゃがのぅ」


「戦闘技術ばかりは長い時間、きちんと訓練しないと身につくものではありませんから。わかってますよ」


ヴァイスとウェスリーはレベル上げを続行していた。


「わんわん」


「フェルミよ。どうした? おぉ、木は集め終わったか。ならフェルミも見回りしてきて良いぞ。何? 森の魔物が少ない? わかった。注意して見回りをしてくれ」


その間のプリンはというと、ボボンの実を持ってきては家の中に置いてを繰り返していた。


「主はぁ、お水は沢山取ってきてたからぁ、取ってきてるのぉ♪」


そして、あっという間に10日間が過ぎた。だが、主が帰ってくる事はなかった。


「おかしいのぅ。10日経っても帰ってこんのぅ。はやく美味しい食事がしたいよのぅ」


「まだ帰ってこないのぉ~? 寂しいよぉ~」


「あっちで何かあったんですかね?」


「「「「クゥ~ン」」」」


3人と13匹は外装だけ出来た家の中で話あっていた。


「じゃがウェスリーよ。何かあったとて、いつでもこっちに戻って来れるんじゃぞ? 少しの時間ですら取れぬ程の事か?」


「あ、そうですね。そう言われると確かに」


「んん~?」


プリンは頭の上に?がたくさん浮いているようじゃの。


「これはあくまでも我の憶測じゃが、主は戻って来ないのではなく、戻って来れないんじゃなかろうかのぅ」


「えぇ! 戻ってこれないとかそんな事あるんですか?」


「前にもあったんじゃよ。不具合か何かで主は地球に戻れんかったんじゃ。その時は別に我もそこまで気にしてなかったが」


「そうなんですねー。そうなるとここに戻って来れるのがいつになるかわからないですね」


「だろうのぅ。主が戻ってるうちは地球の時間軸とやらも動いておるみたいじゃしのぅ。せっかくウェスリーは頑張って強くなったのに残念じゃのぅ」


どうしたもんか……魔物が少ない原因を探りたいのじゃが。

幸いなのはまだ食料は沢山あるから大丈夫だということだけかの。


さらにそこから6日経過した。森ではついにその異変が動き出した。


「!!! この嫌な感じはまさか! プリン、ウェスリー、我が子達よ我の元に集まれ!」


我の予感が正しければこの気配はまずい。我では勝てぬやもしれん。主よ。まだか!


「グォオオオオオオ!!!!!!」


遠くから凄まじい雄叫びが聞こえてきた。子フェンリル達は尻尾が垂れ下がってしまっていた。


「どこから聞こえてきてるの」


さすがのプリンも怖いのか少し震えていた。


「おそらく距離的にはまだ遠いじゃろう。だが、あの雄叫びのせいでここに魔物が押し寄せて来るかもしれぬ」


「えぇ! ど、どうするんですか?」


ウェスリーも震えを堪えきれずにいた。


「逃げたらここも潰されてしまうぞ? 我は逃げてくる魔物程度で倒される事はない。じゃが、あの雄叫びをした魔物だけは例外じゃ」


「そ、その雄叫びをした魔物って……」


ウェスリーは恐る恐る聞いた。


「ドラゴンじゃ。よりによってドラゴンとは。これまたやっかいじゃのぅ」


「ド、ドラゴンですか! 地上で最も強い生物ですよ!」


「じゃから例外といったじゃろぅ。我でも唯一ドラゴンには勝てぬからのぅ」


どうすれば……このままじゃ我の森が焼け野原になってしまう。だが主がここに戻ってくるんじゃ。なんとしても守らねば。


「たちまちは魔物じゃ! 大勢の魔物がやってくるかもしれん。ここは絶対死守するんじゃ! ドラゴンはここに来ないかもしれん。かもしれん事を考えても仕方がない。主が戻ってくるまでやれる事をやるしかなかろう」


ヴァイスはみんなを叱咤して鼓舞したのであった。

いろいろ変更してたら明日分がなくなってしまった。どうしよう

そして10万字突破。そんなに続けるあれじゃなかったのになぜだ

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