第36話 地球帰還
ちょっと短いです。
「整備はある程度やったし、やることなくなっちゃったな。ウェスリーがある程度ここで落ち着くまで居てもいいんだが、そろそろ一旦地球に戻って何日かゆっくりするのもありか? 地球産の食料も心許ないと言えばそうだが」
「主よ。それなら即座に地球に戻って食料を買ってくるのじゃ!」
「相変わらずブレないね。ヴァイスは」
「地球ってなんですか?」
俺とヴァイスの会話にウェスリーが入ってきた。
「簡単に言えば俺が住んでいる世界だよ。俺は異世界人なんだ。これも秘密な。で、俺の世界は人間と動物だけで魔物はいない。魔法もない。簡単に言えば技術が発達した世界かな」
「技術ですか! 見に行ってみたいですー!」
「俺しか戻れないんだよ。逆にヴァイスやウェスリーが地球に来たら大騒ぎだ」
「あ、なるほど。言われてみればそれはそうですね。残念です」
「まぁ俺が地球に戻れるから、ここでも極端に言えば生活は出来る。だが、俺がいないと生活出来ないのは、それはそれで困る」
もっとも、生活出来たとて、森から街まで行くのはきついけどな。
「戻るとしたら地球に何日かゆっくりしてから戻ってくる方向にしようと思うが、みんなはどうだ? もちろん食料はある程度置いていくつもりだ。まぁ置いていかなくてもヴァイスと子フェンリルさえいれば、ボボン水と魔物の肉は取ってこれるだろう。何とか生活は出来ると思う」
「我等はそれで大丈夫だ。ウェスリーはどうなんじゃ?」
「あ、はい。家はある程度間取りを設計してますし、開拓もすぐすぐにはいきませんし、大丈夫ですよ。なんか自分の為にすいません。それにしても秘密な事が多すぎです」
異世界人、フェンリル、スキル、確かに秘密多いな。ヴァイスに限り、ちょこちょこバレてる気がするがな。
「ウェスリーは気にする事はない。秘密が多い俺達のせいだからな」
「目立ちたくないだけじゃろうが。たとえ厄介事が起きたところで我がいれば大丈夫じゃろうに」
そうとも言うな。だが、転移のスキルだけは知られないようにしておかないとやばそうだ。
「ウェスリーは後何日程度鍛えたらここでの生活は安心していられる程度になるんだ?」
「ふむ。レベル15までとなるとそうじゃな。ゴブリンは卒業出来たじゃろう。魔物を探す手間も省ける事を考えて、我が手伝えば10日程度もあれば大丈夫じゃろうな」
「主ぃ~いなくなっちゃうのぉ~?」
おっと、プリンも会話に参加してきたぞ。
「そうだな。俺がここでする事がなくなってきたからな。レベル上げも必要かもしれんが、食料も心許ないからな。俺がいない間はプリンも森の事を頼んだぞ」
「それならわかったなのぉ~寂しいけどがんばるのぉ~♪」
おっと? やけに聞き分けが……食料が原因だな。うん。
「ついでに何日か離れるなら、転移で先にキリスの街に行って、シーラに会いに行った後にするか」
「そういや、主はシーラとかいう娘に砂金を集めるように頼んでおったのぅ。了解じゃ」
「りょうかいなのぉ~♪」
「気を付けて行ってきてくださいね!」
*
俺はキリスの街付近へと転移。そこからキリスの街へと向かい、シーラの家に到着。家のドアをノックするとシーラが出てきた。
「はーい! あ、ムクノキさん! お久しぶりです元気にしていましたか!?」
「おう。元気にしてたぞ。シーラは元気そうだな」
シーラは両親と家のお手伝いをしていたところだった。
「こんにちはムクノキさん。どうぞ家に上がってください」
両親も家に居たようだ。俺は家へと入る。
「あの時はほんとにありがとうございました。それとこれ、来た時にすぐ渡せるようにと思って少しずつ貯めておいた砂金です! どうぞ!」
「こんなに集めてたのか? ありがとう。貰っておくよ」
俺は砂金の瓶を10個も貰ってしまった。おぉぅ。120万円を苦労もなくゲットしてしまったぜ。
「あ、そうだ。お土産があったんだった。これ俺の故郷のパンだ」
120万をタダでもらうのにはなんだかいたたまれない俺は、地球産ボスココのコーンブレッドロールを一袋渡した。もちろんこの街の入れ物に入れ替えたぞ。
「わぁ! すごい美味しそうなパンですね。ありがとうございます。」
「そうだろう。また来た時は何かお土産を持ってきてやるからな」
「なるほど、そういう事ですね? わかりました! 砂金集め頑張ります!」
いや、どういう事ですかね? 頑張らなくても十分なんですけど? まぁいいか。
「それじゃ、またこの街に来た時に立ち寄る」
「はーい! またきてくださいねー」
俺は手を振りシーラの家を出た。
「これで当分金銭面も大丈夫だな。だが、地球に戻ってまた売るのは怪しまれるから、間を空けて売らないといけないな」
俺はシーラと別れキリスの街を出た。そのまま森へ転移。
**
「ただいまーっと」
「おかえり。主よ。シーラとは会えたのか?」
「おかえりなのぉ~♪」
「あぁ。プリンもただいま。10瓶もらったぞ。当面の金銭面は大丈夫なはずだ」
さて、地球に戻るかな。
「じゃあ10日後にまた戻る。その間は頼んだぞ。子フェンリル達もな!」
「食料たくさん買って帰ってくるのじゃぞ」
「美味しいのたくさん待ってるのぉ~」
「10日後、期待していてくださいね」
「「「「「わんわんわん!!」」」」」
そして俺は地球へと戻ったのだった。
さて、ストックとネタが切れましたよーっと。うむむっ




