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第35話 ウェスリーの特訓

「さて、ウェスリーくん!」


「はっはいっ!!!!」


地上に上がった俺はウェスリーにこう言った。


「俺達は目立った行動はしたくない。わかるかね?」


「え? すでにドワーフの街じゃ目立……」


「だまらっしゃい!」


あれは勝手に目立っちゃったからしょうがないの。そもそも街で感謝はされていない。これはどうやら国王が広めるなと口止めしていたようだ。


「あらためて聞く。俺達は基本目立ちたくない。わかるかね?」


「は、はい……」


「そこで、これから起こる事は口外禁止とする。何が起きても誰にも言っちゃいけません」


「はい! わかりました!」


言動は取った。これでとりあえずは十分かな。


「では早速。はいみんな俺に集まって~」


「わーいなのぉ~♪」


「いいぞ」


「あ、近くにですね。来ました」


よし。では森へ。


「転移!」



**



「……ここはどこなんですか~~~~!!!!」


ウェスリー君、めっちゃ驚き。

転移ってやっぱり知られたら危険なのかな? 俺は子フェンリルが集まってきてたので撫でてやる。うん。いつものモフモフさんだ。プリン、いつものように……すでに綺麗にしていた。


「ここはフェンリルは支配している森? って言えばいいのかな。場所的にはアズレールの街からかなり南の森の奥地? ところで転移ってやっぱり珍しいの?」


「えぇええええええええええええ! そんな所に来たんですか! 転移は珍しいなんてもんじゃないですよ。国のお偉いさんに見つかったら隔離されますよ! というか、プリンさんはスライムだったんですか! ヴァイスさんはフェンリルだったんですか! しかも子どものフェンリルが沢山いる……」


ふむ。やはり転移が使える事は今後なるべくバレないようにせんとな。


「頭が追いつかない……」


「あらためて言うと、ここはフェンリルが支配している南の森の奥深くで、子フェンリルが見回りをしてるんだ。それまではヴァイスがしてたらしいんだが、俺についてくるようになって、つまりは従魔になってそうなった。子フェンリルも従魔になってるから襲われる心配はない。プリンはこの森で従魔になった第一号だ」


「なるほど。いろいろと秘密にしたがる理由がわかった気がします。フェンリルはそもそもこの森から出る事は滅多にありませんからね。まさか出ているとは誰も思いませんし、変化していたらわかりません。プリンちゃんはスライムですし、珍しくもありませんが変化するスライムは貴重といえば貴重かもしれませんね」


おっ。状況整理してくれたようでなにより。


「皆さん、よろしくお願いします。ドワーフのウェスリーです」


そういうと子フェンリル達は尻尾を振りながらウェスリーに抱きついていった。ウェスリーは最初は多少怯えたものの、少しずつ慣れてきたのか、子フェンリル達と楽しそうにしていた。


「さて、飯にでもしますかね。今日はボスココのピザとロールパンでいいかな」


俺はテーブルを適当な位置に出し、並べていった。あ、テーブルも街を見回ってる時にちゃんと買った物だぞ。


「おぉ! 主よ。食べていいのか?」


「ご飯なのぉ~♪」


「な、なんですか、これは、見るからにめちゃくちゃ美味しそうなんですが」


「よし、食べていいぞー! 落ち着いたら今後の説明なー」


俺達は無言で食らいついた。



**



「美味しかったです」


「おっウェスリーも腹いっぱいか? そりゃよかった」


みんな腹が大きくなりすぎですがな。コロコロと転がってどっかに行かないでくださいよ?


「さて、みんな満足したかな? それじゃ、今後について説明するぞー。まずはヴァイスがここに家を作ってもいいと言ったので、ここを拠点に家を作りたいと思います。建築担当、その他諸々はウェスリー。よろしく頼む」


「はい。わかりました。場所はここら辺でいいですかね?」


「そうだな。転移しやすい場所がここなんだよ。木は周りに腐る程あるから大丈夫だとは思うが、鉄やら道具やらはあるか?」


「ある程度は持ってきましたが、なくなったらどうするんですか?」


「そこは俺達が調達してこようと思う。なんせ場所が場所だしな」


「自分は基本ココにずっといる感じですかね?」


「何かあれば呼びに転移して戻ってくるし、ここにいる以上はある程度レベル上げも必要だとは思っている。なにからしたい?」


「そうですね。フェンリル達がいるからある程度は大丈夫だとしても、レベルはここの森に住む事になるとなったらやっぱり上げておきたいです」


「わかった。ヴァイスに最初は指導してもらうとするか。俺はここら辺一体を整備する事にしよう」


「ウェスリーよ。我の指導は厳しいぞ? ついてこれるか?」


「が、がんばります!」


ヴァイス鬼教官再び。がんばれウェスリー。君はできる子だ。ついでにこっそり毎日ボボン水でも飲ませておこうかな。



**



そして俺達は森に来てかれこれ3日が経とうとしていた。


「そうすると、ここはこうした方がいいですね」


「そうか。じゃあそこは頼む」


ウェスリーは稽古の後、黙々と俺と家を作る作業に打ち込んでいた。


「ウェスリーの体力半端ないな」


「主が体力なさすぎなんじゃがのぅ」


「俺はそもそもあまり動いてない事の方が多かったの!」


ヴァイスの特訓にウェスリーは何とかついていっているようだった。


「自分、体力には自信あるんですよ!」


「さいですか。そりゃよかった」


とりあえずウェスリーはこの3日である程度戦えるレベルとなった。


名前:ウェスリー

職業:建築士

LV:9

HP:78 MP:0

ATK:59 DEF:45 MAG:0 SPD:17

スキル一覧

斧術 棒術 建築 開拓


まぁ3日じゃこんなもんか。


「ゴブリンをここで探す方が時間がかかってしまうのぅ」


「わんわんわん」


そうじゃの、我が子等もがんばってここまで連れてきてくれてるから助かっておるぞ。


「でも、まだここでそのレベルじゃ厳しいよな」


「そりゃまぁそうじゃのぅ。一対一なら何とかいけるかもしれんが、ここじゃ、そういうシチュエーションなんぞないだろうのぅ」


「という事だ。ウェスリー、レベルは15まで上げとこうな」


「えぇえええ! 15までですか。まだまだ先じゃないですか」


「この森じゃ、レベルが15でもようやく戦力になるかな? 程度で十分危険なんだよ。俺はレベル16だったぞ。ここを出た時は」


「うぅぅうう……わかりました」


がんばれウェスリー。俺は心の中で祈ったのであった。ボボン水も飲んどけ。


皆さん今週もよろしくお願いします。

投稿して早速修正。ウェスリー君に斧術追加。

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