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異世界への招待状 おじさんはそれなりにがんばる  作者: りのぺろ
第四章 四大都市カバナルの街
32/65

第32話 プリンの分裂スキル

ドワーフのボルガンさんの家へと戻った俺達。当然ボルガンさんはまだいなかった。


「森に居てもいいんだが、ボルガンさんが帰ってくるとまずいことになるしな。何をするか……」


「主よ。プリンの分裂はどういうスキルなのか見てみるのはどうじゃ?」


「分裂するぅ~?」


「プリン。分裂ってしたらどうなるんだ?」


「分裂したらぁ~能力が分裂した分だけ低下するのぉ~。でも魔法とかスキルはどの私も使えるよぉ~」


なるほど。プリンはレベル35だから計算上では4体までならある程度大丈夫か?


「試しに4体になってみてくれ」


するとプリンが人間の状態のまま分裂していく。


ぽよん、ぽよん、ぽよん、ぽよん


「「「「出来たなのぉ~」」」」


「それではさっそく鑑定!」


名前:プリン分裂体クイーンスライム

職業:京介の従魔

LV:9

HP:48 MP:20

ATK:31 DEF:19 MAG:13 SPD:37

スキル一覧

物理無効 触手 回復魔法 変化 能力2倍強化 硬化 水魔法ウォーターガン 影潜・影移動 分裂


「おぉー大体4等分になってる」


「これはすごいのぅ。今の一般の人間レベルじゃの」


ヴァイスも驚いたようだ。


「プリン。もし分裂がやられたらどうなるんだ?」


「分裂体は消えて、本体に能力が戻るだけなのぉ~ 戻る時も同じなのぉ~」


これはこれで使えるな。偵察用に使ったりもできるな。消えるって事は痕跡が残らないから有利だ。

ってこらプリン! そこで4匹で輪になってシンクロ率100%のダンス踊らない!

……デジカメ持ってきてもいい? やっぱり駄目だよね。くそぅ……


「今プリンって分裂体も全員が青じゃん? それを一匹ずつ色を変えられたりする事は出来る?」


「??? できるよぉ~♪」


おぉおお! こ、これはすごい。赤いプリンに黄色のプリン、青色のプリンにピンクのプリン。


「プリン。ちょっと横並びになって今みたいなダンスを踊ってみてくれるか?」


「は~いぃ♪」


それぞれが横並びになってまたダンスを踊りだした。当然これもシンクロ率100%だぞ! 子フェンリル達をバックダンサーで後ろで踊ってもらうとか組み込むのもありだな! 尊いなぁこれは。

そうなるとタイトルを【異世界への招待状 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()】に変更すべきではないか!?

ヴァイスはマネージャーで俺はアイドル育成事務所の社長で……


「……はっ!」


コホン、ゴホン、オホン、ウォッホン


閑話休題ったら閑話だ。


「プリン。戻っていいぞ」


そもそも俺にアイドルを育てる知識なんぞ一つもないから無理だからな。やめとこう。

そしてプリンは一匹になった。もちろんいつもの青色プリンだ。


「すごかったぁ~?」


「おう!」


すごかったな。ある意味で。俺は顔に出ないようにしながらプリンの頭を撫でてやる。

横で見てたヴァイスはなぜか半目で見ていた。


「なんだよ?」


「主はたまに変な妄想してる時があるよのぅ。わざわざプリンに指示を出してまで」


プリンが踊ってるの見てたらつい頭の中で妄想しちゃうんだもの。

しちゃったら、やめられない止まらないなんとか、ってやつだな。しょうがない。妄想楽しいもの。

自分の頭の中だから自由自在であーでもないこーでもないと出来る。しまいには夢でも無駄に妄想する時もあってな……おっと、いかんいかん。


「妄想してる時って楽しいんだよ」


「寂しいやつじゃのぅ。主は」


「うるさいよ」


「ん~?」


俺とヴァイスの言い合いにプリンは?を浮かべているだけだった。

家から出た俺は家に再度プリンに1体だけ分裂してもらう。本体のプリンを残して分裂したプリンを連れ出す。


「プリン! 視覚共有は出来てるか?」


「かんぺきぃ~♪」


「こりゃすごいな…本体でも見る事は可能って…普通なら脳がその処理に追いついていけんぞ」


「プリンだからこそ、なのだろうのぅ。スライムはそもそも脳がない」


「ないのに喋ったりするのはなぜなのか。なんて愚問だろうしな」


「そういう事じゃ」


次は


「プリン! 聴覚はどうだ?」


「かんぺきぃ~でありますぅ♪」


視覚が出来るならそりゃ聴覚も出来るか。概ね予想通り。


「最後だ。プリン! 分裂体に本体をもってこれるか?」


「………だめですぅ~」


やっぱりそれは駄目だったか。本体は安全な場所に……なんて甘い事はできないっと。

分裂体が消えてプリンが後ろから凹んだ様子で出てきた。


「プリン。なんで凹んでるんだ? このスキル、それでも十分強すぎるんだぞ。スキルを考えてみろ。能力2倍強化のスキルを忘れたか?」


「ん~?」


「そうじゃぞプリン。分裂して敵陣に突っ込んでやられたとしても痛くも痒くもない。そもそも本体は逃げ続けながら戦う戦法も取れる。分裂体で突撃し、2倍強化発動すれば。ほれ、本体と同等の力になる。HPとMPだけ半分じゃが、その状態で戦えば間違いなく負ける事はなかろうのぅ」


そう。この分裂と能力2倍強化のコンボを使えば変わらない能力を発揮することが出来る。しかもプリンは物理無効だから物理特化した魔物相手だとおそらく無双状態で戦えるだろう。分裂しても、だ。


「わ~いぃ~♪」


プリンはあんまりわかっていないようだが、褒めてもらえたのはわかったのか、喜んでいた。

そういや、能力2倍強化を最近使う機会が全くないな。使わないに越した事はないからいいか。あれはホントの奥の手スキルだしな。使わないといえばプリンの盾も使わなくなったな。俺達が強くなったおかげかな。物理無効に頼らなくても俺自身、多少は強くなってるんだろうけどな。


あらためて自分たちを鑑定してみたが、やはり変わってはいなかった。


名前:村木京介ムクノキ

職業:冒険者【暗殺者を極めしテイマー】

称号:暗殺者を極めし者(能力微上昇補正)

装備:風の精霊のお護り、砂の精霊のお護り

LV:34

HP:212 MP:116

ATK:184 DEF:99 MAG:83 SPD:101

スキル一覧

鑑定 アイテム袋(時間ストップ無限収納) 夜目 不眠不休 テイマー 火魔法(種火、火球) オートマップ 無限異世界ボックス 能力2倍強化 暗殺者(隠密 気配遮断 気配察知 痛覚遮断 鷹の目 状態異常無効 超再生 転移:消費MP30) 剣術 体術 盾術 影移動 マップ共有 風遮断


名前:プリン(クイーンスライム)

職業:京介の従魔

LV:35

HP:191 MP:78

ATK:123 DEF:74 MAG:52 SPD:147

スキル一覧

物理無効 触手 回復魔法 変化 能力2倍強化 硬化 水魔法ウォーターガン 影潜・影移動 分裂


名前:ヴァイス(フェンリル)

職業:京介の従魔

LV:61

HP:483 MP:212

ATK:213 DEF:136 MAG:111 SPD:362

スキル一覧

魔法反射 切り裂く 風魔法トルネード 変化 疾走 能力2倍強化 風の加護 影潜み・影移動


子フェンリル

職業:京介の従魔

LV:40

HP:244 MP:75

ATK:186 DEF:106 MAG:97 SPD:201

スキル一覧

魔法威力軽減 切り裂く 風魔法(風の刃) 疾走 影潜み・影移動

中休み的な内容ですいません。分裂スキルに関してかわいい所やら妄想やら書いてるうちに長くなっちゃいました。

ヴォルガン→ボルガンに変更

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