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第03話 ボボンの実

そういや、鑑定とアイテム袋を使ってもMP減らなかったな。魔法じゃないのかな?と思いながら俺はプリンと共に森を進んでいた。

ちなみにプリンは移動するのが遅かったので、抱いたまま移動しようとしたら俺の頭の上に乗りたがってた?気がしたので今は頭の上にいる。

髪を食べられるかも?と思っていたが、気薄だったようだ。若くなったのにハゲてますとか、笑えんしな。わけわからん。


「ぷるぷるぷる♪」


頭の上じゃ落ちると思っていたが、なぜか落ちない。まぁ気にしない事にしよう。そこまで重い訳でもないしな。


歩きながらプリンを鑑定してみたら


名前:プリン(スライム)

職業:京介の従魔

LV:1

HP:10 MP:1

ATK:2 DEF:5 MAG:1 SPD:6

スキル一覧

物理無効 触手


と出た。プリンもレベル1だったことに驚いた。

プリンは機嫌が良いのか、ぷるんぷるん揺れている。


「プリンのスキルの触手ってどんな感じなんだ? できるか?」


プリンにそう聞くと


「ぷるぷるぷる♪」


とスライムから触手が10m程伸びた。


「プリン! あそこの木に実がついてるのを取ってくれるか?」


「ぷるぷるぷる♪」


その実を器用に取ってきて京介に渡す。


「プリン! ありがとうな! それでは早速…鑑定!」


名前:ボボンの実

効果:食べると少し力が強くなる木の実。

この森のとある場所にはよく実っている。

水分が大量に含まれており、とてもおいしい。


「当たりだー! プリン! もっと取れるか?」


「ぷるぷるぷる…」


プリンが頭の上で平べったくなっている気がする。これはもしや…


「鑑定」


名前:プリン(スライム)

職業:京介の従魔

LV:1

HP:10 MP:0/1

ATK:2 DEF:5 MAG:1 SPD:6

スキル一覧

物理無効 触手


おぉう。MPが0ですがな。そりゃ平べったくなりますがな。


「プリン! 大丈夫だ! まだ初心者セットの食料もある! 当面はこのボボンの実と初心者セットで食いつなぐ」


というか、力が強くなることがあるってボボンの実の説明あるが、あれは某ゲームの力の種みたいなもんか?


「とりあえず今日の探索はこれくらいにしておこう。この実、パイナップルみたいにでかいし水分は十分だ」


そして当然ながら近くに洞窟なんてあるわけなかった。

涙ながらに木の上に簡易的にスペースを作ってそこに寝っ転がれる様になる頃には辺りが暗くなっていた。


「ボボンの実を半分ずつと、この初心者セットのパンをプリンと半分ずつ。十分お腹が膨れるな!」


「ぷるぷるぷる♪」


俺もプリンも満足し、その日の探索は終了した。


二日目の朝、目覚めるとプリンも起きていたらしく、俺のお腹に飛び込んできた。


「おはよう! プリンは早起きか? というか、寝るのかスライムは?」


「ぷるぷるぷる♪」


…うん。わからん。まぁいいだろう。


「実の効果はあったのかちょっと鑑定してみよう」


名前:村木京介

職業:アニオタ

LV:1

HP:15 MP:5

ATK:4 DEF:5 MAG:1 SPD:3

スキル一覧

鑑定 アイテム袋(時間ストップ無限収納) 夜目 不眠不休 テイマー


名前:プリン(スライム)

職業:京介の従魔

LV:1

HP:10 MP:1

ATK:3 DEF:5 MAG:1 SPD:6

スキル一覧

物理無効 触手


「お!力が上昇してる! プリンも上がってる!すごいな! あっ!それとMPが回復してる! 今日もボボンの実が収穫できるぞ!」


「ぷるぷるぷる♪」


木の上の寝床から地上に降り立った俺達はさっそくボボンの実を収穫しようと周辺の散策をした。


「鑑定! 鑑定! 鑑定!」


地面に生えている草を片っ端から鑑定しているのだが、どれも外れで雑草としか表示されない。

食用が一切ない。でもそうなると魔物や獣はどうやってここで暮らしているのだろうか。

プリンが昨日吸収していた血の主はもういないのか。怪我をおっていただけなのか。

謎だらけではあるがあまり気にしてもいられない。なんせ水分はボボンの実のみなのだ。


「どうするかな。ボボンの実は美味いんだが他の違った味もほしい」


「ぷるぷるぷる…」


プリンも同じ意見の様だ。どこかに川があったら魚を取れる可能性は…ないな。竿がない。枝と何か糸系を使ってつくる?うーむ。だが、このボボンの実、もっと食べて力を強くしたいんだよな。森から出るのにも多少はレベルも上げたいし…。

しかもプリンのMPは1しかない。木登りして取れる場所でもないのだ。ん?登れない?

でも触手だったらいける?ん?それなら?



「そうか! いい案を思いついた! プリン 触手で俺を木の上に運べないか?」


「ぷるぷるぷる♪」


「おぉ! いけるか! じゃあ早速ボボンの実があるあの木に俺を落とさないように運んでくれ!」


どういう事かというと、単純に俺が取りまくって気をつけながら地上まで降りればいいだけ、という考えだ。アイテム袋に入れるだけで持って降りる必要ないしな。プリンは万が一俺が落ちた時のためにクッション用の葉っぱを木の周りにばら撒いておいてもらおう。ないよりはマシだ。



**



「よし。これぐらいでいいだろう!」


「ぷるぷるぷる♪」


結局あれから丸一日かけてボボンの実を100個以上取った。勿論木から落ちる事はなかった。

取りすぎ?だってアイテム袋に入れればいいし?時間関係ないし?水分は人間にとって貴重だし?万が一があるし?力が上がる効果がある実がここだけだったら損じゃん?そりゃー取れるだけ取るでしょ。


「プリンは下で何もなかったか? 大丈夫だったか? とりあえずボボンの実はこれで当分必要ないから明日から先に進むか」


「ぷるぷるぷる♪」


今日の夕食は昨日と同じボボンの実半分ずつとパンで終了。翌朝も力が上昇していた。

半分ずつしか食べてないのに上昇するのはおそらく効果に書いてあった【少し】の概念だろう。

一つ丸ごとで2上昇だが、俺とプリンで半分だから1上昇だ。わかりづらい…。



名前:村木京介

職業:アニオタ

LV:1

HP:15 MP:5

ATK:5 DEF:5 MAG:1 SPD:3

スキル一覧

鑑定 アイテム袋(時間ストップ無限収納) 夜目 不眠不休 テイマー


名前:プリン(スライム)

職業:京介の従魔

LV:1

HP:10 MP:1

ATK:4 DEF:5 MAG:1 SPD:6

スキル一覧

物理無効 触手


そしてその日、満足した俺達は森を進んでいると


「ぷるぷるぷる!」


「ん?どうした?」


プリンはボディを少しのばし、危険察知してるかのようにそこを指した。


するとそこには少しひらけたところで寝ている大きな白い狼に出会った。


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