第28話 次の街へ出発
「戻ったぞぉ~ はいこれ、お土産のホットドッグとその他もろもろ」
「思ったより早かったのぅ主よ。このホットドッグも美味いのぅ もぐもぐ」
「おいしいねぇ~♪」
「「「わんわん」」」
俺はみんなを横目でみながら体を動かす。うん。やっぱり若いって素晴らしいね。動けるうちに何とかって言うけど、ほんとそうだよな。と思う俺であった。
「さてと。食べながらでいいから、今後の予定をあらためて言っておく。神様の地図に記されている3つの点はアズレール以外のそれぞれの四大都市だ。アズレールの街はあらかた見て回ったから移動してもいいと思っている。冒険者ギルドに行ってまた絡まれるのも面倒だしな。次の目的地はカバナルだな。」
「うむ。わかったのじゃ」
「どこまでもついていくのぉ~♪」
「「「「わんわん」」」」
「向かう時は高台に転移してから向かった方が地図的には街までは近いな」
「まぁそうだろうのぅ」
前に高台から思いっきり魔法ぶっ放した所だ。魔物が増えてなければいいがな。
「というか、このまま行くにしろなんにしろ、神様の頼みの為でもある。みんなを巻き込む形になってしまうが大丈夫か?」
「主よ? 何をいうておる? 従魔たるもの、主についていかない者など魔物と言えどもおるわけなかろうが?」
「本音は?」
「地球の飯が食べられなくなるのは嫌だからついていく!!!!(なのぉ~♪)(わんわん)」
でしょうね。わかってました。つーか、プリンも子フェンリルも? まぁいいけど。ぐりぐりの刑をお見舞いしといてやる。
「あ、それと砂漠地帯だから基本影が少ない。毎日交代するにも砂漠からの影移動は無理になる。砂漠からは走って来て交代するようになるが、子フェンリル達はどうする?」
そういうと円陣を組んで話をしだした。
「わんわん」「わふわふ」「がうがう」「ぎゃうぎゃう」「べうべう」
……なんか変な吠え方混じってんな。子フェンリルの声か?
「主よ。フェルイレ、フェルトゥ、フェルサーがここにいる事にするそうじゃ。他の子等と比べると少し体格がちっこいから遠慮するって言っておるのぅ」
「ん? まぁ子フェンリル達が揉めないならそれでいいけど」
「「わんわん」」
大丈夫か。ならこのメンバーで行こう。まぁ転移で戻ってくれば交代は出来るから、そんときに交代してもいいか。
「じゃ、行くぞー! 高台に転移!」
**
高台に転移後、周りは思ったより静かで匂いもなく、魔物もパラパラといる程度だった。
「わんわん」
影から子フェンリルが出てきた。
「主。我の背に乗るか? 強い魔物はおらんぞ」
「そうだな。そうするか。プリンも魔物形態に戻ってくれ。一緒に乗ってくぞ」
「わかったぁ~♪」
ヴァイスとプリンは魔物形態に戻った。そして北へと走って行く。
道中の魔物は子フェンリルが倒していった。倒した魔物は勿論アイテム袋へ。せっかく少し減ったと思ったのに、また溜まり続けていく魔物の死骸。これ自重せずに全部売ったら絶対素材の価値が暴落するぞ。
そんなこんなで俺達は緑が生い茂った森を半日程かけて抜けていった。
**
「暑いなー! ほんとに暑いなー」
俺は砂漠地帯へ入るとすぐにへばってしまった。今は岩の木陰で休んでいる。
「あープリンは冷たいなぁー」
スライムは体温調整ができるらしく、プリンは今ヒエヒエの状態になってもらっていた。
タオルで汗を拭いながら地球産ジュースを飲む。
「主よ。その飲み物を我にもくれ!」
「ほいどうぞ。あ、子フェンリル達にもあげておいてくれよ~! にしても暑すぎてどうにもならん。プリン! どうにならんか!!!」
「ん~? それならプリンが主の防具になるぅ~?」
そういうとプリンが平べったくなって俺にピタッとくっついてきた。
「おぉお! これは…プリンアーマー! そしてめっちゃヒエヒエ!!!!!!!」
「主がスライムに取り込まれている地獄絵図に見えなくもないがのぅ」
「「「「「わふぅ……」」」」」
取り込まれるなんて失敬な! プリンはそんな事しませんからね!
プリンは俺のボディに引っ付いてるだけだからね! 別にしんどくもなんともないみたいだからこのままにしてもらおうか。
「これなら砂漠地帯も平気だ! 戦闘時以外はプリン頼んだぞ!」
「ぷるぷるぷる♪」
プリンアーマーここに爆誕。どんな防具よりも強い防具の誕生の瞬間であった。え? プリンの盾変形も十分強い防具じゃないかだって? それを言われると… どの道、プリンは魔法には弱いけどな。それとスライム形態なので喋れない。
「魔法に? ん? それならプリンがヴァイスに引っ付いたら物理無効と魔法反射で無敵になる?」
「主よ、それは無理じゃ。そもそも魔法攻撃された瞬間にプリンにダメージが入ってしまうからのぅ」
「あ、それもそうか」
よく考えれば解る事だったな。よし、それじゃ、行くか!
カバナルに向け走っていると、魔物も当然出てくる。砂漠の魔物はサンドワーム、サンドリザード、サンドスコーピオン等いた。
サンドワームは砂の中に潜んでいて、足元から出てくる4メートル級の魔物なのだが、ヴァイスと子フェンリルは足元に敏感で、出てくる振動でサンドワームがどこからくるのかわかっていて、出てきた瞬間に切り刻まれていた。
サンドリザードはちょこちょこ普通に砂漠の上にいる魔物で、人間を見つける度に突っ込んでくる魔物だ。
ただ直線的な動きしかしないので、横に避けて背後を攻撃して終了。
サンドスコーピオンは大きさこそ、そこまでではないものの、尻尾からの攻撃には毒があるらしい。毒耐性というか、除隊異常無効は俺しかスキルがないので、俺が排除していた。尻尾を切った後に背に向かって剣をズドンだ!
どの魔物も俺達が苦戦する魔物ではなかった。プリンはちなみに戦闘は参加していない。だって俺のヒエヒエ防具になってるからな。なのでプリンのレベルは上がらないがしょうがない。しょうがないったらない。今でもじゅうぶん強いんだからいいのだ。
そして俺達はさらにそこから何日かかけて砂漠を疾走していった。魔物も相当数倒したはずなんだが、レベルも上がる事はなく、オアシスすらも見つける事はなかった。砂漠のオアシスの街、ちょっとあったら行ってみたかったな。
なんて思っていると目の前に地図の印の場所でもある四大都市カバナルの街の正門が見えてきた。神様のあの言い方だとここにも精霊が居たりするのかな?
あ、今週の書き溜めがなくなった。明日どうしよw
魔法無効→魔法反射に修正しました。間違えてた




