第23話 行ってみるだけ行ってみよう
街に戻った後、俺達は冒険者ギルドに行き依頼を済ませ、オークの換金を終わらせた。そんな事の繰り返しを何日かしていたある日、いつものように冒険者ギルドに討伐依頼を受けようと向かっていた。
すると……
「くるくるくる」
「んぉ? 精霊さんおはよう。ん? どうした? あっち? あっちは街の外だが」
すると風の精霊は大きく息を吸い込んで歩く仕草をしたり、風の棒?みたいなのを肩にかついで歩く仕草をしたり、四つん這いになって走る仕草をしたり、いろんな仕草をした。
「んんー? なんだ?」
「主よ? 風の精霊は何をしているのだ?」
「何かを俺に伝えようとしている? だがさっぱりわからん」
俺は数分悩んだ。風の精霊は怖い顔をして体を大きくしてみせて風で作ったちいさな玉? みたいなものを壊したり、棒で玉を壊したり。
「んーっと? それはもしかして魔物か?」
「くるくるくる!」
当たりか! ってことはその仕草は
「オーガ? 棒を持ってる……オーク? それとウルフ? がなんだ?」
すると風の精霊はやられる仕草をした。
「もしかして…どこかの村、もしくは街が魔物に攻撃されてる?」
「くるくるくる!」
高速でくるくる回った。
「つまり東方面で魔物に攻撃されている街か村があって、今こっちに進軍して来てるってこと?」
「くるくるくる!」
「他にその事を精霊さんが誰かに伝える事はできる?」
するとピタッと止まった。それは否定か。
「ふむふむ。まぁどのぐらい魔物の数がいるのかわからんが、行ってみるだけ行ってみようか。せっかく頼ってくれてるのに無にするのも気が引けるしな」
「その程度の魔物だとせいぜいレベルは10がいいとこだろのぅ。遅れを取るものはここにはおらんじゃろう。」
「一応あれだな、回復ポーション、マナポーション、状態異常系のポーションを道具屋で買っておくか。後は武器と防具を新調しておこう」
「そうじゃの。ポーション類は必需品じゃ。もっとも、我らにはいらぬものかもしれんがのぅ」
という事で俺達は道具と武器防具を買った。武器はいつもの鉄の剣だ。防具はもちろん皮製だ。動きやすいからな。その際に盾も一応買っておいた。
プリンが攻撃主体の時は盾変形していない方がいいだろうしな。
「精霊さん東にどれくらい進んだらいいかわかる?」
「くる……くる……くる……」
と回りだした。一回ずつ少し間を空けて計8回。8km先? いや、そんな近くないか。80キロか?
「コクコクコク!」
そこでおそらく風の乱れがあるんだろうな。さすが風の精霊だ。そんな遠くの事もわかるとはすごいとしか言いようがない。
「子フェンリル達も行けるか!? ちっさい声で返事してくれな」
「「「「「ワフッ!」」」」」
良し。準備は完璧だ。じゃあ東に向かうか。俺達は街を東門から出て途中、俺とプリンはヴァイスに乗り颯爽と走り出した。
**
そして何時間経過した頃……
「ちょっとここら辺で休憩するか。ヴァイス、一旦止まってくれ」
「ここならいいだろう」
俺達は少しひらけた所で一旦休息をすることにした。ヴァイスから一旦降りて俺は影の子フェンリルに呼びかけた。
「子フェンリル達。出てきていいぞ!」
「「「「「わんわんわん」」」」」
「ぷるぷるぷる♪」
出てくるやいなや、プリンと遊びたかったのかプリンがもみくちゃにされた。
「今のうちに昼食を食べとこうか。肉好きが多いからここは戦う前にステーキで元気を養って、おやつは普通お菓子。こっちの串焼きも出しておいてあげるか。どうせ足らんのだろう」
準備が整った俺はみんなを呼んだ。
「おーい! これ食べたら様子を見に行くんだからなー。しっかり食べておけよー」
「我は言われなくとも! むぐむぐむぐ!!!!」
ヴァイスさんや。お子さんが呆れてますよ。そんながっつかないでもいいんじゃないんですかね? と思ってたら、子フェンリル達もステーキを一口食べると目を見開いてまたたくまにヴァイスと同じ様にがっついで食べていた。プリンは吸収なので、そんな感じはないぞ。
「子は親に似る……まさにそんな光景だなぁ。まぁしっかり食べて万が一がおきないようにしてくれればいっかな」
俺は食べてる様子をみながらそんな事を思っていた。
「食べ終わったかー? よし。それじゃー子フェンリル達! これからやることを教えるぞ! まずは東から来ている魔物とやらの位置が知りたい。そこでだ。見つけ次第戻ってきてほしい。俺のマップは共有があるからそこまで表示されるようになる。迷わず行けるはずなんだ」
「「「「「わんわんわん」」」」」
「了解のようだぞ? 主。我らはどうする?」
「とりあえず、俺達だけでかち合ってもいけない。数がわからないからな。だからここからはゆっくり歩いて行くことにする」
「なるほどな。フェルイチ、お前がリーダーとなり、偵察に行ってこい!」
「「「「「わんわんわん」」」」」
子フェンリル達は東へ散開して行った。あっという間に見えなくなったんだが…めっちゃ早いですやん。あの子達……。それにしてもアズレールからここまで、全く冒険者の気配がなかったな。
そしてゆっくり進む事数分、子フェンリル達が帰ってきた。
「ほぅ? なるほどのう。おぉ! いいところを見つけたな」
「なんて言ってるんだ?」
「今いるここはちょっとした高台らしい。見下ろせる所にはまだいないが、その先に魔物がたくさんいて、あと少しでその見下ろせる場所に来ると言っているのぅ。後はバラバラにあっちこっちにいるみたいじゃの。数はおよそ1000みたいじゃ」
「1000か。この人数じゃちょっと多いな。そこはレベルでフォローするか。まずは高台での先制攻撃が一番だな。ナイスだ…フェルゴ!!」
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↑ ↑ ↑ ↑ ↑
↑ ↑ 高台 ↑ ↑
↑↑ ↑ ↑↑
↑ ↑ ↑
↑↑↑
↑
現在地
子フェンリルの偵察をまとめた。こんな感じで魔物がこっちに来ているのだろう。
「左奥 子フェンリル2 左中 子フェンリル3
中 俺、ヴァイス、プリン
右中 子フェンリル2 右奥 子フェンリル3」
こんな感じか。
「編成はこうだ! みんな、無理はしないように! 怪我したら中央に影移動ですぐに戻るんだぞ! プリンは最初は臨機応変に! ヴァイスは高台で俺と魔法をぶっ放す! 押し返さなくてもいい。とりあえず怪我はしないように行くぞ!」
さぁ殲滅戦の開始だ!
遅くなりました。考えがまとまらなさすぎて……
今週最後の更新です。
また続きは来週となりますので、土日は皆さん、ごゆるりとお過ごしくださいませ。




