表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/64

第19話 天使の贈り物

「こんにちは」


……ん? 転移先のフェンリルの森に戻ると知らない女性が目の前にいた。


「ただいまーって……誰? その子」


目の前にはワンピースを来ている清楚な美人女性がいた。


「主よ。帰ってきたか。おかえり。そやつは何やら主に会いたがっておってのぅ。この森まで来たらしい。よくこんなところまで辿り着けたもんだと思っておっての」


「私は神より異世界での復旧作業の任務を受けてました。名前をシルビアといいます」


「おぉ! あの電話のぬしの部下さん! お世話になっています! お陰で何とか異世界を満喫?しています」


「それは良かったです。体も何も異常はなさそうで安心しました」


体!? 異常あったらどうなってたのかな? 聞かないでおこう。怖すぎる。


「全然健康体ですよ。それで? なにかご用が?」


「いえ。復旧後の転移者の無事を確認したかったのです。それとお詫びをしたいと思っております」


お詫び? あぁ帰れなくてずっとこっちに居たからそのお詫びということか。


「別に大丈夫ですよ? 心配してくださってありがとうございます」


「そんな訳にはいきません。また、いくら試験運用中でのトラブルといえど、迷惑をかけたのは事実ですし。それでですね。何かスキル1つお渡ししたいと思ってます」


シルビアは事前に神と連絡をして確認をとっていた。一つ位ならいいんじゃない☆? と軽い感じで言われたのはびっくりしたが。


「うーん。そうですね。スキルですか。それならほしいかも」


「何がいいですか?」


ふっと思い浮かんだのは 感覚共有 浮遊 プリンの分裂 従者の行った場所も地図表示 等々。悩ましい。


「主よ。主は隠密系に長けておるのだからそっち系のスキルはどうじゃ?」


なるほど。そうなると

従者を影に潜ませる的な? 潜ませる? いや自分が影に潜む? 影移動? 影分身? 念話も有りだよなぁ。プリンと話せるようになる。だが、まぁ念話はなくてもいい。やっぱり分身よりも影移動しながら攻撃するとより安定した戦闘をこなせるか?


「【影移動】にしよう。影に潜み影から姿を現し攻撃をする! まさに暗殺者!」


「了解しました。では影移動なるスキルをセット。インプット完了。転送。スキル付与完了しました。どうですか? 出来るようになってるはずですが?」


俺は影移動を発動。プリンの影から姿を現し、プリンを持ち上げた。プリンは驚いたのか、ぷるぷるが激しい。


「ぷるぷる!!!!」


「すまんすまん。プリンただいま。そして驚かせてすまん」


「これは驚いた。そんな使い方になるのか。初めてみるスキルじゃのぅ。我もそろそろお主にはかなわんかの」


「まだ勝てると思ってないよ。そんなことより、スキルありがたく受け取っておこう」


俺はシルビアに礼を言った。


「では、私はこれで」


とシルビアはそれだけ言うと空を飛んでどこかへ行ってしまった。


「飛行スキルも良かったかなぁ」


俺はその姿を見て呟いた。



**



「さて、みんな、あらためてただいま!!」


「うむ。おかえり」


「ぷるぷるぷる♪」


子フェンリルも吠えて尻尾を振っていた。これはおかえりと言っているのだろう。一匹ずつ丁寧に撫でてやる。やっぱりモフモフだった。抱きつきたい。

とりあえず俺はボスココで買ってきた肉炒めを大量にみんなにプレゼントをした。ヴァイスやプリン、子フェンリルはその料理に夢中になって食したのだった。


「よし、これで当面は元の世界とこっちの世界の行き来は大丈夫なはずだ」


「おぉ! それは良かった。砂金もいい値段だったのかの?」


「あぁ。概ね予想通りの結果の収入を得た。あっちの家族とも過ごせたし。安心していいぞ。」


「それは良かったの。我も主がおらんと寂しいからのぅ」


「ぷるぷるぷる…」


おおぅ。かわいい事をおっしゃるではないですか。プリンも何気に平べったいではありませんか。


「俺はどっちの世界も大切な人達が出来てしまったな。もっと頑張らなくっちゃいけんな」


「鍛錬は欠かさぬようにしないとな」


「え? やっぱりそうなるの? デスヨネー」


いつもの会話で俺は少し安心する。


「ここでしゃべっててもアレだし、転移して北に向かいますか!」



**



今現在俺達は北へ向かっている。オートマップがある俺には迷う事はないので、そこは安心だ。万が一あってもヴァイスがいるからな。


「ヴァイス! そっちは任せた! プリン! 盾に変形!」


俺は魔物と戦っていた。オークとキラーアントが襲ってきていたのだった。暗殺スキルは基本使わずに戦う。もちろん2倍強化も使わない。素の能力で格下の魔物は戦うようにしているのだ。ヴァイスも格下相手の時は獣人で戦っている。その状態でも強さを維持出来るようになる為のようだ。ヴァイスの格上ってドラゴンだけじゃないの? なんて口には出さないよ?


「よし! 殲滅完了! アイテム袋に収納っと。とゆーか、何でヴァイスがいるのに襲ってくるのよ?」


「オークやキラーアントは知能が低いからの。しょうがないのだよ主」


納得。すんごい納得してしまった俺。


「にしても襲って来すぎじゃない?」


あ、横からオークが襲ってきた。だが、プリンのウォーターガンで即死したのだった。


「ぷるぷるぷる♪」


プリンはご満悦の様だ。あまり活躍出来てなかったのが気になっていたのだろうか? そんなことないんだけどな。


「鍛錬にはもってこいじゃ。オークは捌けば美味しい魔物の肉となるからのぅ。そこから更に焼いてあのタレをかければ……ゴクッ」


「そりゃまぁそうなんだがな、数がちょっと多くないかい?」


「キラーアントはプリンに吸収してもらおうかのぅ。ま、気にする必要はなかろう。野営地まであと少しじゃ。行くぞ」


俺達は野営地までひたすら襲ってくるオークを倒していった。



**



そして野営地へ着くと


「お前さん達、南の街からやってきたのかい? そっちの人は獣人とスライム?かい?」


と商人の様な人に話しかけられた。


「そうですよ。俺の仲間なんですよ」


「ほほぅ。スライムとはこれはまた珍しい」


「そうなんですかね? それで? 皆さんなぜこちらに?」


「実は私達は北の街に行く途中だったんですが、どうやら魔物が現在沢山徘徊しているという噂を聞きまして足止めをくらってるんですよ……」


なんですと! 魔物が多いと思ったらそういう事か。

気にする必要があったみたいですよヴァイスさん? そっぽ向かないでくださいね? 後、口笛は吹いちゃいけません! にしても……なんというバッドタイミング!

ステータスに変動はありません。スキルに【影移動】が追加されたのみとなりますので、今回は表記しておりませんので、悪しからず。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ