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第17話 下準備

街の復旧もある程度目処がついた頃、俺とヴァイス、プリンはいつものように鍛錬をする日々に戻っていた。


「なぁヴァイス。もうどうしようもないから言うが、俺の世界の食料がもう尽きそうだ」


「なんだと!!!! あんなに美味しいものがもう食べれなくなるのか!!!」


「帰還と転移がまだ右下に出てないからなぁ。街の復旧ついでにあっちの復旧も終わってほしいなぁ」


街に居る間は異世界の食事をとってなんとか誤魔化してきたが、そろそろ本格的に心許ない。異世界フードも決してまずい訳じゃないんだがな。地球の食料が美味しすぎるのが悪い。そういう事にしておこう。


「万が一も兼ねて異世界の食料も補充、後今後の予定だな」


「しょうがない。我も主と面白い日々で食事以外も満足しておる。そこは我慢しよう」


ヴァイスはしぶしぶといった感じだ。


「我が知る街はここから更に北に行った所にあったはずだ。東と西は荒れた廃墟の先にあるが、人間の足だとかなり遠いな」


「俺、どんだけ南の端っこにいたの? まぁそのおかげでヴァイスとプリンに出会ったからそれはそれでいいんだけど。んで、廃墟ってなに?」


「昔の話だ。そこもここと同じように魔物のスタンピートで人間が負けてそこに誰も住まなくなってしまったからだ」


ふむ。そういう事か。ならまだ比較的安全な街の北に行くべきか。マップに簡易的に表すなら


            ???の街

              ↑

??の街←ゴブリンの村←キリスの街→廃墟→??の街

              ↑

            魔物達の森

              ↑

         森←フェンリルの森→森

              ↓

      強い魔物達の森(俺の初期転移先)


こんなとこか。改めて転移先がひどい所だったな。さて、どこに向かうか。ヴァイスに乗れば西も東も行く事は可能だろうが。


「とりあえずさらに北上って事にしておこうかな。移動経路もわかりやすい」


「ならば鍛錬もキリがいいとこまでやっておこう。主とプリンはあと少しでレベル30になる。少し強い南の森の奥で転移して鍛錬すればレベルも上がるだろう」


「え? まだするの? もういいんじゃない?」


「何を言っておるのだ? 主よ、我が知っていたあの頃の人間のレベルは平均的に30だったという事だ。それ以上のレベルもたくさんいたということだぞ? わかっておるのか?」


「いや、わかってるけどさぁ、その頃と今はだなぁ違うと言いますか……」


「…………じろっ」


「わかりましたよー レベル30まで上げてからにしますよー」


そうして俺とプリンはレベル30になるまで森とこの街を行き来し、さらにレベル上げに励んだのであった(解せぬ) プリンは通常運転でひたすらぷるぷるしていた。


名前:村木京介ムクノキ

職業:冒険者【暗殺者を極めしテイマー】

称号:暗殺者を極めし者(能力微上昇補正)

LV:31

HP:198 MP:103

ATK:167 DEF:94 MAG:77 SPD:92

スキル一覧

鑑定 アイテム袋(時間ストップ無限収納) 夜目 不眠不休 テイマー 火球(火魔法) オートマップ 無限異世界ボックス 能力2倍強化 暗殺者(隠密 気配遮断 気配察知 痛覚遮断 鷹の目 状態異常無効 超再生 転移:消費MP30) 剣術 体術 盾術


名前:プリン(スライム)

職業:京介の従魔

LV:30

HP:173 MP:68

ATK:111 DEF:66 MAG:42 SPD:139

スキル一覧

物理無効 触手 初級回復魔法 変形 能力2倍強化 硬化 ウォーターガン(水魔法)


名前:ヴァイス(フェンリル)

職業:京介の従魔

LV:60

HP:478 MP:208

ATK:201 DEF:132 MAG:103 SPD:354

スキル一覧

魔法反射 切り裂く トルネード(風魔法) 変化 疾走 能力2倍強化 風の加護


なんとかヴァイスの規定レベルに到達! マジ鬼教官。後ボボン水最高! ATKがかなり上がっている! まず俺のレベルが31なのはプリンがレベル30になるまで付き合っていたらこうなった。毎日ズタボロ状態になっても防具以外身ぎれいなのはプリンの吸収のおかげだ。今更だが、吸収ってスキルないよな。固有だからか? まぁいい。


「あー疲れたー 頑張ったから一週間の有給申請を出す! 受理してくれー」


「なんだそのユウキュウというのは?」


え? ないの? やっぱり異世界ってブラックなの? アホなの?

しっかり休まないと体壊すよ? 


と文句を言いながらギルドに入る。毎日しっかり魔物の納品もしているぞ。金は全て武器と防具に溶けているがな。宿代はギリギリだぞ? 目立ちたくないからしょうがない。こんな中身おじさんが目立った所で誰得なのよ? マジで。俺は異世界を満喫したいだけだからな。冒険者ランクも当然上がってないぞ。


武器屋のおっちゃんと防具屋のおっちゃんはもう顔見知り並みの勢いだ。


「いらっしゃい! 今回もズタボロだな」


「いつものを頂戴!」


「あいよ」


ちょっとしたファミレスの店員に言うかのような感じだ。

何回か行って「いつもの!」って言ったら通じるかな? とかドキドキした思春期の頃の記憶が蘇る。


それと少し残念だったのが、スキルだな。何も増えてない。覚えてもない。

剣術ばっかりやってるからそろそろ剣豪とかに変わって欲しい。変わるもんなのかわからないが。ようやくこれで異世界をゆっくりまったり満喫できる! はず。だよね? ヴァイスさんや?


そして地球の食料は、当然食べ尽くしていたのは、いうまでもない。もし戻ったらあれだな。砂金売りに行って食料確保は必須だ。俺の異世界生活は今の所ほとんど鍛錬ばっかりだ。ちくしょうめ。

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