第16話 天使の休息
この話に主人公は出てきません。つまり? そうです。短めという事です。こういう閑話? ってあんまり長く続けたくないんです。性分なんです。
私の名前は天使シルビア。異世界リンクの復旧を任されている。降り立った場所から飛び続けていると目の前に魔物の大群がいた。おそらくワイバーンであろうか。
魔物は私を見つけると大きな口をあけて襲いかかってきた。
「天使の私に勝てると思ってるの?」
私は魔法で作った剣でその魔物を一刀両断。魔物はそのまま下へと落ちていった。しかし次々と襲いかかってくる。
「めんどくさいわね」
私は攻撃を避けつつ先を急ごうとしたが、ワイバーンも獲物を逃さないとばかりに必死に私を執拗に狙ってくる。私は振り向きワイバーンを殲滅することに決めた。
「殲滅した方が早いわね」
私はワイバーン殲滅し、先を進む。
「見つけた!」
私は不具合があった場所に降り立った。
「ここがその場所のようね」
だが、どこを見てもおかしい場所は見当たらない。そうこうしているうちにまた魔物が襲ってきた。
「今度は何よ! しつこいわね!」
魔物を駆逐、チェックの繰り返しを数十回。シルビアは原因を突き止めるのにかなり時間がかかった。
「あ、ここがちょっとおかしくなってる。えーっと? こことここをこうして、接続。起動開始」
【リンクを接続…成功。地球とのリンクを接続…失敗 再接続を試みます】
【再接続失敗…異世界リンク先の修復を試みます】
【修復できませんでした】
「うーん。接続は出来たみたいね。地球とのリンクが駄目ってことはこっちかな?」
天使はそれからつきっきりで何日もかけて不具合を修正したのだった。
「きぃー! なんで駄目なのよー! ここはどう!?」
【リンクを接続…成功。地球とのリンクを接続…成功】
【双方リンクの接続を確認。接続完了。】
【接続状態 アバター◯ メール◯ 転移又は帰還◯】
「やった! ようやく治った! なんでここだけ変な事になってたのかしら? とりあえずは任務完了したわね。ちょっと疲れたから観光して帰っても文句言われないわよね。異世界に来てるあの人にでも会いに行ってこようかしら?」
天使はそういうと耳に手を当て神へ念話を送った。
「修復完了しました」
「遅かったわね! お疲れ様。で、どうだった?」
「はい。概ねこれといった故障とかではないとは思います。大丈夫だと思いますが、少し不可解な点が」
「不可解な点?」
「そうです。そこだけ何故か変に絡まっていたというか。なんというか。報告は以上です」
「それに関してはこっちで調べてみるわ」
「それと今異世界に来ている人物に少し会って帰還したいと思います」
「ん? どうして?」
「そ、そうですね。アンケートといいますか。楽しんでいるかどうか? ですかね」
「わかったわ! もし何かあったら手伝ってあげて! 場所はココね」
「了解しました。それでは数日後帰還します」
私はほっとした。これだけ苦労したんだもの。何日か休憩してもいいわよね。
私はそのままそこから飛び去った。
次から主人公視点となります。