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第11話 スキルオーブ

ヴァイスの背に、俺とプリンは乗りその日の夕方に、キリスの街に辿り着いた。少し手前で降りて、ヴァイスは獣人化したぞ、勿論。


「主は、もう少し体力をつけないといかんな」


ヴァイスは疲れ切った俺をみて、そう呟いていた。え?レベル高い人って、あれぐらいは余裕なの? マジですか?


「能力2倍あるからいいじゃんー」


「何を言う! 制限された時間での、2倍なんぞに頼ってはいかん!」


いや、そりゃまぁそうなんだけどねぇ。


「それならいい事思いついた! あれってMP×秒な訳じゃん? 例えば攻撃する時オン。攻撃したら即座にオフ。そうすれば一瞬しかMP使わないよ。…言って思ったが、そんな事できたらチートじゃね?」


「チートが何かわからんが、スキルでそんな使い方をやるやつはみたことない。明日でも試しにやってみるのもありだな。」


そんな話をヴァイスとしていたら、っという間に俺は冒険者ギルドへ到着。依頼達成報告をするため、並んでいる時ふと思った。

ゴブリンの耳を全部出したら、さすがに騒ぎになるよな。新人冒険者が、いきなり200個以上の耳を、ドサドサドサ……。うん。非常に目立つ。ここはゴブリンの耳、10個くらいにしておこう。そして俺達の番になった。


「ムクノキさん。おかえりなさいませ。ゴブリンの依頼でしたよね? 耳はお持ちですか?」


「はいこれ。10個程ですが……」


「新人で10匹も、いきなり討伐してきたんですか? 大丈夫でしたか?」


「あ、はい。大丈夫です。はぐれゴブリン?がいたので」


「なるほど。それでしたら大丈夫ですね。それでは報酬です。本日はお疲れ様でした」


あ、あぶねぇー! 少し多かったか。でもなんとかごまかせたぞ。


「主よ。残りの耳はどうするのだ? すぐ腐ってしまうぞ?」


「ヴァイスさん? 俺のアイテム袋は時間停止してるんです。お忘れですか?」


「そういえばそうだったな……というか、そのしゃべり方はなんだ?」


「なんでもない」


俺はちょっと偉そうにヴァイスにしてしまったが、そこはまあ、いいだろう。帰りながらお腹が空いたので、屋台で串焼きとパンを大量に買い、そこら辺のベンチでみんなと食べた。

食べ終わって宿に着いたら、さっそくプリンに汚れを吸収してもらう。ヴァイスも同様だ。


「今日も一日お疲れ様~ってことでヴァイスとプリンにプレゼントだ!」


「ん? 主! この黄色と茶色の物体はなんだ?」


「それはプリンだ! プリンの事じゃないぞ?」


すっごいややこしい。安易にプリンって名をつけた自分が恨めしい。


「おぉ! 甘い! 甘いのにすごく美味しいぞ! 肉よりも美味いではないか!」


「ぷるぷるぷる♪」


「今日はみんな頑張ったからな。お礼だよ。まだストックは残っているから食べることはできるぞ。」


ボボンの実からいつもの水分(ボボン水)も、みんなについでに出した。そんな他愛もない会話をした後、ヴァイスは元の姿に戻り、寝そべって寝ていた。プリンはテーブルの上でくつろぎ、テーブル全体を覆うように、平べったくなっている。なぜ平べったくなる! 触りたくなるから見ないでおこう。

そして俺はと言うとスキルオーブを出して考え事をしていた。


「うーむ。もっと楽に戦いたい」


ゴブリンキング戦に思ったが、速攻突撃してくる魔物は厄介だ。気づかれずに、なるべく近寄った状態で、サクっとやってみたい。戦うのが怖いとまでは言わないが、ステータスがいくら強くなっていても、当たると多少なりとも痛い。


「隠密 忍び足 痛覚遮断 気配遮断 気配察知 鷹の目」


違うな。このいろいろなスキルをまとめたスキルがあったはずだ。なんだっけな。

これらはアニメだと、下級スキル的な扱いだったはずだ。

アニメではこういうのなんていってたんだっけ?

アニメによっては、統合されたりもするんだよな。それぞれのスキルがレベルマックスになって、統合されて表示が見やすくなるんだよ。。

いや、それはいいとして、えーっと思い出せ~。暗黒騎士でもなく根暗ん坊でもない。盗賊やらシーフでもない。あ!!! 暗殺者だ! 他にも超回復とか全属性魔法とか覚えているアニメもあったが。

つまりだ。そういう上級スキルをこれ使ってスキルをゲットすれば、まとめて下級スキルマックスで取れるって事じゃない? この世界はスキルレベルがあるのかそもそもわからんが。要は下級スキルを一つだけ取るのではなくて、下級スキルが統合された上級スキルを一つ取る的な? 下級スキルをまとめてゲットだぜー! よし。これはやってみる価値あり!!!


そう考えた俺は、スキルオーブを手に取り思いのままを、目を閉じ念じた。するとスキルオーブに重みを感じなくなり、目をあけるとスキルオーブは消えていた。


「鑑定!」


名前:村木京介ムクノキ

職業:冒険者【暗殺者を極めしテイマー】

称号:暗殺者を極めし者(能力微上昇補正)

LV:18

HP:139 MP:58

ATK:91 DEF:43 MAG:36 SPD:44

スキル一覧

鑑定 アイテム袋(時間ストップ無限収納) 夜目 不眠不休 テイマー 火球(火魔法) オートマップ 無限異世界ボックス 能力2倍強化 暗殺(隠密 気配遮断 気配察知 痛覚遮断 鷹の目 状態異常無効 超再生 転移)


「称号って何! しかも思ってたのがほとんどスキルになってるー!」


神様、復旧に忙しいんじゃないんですか? もしかして見ていましたか? ちょっとだけスキル名変えたってバレてますよ? 覗き見していたんですか? スケベなんですか? 称号の補正の数値が反映されていませんよ? え? 微補正だからステータスが低いとほぼ意味がないですって?


「んなアホな妄想はとりあえずいいとして、気配察知と状態異常はありがたい」


いろいろ出来る範囲で試した結果、常時スキルは気配察知と異常無効だけだな。隠密やら遮断スキルをつけると誰にも認識されなくなる。さすがにそれはまずい。違う。寂しい。

鷹の目はずっと必要なもんでもない。転移は行った事がある場所に転移出来るようだ。森とこの街とゴブリン村しか行った事ないけどね。超再生は使うとMPの全部もっていかれた。怪我してないのに解せぬ! 怪我に気をつけよう。職業についてはもう完全スルーだ。わけわからん。


そんなこんなで、神様のアイテムのスキルオーブは使ったが、概ね満足した結果となった。やっぱり後回しにして、正解だったかもしれない。森の木の上に居た時に使っていたら、おそらくなんだかんだと、マップだの言ってたが、水魔法にしていただろう。だって、あの時は死活問題になりそうだったもん。全属性魔法とか頭にないよね。良かったよ。本当に。俺はボボン水を飲み干した後、布団に潜りそのまま眠りについた。


暗殺者のスキルを暗殺に変更しました。

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